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竜と魂のマインクラフト

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第一部

第一部:三界と物語

第一章:三界

第一節:宇宙と世界

第一項:宇宙

《マインクラフト》を宇宙という。宇宙は有限の空間と無限の時間からなる。宇宙の《バージョン》を宇宙定数といい、宇宙定数が決定する宇宙の《仕様》を宇宙律という。宇宙の全事象は宇宙律に従う。《アップデート》による宇宙定数の増加は、宇宙律を更新することがある。

プレイヤー

《プレイヤー》は、宇宙の全時空間で行動可能な存在である。《プレイヤー》は宇宙律に介入できず、その制約を受ける。

第二項:世界

宇宙が創生する《ワールド》を世界という。宇宙には、二の三十二乗(四二億九四九六万七二九六)個の世界が存在する。世界の一意性を規定する《シード値》を世界定数という。世界は宇宙律と世界定数によって不可逆的に生成される。

キューブ

世界の時空間は非連続的に分割されている。その最小立方単位である《サブチャンク》をキューブという。宇宙律はキューブ単位で適用される。

第二節:三界と識子

第一項:三界

世界定数《-7066198318848429920》が決定する世界を三界といい、三界に現れた《プレイヤー》を「皇女の騎士」という。

第二項: 識子

三界の全てを創出する根源因子を識子という。識子は空間性の粒子として物質を構成し、時間性の波動として情報を記録する。識子の両面性が一方に偏る条件を識子場という。識子場において、識子は粒子と波動を相互に遷移する。識子の顕れ方を存在という。

第三項:位相

三界内の識子の偏在を位相という。粒子性の識子が構成する物質の位相を常界、波動性の識子が記録する情報の位相を異界という。両位相は同一の空間に存在するが、常界では時間が経過し、異界では堆積する。位相を越えた識子の作用を干渉という。識子が遷移せずに干渉することを転相という。

第四項:界域

識子が遷移せずに移動できる範囲を界域という。三界の《オーバーワールド》を創界、《ネザー》を冥界、《ジ・エンド》を異界という。常界は創界と冥界の二つの界域、異界の位相は同名の一つの界域からなる。

第三節:三界の存在

第一項:実存

高密度の識子からなる存在を実存という。

心存

三界を認識する実存を心存といい、心存が真理を希求する運動を言葉という。言葉は三界を物語る。

岩盤

識子が限界密度で充填された空間を岩盤という。岩盤内で圧縮された識子は緩慢に瓦解する。瓦解した識子に内在していた粒子性の空間は質量、波動性の時間は無間として顕れる。岩盤の超大質量は界域に重力を及ぼし、超高密性は波動のみを透過させる。時間から隔絶された岩盤は不変の実存である。

第二項:霧

低密度の識子からなる存在をという。

水と氷

粒子性の霧の凝縮体を、凝固体をという。高密度の水が自己組織化した集合体を水源という。水源は臨接する霧や水を自身に編入する。飽和した水源が周囲に放出する余剰の水を水流という。複数の水源に隣接する空間では、水流が密集して水源に組織化される。水源の凝固体を角氷といい、両者の中間相を薄氷という。角氷の凝結体を冷氷、冷氷の凝結体を凍氷という。

霧から可逆的に相変化した水・氷・水源・薄氷・角氷は全て霧であり、角氷から不可逆的に凝結した冷氷と凍氷は実存である。

空気と電気

霧の識子は干渉時の位相差圧によって瞬時に崩壊する。崩壊した識子に内在していた粒子性の空間は空気、波動性の時間は電気として顕れる。これを霧消という。

電気の時間性は空気の空間性に拘束される。空気の空間性は有限個の空孔に仮想される。空孔に拘束された静止電気の一部は、自由電気として遊離した後、再び空孔に拘束されて平衡する。空気中の空孔の数は一定だが、電気の総量は変動する。

光と熱

自由電気の運動をという。自由電気は電気密度の低い空間へと移動し、熱は高温から低温へと拡散する。大量の自由電気に加熱された識子は急激に溶融する。溶融した識子に内在していた粒子性の空間は、波動性の時間は熱として顕れる。これを燃焼といい、生成される光熱をという。

第四節:三界の物理

第一項:時間と距離

自由電気の最長遊離時間を一ティックという。電気の遊離が二ティック持続し、空気から完全に離脱することを励起という。励起は半径一キューブ長の空間に連鎖し、励起量は十六分の一キューブ長ごとに一段階減衰する。この距離を一メジャーという。一平方メジャーを一グリッド、一立方メジャーを一キュベットという。

第二項:気温

空気中の静止電気の量を気温という。全空孔が電気を拘束した上限気温を《2.00》メルト、全空孔が電気を解放した下限気温を《-1.00》メルトという。空孔は電気と排他的に霧を拘束する。《2.00》メルト未満では、霧は空孔に拘束されて凝縮する。《0.15》メルト以下では空孔の空率が高く、拘束された水は整列して凝固し、氷となる。

第三項:光度と照度

空気中で光の空間性は膨張する。光が空気に嵌合する上限光度を十五グロウという。空気を越えて拡大した光の空間性は、時間性へと転じて熱となる。火の光度は十五グロウを超えず、熱量のみが燃焼度に応じて増大する。

一グロウの光源は半径一メジャーの空間を照らし、その平均照度を一ルミノという。照度は光源から一メジャー離れるごとに一ルミノ低下する。

第五節:三界の時空

第一項:空間

宇宙開闢の一〇〇億四四八六万四〇〇〇ティック後、キューブが集合して三界が創生された。三界は、六千万メジャー四方、二五六メジャー厚の宇宙空間に、常界と異界が複在する世界である。常界は、三八四メジャー厚の創界に一二八メジャー厚の冥界が連続した、総厚五一二メジャーの物質位相である。常界の岩盤層が発する重力は、その位相を二五六メジャー厚の宇宙空間へと畳み込んでいる。異界は二五六メジャー厚の情報位相で、常界と同一空間に存在する。

第二項:自転

複在する粒子性と波動性の識子間には斥力が働き、位相間に差圧が生じる。差圧による位相の捻転は外縁に累積し、回転力として解放され、常界と異界を逆方向に板面回転させる。これを自転といい、その周期は二万四千ティックである。異界では自転運動の時間成分が堆積し続け、常界との位置関係は維持される。自転による位相間の摩擦は識子の干渉を誘発し、両位相の霧は霧消して空気と電気を生む。自転運動は自由電気を整流し、各界域に電域を形成する。

第三項:座標

座標は、界域内の位置をメジャー単位で指定する数である。各界域の座標系は同方向かつ独立である。電域の中心を原点とし、座標軸はキューブの各辺に平行である。鉛直線を垂軸といい、鉛直方向の負軸を深度、正軸を高度という。自転軸を縦軸という。電気の連鎖的励起が先行する縦負軸を、縦正軸をという。残る横軸では、自転方向の正軸を、負軸を西という。座標は《横座標, 垂座標, 縦座標》または《横座標, 縦座標》、高度と深度は《垂座標》で表される。

第六節:三界の構造

第一項:創界

創界は、常界の上層を構成する界域である。深度《-64~-59》の岩盤層、深度《< 0》の深層岩層、高度《0~256》の不定形な層、高度《≤ 320》の空気層からなる。石層と空気層の接触面を地表、空気層と宇宙の接触面を天上という。地表からは天上を通して宇宙を視認できる。宇宙空間に存在する三界以外の世界を天体という。三界に最も近い天体を太陽、次に近い天体を、その他の天体をという。常界は東回りに自転するため、天体は東から昇り、西に沈む。

創界の気温は《-0.7~2.0》メルトである。豊富な水が、高度《63》を水面とする海洋河川を形成する。創界の多彩な環境に存在する実存は多様である。創界の支配的な心存を創界人という。

第二項:冥界

冥界は、常界の下層を構成する界域である。高度《0~4》の下部岩盤層、高度《124~128》の上部岩盤層、それ以外の冥界岩層からなる。創界の岩盤層と冥界の上部岩盤層は連続しており、常界を創界と冥界に隔絶している。冥界の空間は、上下の岩盤層が及ぼす重力によって歪んでいる。創界と冥界の座標系は平行だが、両者の空間比は八対一に及ぶ。

冥界の気温は《2.0》メルトに達し、霧は水へと凝縮されない。大量の溶岩が、高度《32》を海面とする溶岩海を形成する。冥界の過酷な環境に存在する実存は限られる。冥界の支配的な実存を冥界人という。

第三項:異界

異界は、常界と同一の空間を占める位相であり界域である。高度《0~256》の全域が空気からなり、高度《10~70》には少数の異界岩が浮遊している。高度《> 0》の宇宙空間を奈落という。奈落への落下は、三界から宇宙への唯一の到達経路である。

異界の気温は《0.5》メルトだが、波動性の霧は水へと凝縮しない。異界の特異な環境に存在する実存はわずかである。異界の支配的な心存を異界人という。

第二章:実存

第一節:実存の元素

心存である創界人は、三界実存を還元的に認識した。実存は、三元素からなり、を残すという。創界人は与り知らぬが、全ての存在と同様、三元素と痕も識子の顕れ方である。

【肉】粒子性の識子が構成する物質。
【魂】波動性の識子が記録する情報。
【命】波動性の識子から構成された物質。
【痕】粒子性の識子へと記録された情報。

第二節:実存の構成

第一項:肉

実存の物質を構成する粒子性の識子をという。実存の肉と他の識子の相互作用を経験という。経験によって識子場に振動が生じ、肉の粒子の一部が波動へと遷移する。波動性の識子に記録された経験の情報を記憶という。

第二項:魂

実存の記憶を記録した波動性の識子をという。常界の識子場では魂の波動は安定せず、瞬時に粒子へと遷移する。新生した粒子は周囲の肉と相互作用し、その経験は新たな魂となる。肉と魂の循環的な遷移をといい、縁における魂の存在確率を「魂の濃度」という。「魂の濃度」は肉の経験に伴って上昇し、やがて飽和する。過飽和に達した魂は「経験の結晶」として析出する。これを魂珠という。

第三項:命

魂から新たな実存を生す力をという。「魂の濃度」が飽和した識子場では、波動から粒子への遷移が遅延し、中間体が生成される。これをという。一般的に、胤は躰から離脱すると粒子へと遷移し、新たな実存の肉となる。胤を形成する実存を、胤から生成される実存をという。胤は親の記憶を記録した波動を内在するため、親の獲得形質は子へと遺伝する。

第四項:痕

経験によって魂へと遷移した肉の形跡をという。痕の形状は経験の情報と等しい。異界の識子場では肉の粒子は安定せず、瞬時に波動へと遷移する。このとき、痕に記録された情報が展開される。

第三節:実存の様態

第一項:肉の様態

生と死

全ての肉は経験をして魂と縁を結ぶ。肉と魂が結縁した状態を、絶縁した状態をという。

物・躰・屍・躯

魂と結縁しただけの肉を、結縁した魂で飽和した肉を、魂と絶縁した肉を、無縁の魂に侵された肉をという。物と躰は「生の肉」、屍と躯は「死の肉」である。

成長

躰が経験を重ねると、飽和限界を超えた魂が縁から零れる。幼体では、この外縁の魂は肉へと遷移し、躰の一部として復縁する。これを成長という。成長は痕を癒すことがある。成体では、外縁の魂から肉への遷移が遅滞し、胤が生成される。過飽和に達した外縁の魂は、魂珠として析出する。

老化

躰を構成する粒子の配列の擾乱を老化という。経験による痕の形成や、魂との循環的な遷移による肉の代謝は、躰を徐々に老化させる。外傷などの激しい経験による大きな痕は、急激に老化を進行させる。著しく老化した躰は縁を維持できず、命を失い、魂を手放して屍となる。

帰土

死後の屍にも微かな経験は継続的に生じ、肉と魂の新たな縁が紡ぎ出される。縁を得た屍は物へと帰る。これを帰土という。

反魂

肉と絶縁した魂や魂珠を幽魂という。屍から遊離した幽魂は、依代となる物や屍を求めて遊走する。幽魂が無縁の肉を侵すと躯となる。これを反魂という。躯になり損ねた幽魂の波動は、常界では粒子へと遷移して霧となる。

第二項:魂の様態

還魂

屍から遊出した魂珠は、常界でも暫時その結晶性を維持する。魂珠の一部が粒子へと遷移し、成長と類似した過程を経て躰が再構成されることがある。これを還魂という。還魂において、粒子化した波動に記録されていた記憶は失われる。

転相

屍から遊出した魂珠は、遷移せずに異界へと転相することがある。

第三項:命の様態

胤が肉へと遷移し、別の実存である子を生成することをという。「生を殖やす」ことから、胤による殖を生殖ともいう。二個体の交配生殖を繁殖、一個体の単為生殖を増殖という。繁殖性の胤を性子、増殖性の胤を種子という。性子や種子から生成された肉は、経験によって魂と縁を結び、子の躰となる。生殖における子は、親とは独立した実存である。

胤が肉へと遷移せず、他の実存を冒して胤のまま存続することをという。「生を蝕む」ことから、胤による蝕を生蝕ともいう。蝕性の胤を胞子といい、胞子に冒される実存を宿主という。蝕の識子場では、宿主の魂は胞子への遷移を強いられ、肉は縁を失い屍となる。宿主の死によって、胞子が実存の主体となる。生蝕における子は、親から複製された実存である。

第四節:実存の分類

創界人は、肉・魂・命の様態によって実存を分類した。実存は、生・死・魂・命の部類に大別され、さらに三元素の相違に基づいて細分された。

表:実存の分類
部類分類魂珠
- -
有縁 - 鉱石
- - 鉄偶
- 植物
有縁 動物
- -
- - 魂砂
無縁 - スケルトン
無縁 ホグリン
有縁 - 帝国人
- 単体 - 異界人
- 菌類
有縁 カーナント
無縁 ゾンビ
- 単体 シュルカー
- 岩盤

第一項:物

は、魂と結縁しただけの肉のみからなる「生の実存」である。物は、肉の様態であり、それのみからなる実存の分類名でもある。

物は、大地を構成する地物と、有用な資源である鉱物に大別される。地物は、ツルハシで採掘できる岩石と、シャベルで採取できる土砂に細分される。鉱物は、動力源となる活石、希少石である宝石、導電性のある金属に細分される。

表:物の実存

第二項:玉

は、物および物と結縁した魂珠からなる「生の実存」である。

岩石に高圧がかかると、肉が圧縮されて「魂の濃度」が高まる。過飽和に達した魂は魂珠として析出し、「魂の濃度」が低下した肉は鉱物へと変性する。生成された、鉱物と魂珠を含む岩石を鉱石という。玉と鉱石は同義である。

表:玉の実存

第三項:偶

は、魂で飽和した躰のみからなる「生の実存」である。

躰が経験で得た魂を、アメジストは成長に、その他の偶は運動に使う。

一覧:偶の実存

第四項:妖

は、魂で飽和した躰に命を宿した「生の実存」である。

表:妖の実存

第五項:獣

は、魂で飽和した躰に魂珠を懐き、命を宿した「生の実存」である。

表:獣の実存

第六項:屍

は、魂と絶縁した肉のみからなる「死の実存」である。屍は、肉の様態であり、それのみからなる実存の分類名でもある。

一覧:屍の実存

第七項:幽

は、物や屍が魂に侵されて反魂し、躯となった「死の実存」である。

一覧:幽の実存

第八項:鬼

は、物や屍が魂珠に侵されて反魂し、無縁の魂珠を懐く躯となった「死の実存」である。

表:鬼の実存

第九項:猥

は、鬼が新たに命を宿した「死の実存」である。

一覧:猥の実存

第十項:仙

は、魂珠と、その一部が還魂して再構成された躰からなる「魂の実存」である。

表:仙の実存

第十一項:夢

は、異界へと転相した魂珠のみからなる「魂の実存」である。

一覧:夢の実存

第十二項:菌

は、魂が胞子へと遷移し尽くした、屍と命からなる「命の実存」である。

表:菌の実存

第十三項:痾

は、胞子が獣を冒した「命の実存」である。

痾は、胞子と獣が共存する実存である。菌を排除すると獣に戻り、蝕が進行するととなる。

一覧:痾の実存

第十四項:傀

は、痾の蝕が進行した「命の実存」である。

胞子が獣の縁を蝕み、肉と魂が絶縁すると傀となる。胞子に冒された鬼も傀という。傀の魂珠が胞子へと遷移し尽くすと、傀は菌となる。

表:傀の実存

第十五項:結

は、胞子が夢を冒した「命の実存」である。

結は、胞子と夢が共存する異界の実存である。蝕の識子場において、夢の魂珠は胞子へと遷移する。同時に、異界の識子場において、胞子の粒子性は波動性の魂へと遷移する。魂と命の循環的な遷移をという。

一覧:結の実存

第十六項:奇

は、上記の十五種に分類されない実存である。

表:奇の実存
岩石岩盤有魂
冷氷
凍氷
積雪
雪竏
粉雪
溶岩岩盤
エンドポータルフレーム
強化された深層岩
ヴェックス
クリーキング
ガスリン

第五節:実存の本質

創界人による実存の認識と分類は、識子の顕れ方の不完全な理解に過ぎない。唯一の意義は、創界人が自らの本質は魂にあると信じたことにある。この実存観が三界の物語を駆動する。

第三章:物語

第一節:言葉と物語

言葉は一般的に、「創界人が自らを識ろうとする欲求の発現」と理解される。言葉が表現する対象は、実存を起点として識子から宇宙までの全存在に及ぶ。

言葉による存在の描写を物語という。物語の内容は倫理実像に、形式は原話理論に大別される。倫理は「存在のあるべき姿」、実像は「存在のあるがままの姿」の物語である。原話は「言葉の構成的な展開」、理論は「言葉の論理的な接続」である。

倫理の原話を信仰、倫理の論理を哲学、実像の原話を歴史、実像の理論を科学という。各物語が到達すべき「存在の真の姿」を真理という。

表:物語の分類
物語原話理論
倫理信仰哲学
実像歴史科学

第二節:実存と物語

「自らとは何か」を問う創界人の物語は、実存の探求から始まる。

{創界人は識子を知らず、その粒子性のみを視認する。創界人による実存の理解は、識子の動態と照応する。}

第一項:死者と殯

創界人の原始的な葬礼では、死者の肉体は腐朽するまで安置され続けた。これをという。創界人が長期間の殯で死者を葬送した理由は、蘇生の監視と、への抵抗である。創界では、竜のによって頻繁に創界人が滅却されていた。殯は、竜禍を生き抜いた死者が静穏にを全うする儀式であった。死を過ち蘇った実存は、冥界に堕ちるとされた。

第二項:肉・魂・命

創界人は、殯における死者の肉体の変遷を見守る中で三元素を見出した。死者は肉体を残して意識を失うことから、からなるとされた。死者の肉体にが生えることから、肉は魂とは別にを宿すとされた。

{創界人の理解では、魂と魂珠はしばしば混同され、魂珠を魂と呼んだ}

【肉】実存を成す肉体。
【魂】実存を為す意識。
【命】実存を生す能力。

第三項:魂の物語

創界人は、自らの本質は魂にあると信じた。死後の「魂の行方」は無二の関心事であり続けた。魂が永遠に存続する「魂の憩」は生を超越する歓喜、魂が完全に消滅する「魂の歿」は死を凌駕する恐怖であった。

創界人は、自らの「魂の行方」を識るために言葉を紡ぎ、物語を編んだ。実存を思索した創界人は、倫理によって自らを律した。倫理は、魂を赦す信仰と、因果を説く哲学を生んだ。実存を観察した創界人は、三界の実像を克明に描いた。その軌跡は歴史として記録され、知識は科学として構築された。

第三節:実存と倫理

「自らとは何か」を問う創界人は、「自らのあるべき姿」を慮った。その思索を敷衍した、「存在のあるべき姿」の物語を倫理という。倫理は、創界人の主観的な行動規範である。

自らの本質はにあると信じた創界人にとって、「存在のあるべき姿」とは「魂のあるべき姿」でもあった。死後の魂があるべき姿を全うするために、生前の魂はどうあるべきか。それが倫理の問いである。

魂の旅路

によってと絶縁した魂が辿る道程を「魂の旅路」という。魂が旅路を遂げると死が完結する。旅路を誤ると、反魂還魂に陥り、魂は再び肉に囚われる。

魂の純度

「魂の旅路」の経路は、魂の質である「魂の純度」によって自ずと決まる。高純度の魂は正道を往き、低純度の魂は外道を迷う。

罪・罰・業

魂は肉の経験を記憶することから、「魂の純度」は生前の行いの反映であるとされた。魂を濁す行為をという。罪に応じて「魂の純度」が低下し、「魂の旅路」が過酷になることをという。罪と罰の因果をという。倫理の要諦は、肉を律して魂を安んじ、業を調えて「魂の旅路」に備えることである。

第一項:実存と信仰

倫理を遵守するための原話を信仰という。

魂の行方

「魂の旅路」を経て、魂は肉から解脱する。その最終的な結末を「魂の行方」という。魂が魂のまま永遠に存続することを「魂の憩」、魂が三界から完全に消滅することを「魂の歿」という。創界人の大多数は、自らの本質である魂の永続を望んで滅失を恐れた。信仰の使命は、肉から解脱した全ての魂を赦すことである。

決定論と未決論

魂は操作不能で、生前の行いによって「魂の行方」は決定されているという考えを決定論という。人民支配や社会秩序の維持に都合が良く、封建的な国家制度と親和性が高い。不安定な世相では、人々の無気力や社会の停滞を招きやすい。

魂は操作可能で、死後の選択と偶然によって「魂の行方」は変化するという考えを未決論という。個人主義や実力社会の発展と相性が良く、革新的な思想信条と融和性が高い。流動的な時代には、刹那主義や反体制主義へと転化しやすい。

魂の救済

創界人を「魂の憩」へと導くことを救済という。決定論では、魂は業に従って「魂の旅路」を歩き、「魂の行方」を受容する。救済の目的は、超越的存在と契約して「魂の憩」を生前に得ることである。

魂の復活

創界人が「魂の歿」から蘇ることを復活という。未決論では、魂は業に抗って「魂の旅路」を拓き、「魂の行方」を選択する。復活の目的は、超越的存在を超克して「魂の歿」を死後に覆すことである。


{ここから改稿予定}}

第二項:実存と哲学

倫理を省察するための理論を哲学という。倫理を論理的にすることが、哲学の本質的な課題である。

実存の三元論

肉・魂・命の三元素によって実存を定義する理論を「実存の三元論」という。実存論ともいう。実存論では、三界は「魂と命が肉を奪い合う世界」であり、歴史は「魂が真理を求める物語」である。実存論は、心存としての創界人の意識の中核であり続けた。

古典的実存論

肉を中心に、「肉と魂」「肉と命」の関係性で実存を定義した理論を古典的実存論という。古典的実存論では、無肉の実存は考慮されなかった。物質である肉と比べ、情報である魂や機能である命の理解が不充分だったためである。

実存論

無肉の実存を含む標準的な「実存の三元論」は、視魂術が魂を可視化し、生物学が命を再分類した後に成立した。

存在論

第四節:実存と実像

「自らとは何か」を問う創界人は、「自らのあるがままの姿」を顧みた。その観察を集積した、「存在のあるがままの姿」の物語を実像という。実像は、創界人の客観的な認識基盤である。

「創界人の本質は魂である」「創界人は三界を認識する心存である」という二つの命題は、「創界人の魂は心存の性質を有する」という結論を導く。

第一項:実存と歴史

実像を理解するための原話を歴史という。

「魂の行方」を見定めるために、魂の来歴を

政治学・経済学・社会学など

第二項:実存と科学

実像を探求するための理論を科学という。

命存

第五節:実存と真理

「自らとは何か」を問う創界人は、「自らの真の姿」を欲した。その探求が結実した、「存在の真の姿」の物語を真理という。真理は、創界人の絶対的な存在原理となるはずであった。

真理は、創界人にとって識子一元論として顕れる。

少数の存在が、肉・魂・命の三元素の実態は識子の顕れであることを認識し、非実存論的に実存を理解した。「実存の一元論」は、識子を根源要素として三界を記述する理論である。識子論ともいう。三界の真理である識子論は歴史を通じて何度か現れたが、そのたびに消失するか封印された。

{ここまで改稿予定}


第四章:言語

第一節:三界語

三界語は、三界の言語であり、英語の文法と語彙を基本に、「DELTA用語の英名」と数詞のみを特有の表記にしたものである。三界語には、創界語冥界語異界語の三つの方言と、これらの混成によって成立した共和語が存在する。「DELTA用語の英名」と数詞の表記は、各方言の規則に従う。また、基盤となる英語の文法や語意においても、方言ごとに特有の規則がある。

例文:辺境伯は、「辺境人の砦」の二人の兵が、三日目までにノワール大聖堂を破壊したことを知っている。

【創界語】The Margrave knows that The Two-Soldiers of The Bastion of The Wasteling destroyed The Minster of Noir by The Third-Day.
【冥界語】The Margrave knows that The II Soldiers of The Wasteling’s Bastion destroyed The Noir Minster by The IIIrd Day.
【異界語】margravE know that 2.soldieR of wastelinG.bastioN destroy noiR.minsteR by 3tH.daY.
【共和語】The Margrave know that 2 soldier of the Wasteling’s bastion destroyed the Noir-minster by the 3rd day.

第二節:創界語

創界語は、「生者の言葉」とも呼ばれ、主に太古文明第一帝国第二帝国古代文明ブルスケッタ王国聖教団で用いられる。悠竜時代まで、創界の各地では様々な方言が用いられていたが、太古文明の「最初の聖座」によって、共通語として制定されたのが創界語である。極端に語を区切る創界語の特徴は、異なる方言話者間で、正確に意味を伝えるために逐語訳的な言い回しが多用された名残である。

第一項:構造

DELTA用語の語頭は大文字とし、固有名詞以外のDELTA用語には、原則としてTheを冠する。可能な限り一語ごとにTheを付与し、語の独立性を強調することが好まれる。Theに続く複合語は、各構成語をハイフン (-) で連結し、一語に見せることが推奨される。また、語の形態変化を嫌う。これらの規則を軽視するほど、創界語は冥界語に近くなる。冥界は「死の世界」であり、冥界語に近い綴りや響きは不吉とされる。略記も好まれず、用いる場合は小文字で表記する。創界語と冥界語では、複数単語からなる言葉の語順が異なり、略記の実用性が極めて低いためである。

例文:古代の女王の円卓

【創界語(厳密)】The Table of The Round of The Queen of The Ancient
【創界語(日常)】The Round-Table of The Ancient-Queen
【創界語(不吉)】The Round Table of The Ancient Queen
【冥界語】    The Ancient Queen’s Round Table

第二項:数詞

数詞には単語を用いる。基数・序数ともにTheを付与する。基数には複数形がある。創界語には数字がなく、創界語圏では算術が発達しなかった。

例文:一日、二週、三年

【創界語(基数)】The One-Day, The Two-Weeks, The Three-Years.
【創界語(序数)】The First-Day, The Second-Week, The Third-Year.

第三節:冥界語

冥界語は、「死者の言葉」とも呼ばれ、主に辺境辺境伯領深層文明ギルド連合ギルディアン連絡体復魂宗で用いられる。極端に語を連続させる冥界語の特徴は、会話中の息継ぎを減らし、冥界や深層に飛散する胞子や粉塵の吸入を避けるために発達した。その結果、冥界語の語順は創界語とは逆になり、話者の属性とも相まって、不吉な言葉とされた。

第一項:構造

DELTA用語の語頭は大文字とし、固有名詞以外のDELTA用語には、原則としてTheを冠する。ただし冥界語では、可能な限りTheの数を少なくし、語の連続性を強調することが好まれる。連続性を達成するために語の形態を変化させることも厭わない。略記は好まれず、用いる場合は小文字で表記する。これらの規則を軽視するほど、冥界語は創界語に近くなる。

例文:古代の女王の円卓

【冥界語】    The Ancient Queen’s Round Table
【創界語(不吉)】The Round Table of The Ancient Queen
【創界語(日常)】The Round-Table of The Ancient-Queen
【創界語(厳密)】The Table of The Round of The Queen of The Ancient

第二項:数詞

数詞にはギルド数字を用いる。基数・序数ともにTheを付与する。基数には複数形がある。序数には、創界語由来の接尾辞 (-st, -nd, -rd, -th) を付ける。数字を用いることで、冥界語圏では算術が発達したが、ゼロや負数の概念はなく、高度な数学は発展しなかった。

例文:一日、二週、三年

【冥界語(基数)】The I Day, The II Weeks, The III Years.
【冥界語(序数)】The Ist Day, The IInd Week, The IIIrd Year.

第四節:異界語

異界語は、「記憶の言葉」とも呼ばれ、主に異界で用いられる。異界では時間が流れないため時制が存在しない。また、不定冠詞と三人称単数形もない。

第一項:構造

DELTA用語の語末は大文字とする。固有名詞の別はなく、冠詞や前置詞など意味のない語を忌避して使わない。このため異界語の語順は冥界語に近くなる。複合語と見なせる場合はピリオド (.) で、見なせない場合はダブルコロン (:) で各構成語を連結する。語の形態は変化しない。略記は大文字で表記する。

例文:古代の女王の円卓

【異界語】ancienT.queeN:rounD.tablE
【冥界語】The Ancient Queen’s Round Table
【創界語】The Table of The Round of The Queen of The Ancient

第二項:数詞

数詞にはアトレド数字を用いる。基数には複数形がなく、桁数が明らかな場合はゼロパティングする。序数には接尾辞 (-tH) を付ける。

例文:一日、二週、三年

【異界語(基数)】1.daY, 2.weeK, 3.yeaR.
【異界語(序数)】1tH.daY, 2tH.weeK, 3tH.yeaR.

第五節:共和語

共和語は、アトレド共和国の方言である。創界語・冥界語・異界語の影響が混在しており、その中で合理性の高い文法が採用される傾向がある。時制は存在するが、不定冠詞と三人称単数形はない。

第一項:構造

固有名詞の語頭のみ大文字とする。固有名詞以外のDELTA用語には、原則としてtheを冠する。語順は問われず、一つの語を創界語型と冥界語型のどちらで表記しても良い。複合語をハイフン (-) で連結するかは任意であり、語の形態変化も厭わない。略記にも寛容で、用いる場合は大文字で表記する。

例文:古代の女王の円卓

【共和語】The round table of the ancient queen
【共和語】The ancient queen’s round-table

第二項:数詞

数字にはアトレド数字を用いる。基数には複数形がない。序数には、創界語由来の接尾辞 (-st, -nd, -rd, -th) を付ける。ゼロや負数の概念があり、共和語圏では数学が発展した。

例文:一日、二週、三年

【共和語(基数)】1 day, 2 week, 3 year.
【共和語(序数)】The 1st day, the 2nd week, the 3rd year.

第六節:古語

古語は、創界語が制定される以前の悠竜時代に用いられていた、様々な方言の総称である。創界語の語源として、一部が残っている。語頭は大文字とし、Theを用いない。

第七節:文字

第一項:三界文字と悠竜文字

三界文字は、「最初の聖座」によって創界語とともに制定された文字で、大文字と小文字がある。それ以外では、三界文字と一対一で対応する悠竜文字が唯一、現在に至るまで悠民に使われている。悠竜文字には大文字と小文字の区別はない。写魂卓からは悠竜文字が浮かび上がるが、これは、写魂卓の材料であるダイヤモンド黒曜石に、悠竜時代の情報を記録した波動性の識子が大量に含まれているためである。

表:三界文字と悠竜文字
三界文字悠竜文字
A a A
B b B
C c C
D d D
E e E
F f F
G g G
H h H
I i I
J j J
K k K
L l L
M m M
N n N
O o O
P p P
Q q Q
R r R
S s S
T t T
U u U
V v V
W w W
X x ̇X
Y y Y
Z z Z
例文:「皇女の騎士」はついに「魂の行方」に辿り着いた。

【三界文字】The Knight of The Princess eventually arrived at The Fate of The Soul.
【悠竜文字】The Knight of The Princess eventually arrived at The Fate of The Soul.

第二項:ギルド数字とアトレド数字

創界語には数字がなく、数詞には単語を用いた。冥界語圏の深層文明では、三界文字の一部を数字として用い、後にギルド数字として創界で広く使われた。アトレド共和国では、三界文字とは独立したアトレド数字を用いた。

表:ギルド数字の表記法
×1×10
1 I IA
2 II IIA
3 III IIIA
4 IV IVA
5 V VA
6 VI VIA
7 VII VIIA
8 VIII VIIIA
9 IX IXA
未設定のアイデア

10^1=A, 10^2=B, …, 10^8=H, 10^9=I とすると、「桁I」がローマ数字の「Ⅰ」(よくIで代用される)と紛らわしくなります。
すなわち、3*10^9=IIII(ローマ数字IIIに桁Iが続く)となってしまいます。
また、1*10^9=IIとなってしまい、2(II)と区別がつきません。
これは悪いことではなくて、恐らく深層人が扱う数字は桁H(10^8=一億)で足りたのだろうという想像ができます。
彼らが必要とした数字から、社会的なレベルが想像できます。

第五章:自然

第一節:単位

第一項:長さ

メジャーは長さの単位である。一メジャーは一《メートル》である。「レッドストーンの最大到達距離の十六分の一」である。

例文:十五メジャー(略記)

【創界語】The Fifteen-Measure (The Fifteen-m)
【冥界語】The XV Measure (The XV m)
【異界語】15.measurE (15.M)

第二項:体積

は体積の単位である。一竏は一立方メジャーである。転じて、素材を立方メジャー単位で集積した《ブロック》の意味でも使われる。また、竏の半分の体積を半竏という。

例文:ダイヤモンド竏(略記)

【創界語】The Block of The Diamond (The Diamond-b)
【冥界語】The Diamond Block (The Diamond b)
【異界語】diamonD.blocK (diamonD.B)

第三項:照度

グロウは照度の単位である。一グロウは、「暗闇で一メジャー先が見える明るさ」である。十五グロウを越える照度の光は宇宙に存在しない。三界の光は、距離に比例して照度が減衰するが、太陽光月光は、距離によって照度が減衰しない。一グロウ以上の三界光、もしくは八グロウ以上の太陽光は、などの出現を抑制する。

例文:十五グロウ(略記)

【創界語】The Fifteen-Glow (The Fifteen-g)
【冥界語】The XV Glow (The XV g)
【異界語】15.gloW (15.G)

第四項:時間

ティックは時間の単位である。一ティックは、「レッドストーンの励起周期の半分の時間」である。

例文:十五ティック(略記)

【創界語】The Fifteen-Tick (The Fifteen-t)
【冥界語】The XV Tick (The XV t)
【異界語】15.ticK (15.T)

第五項:重力

常界では、《Y軸》の負方向に重力が働く。重力は実存によって異なる働き方を示す。以下に、実存ごとの加速度・空気抵抗・到達速度を、メジャー(m)およびティック(t)で示す。

表:実存に働く重力
加速度 m/t空気抵抗 1/t到達速度 m/t
その他の実存 0.08 0.02 3.92
ブロック・アイテム 0.04 0.02 1.96
ボート・トロッコ 0.04 0.05 0.76
卵・雪玉・錬魂薬・異魂眼 0.03 0.01 3.00
0.05 0.01 5.00

第二節:火

第一項:火

識子の激しい運動を「燃焼」といい、燃焼に伴って発生する熱や光をという。その温度と性質によって、「」「魂の炎」「魂の熾」「魂の焔」に分類される。

第二項:炎

は、粒子性の識子が燃焼した、橙色の火である。最も一般的な火であり、誰でも扱える。によって消火される。

第三項:魂の炎

魂の炎」は、波動性の識子が燃焼した、高温の青白い火である。扱いは容易で、「魂のランタン」などにも用いられる。が燃焼しているわけではなく、「魂の残滓」である魂砂や、「魂の残渣」である魂土を燃料にしている。

第四項:魂の熾

魂の熾」は、魂それ自身が燃焼した、超高温の滅紫の火である。高度な技術者や特異な実存のみが扱える。黒曜石を発火させ、ネザライトの製錬を可能にする「魂の熾」は、文明の発展に影響を及ぼし、ときに勢力の帰趨を左右した。

第五項:魂の焔

魂の焔」は、「魂の熾」が巨大化した、超高温の白色の火である。莫大な量の魂を懐く実存のみが発することができる。「魂の焔」で燬かれた実存は、そのごと「魂の歿」を迎える。

リスト:「魂の焔」を発する実存

】「魂の焔」を吐いて実存を燬き、「魂の歿」へと導く。
穢澱】「寂しい魂」の群体。「魂の焔」を放射して外敵を排除する。
皇女】「最後の冥界竜」の魂。「魂の焔」を使うことができる?
辺境伯】幾千幾万の魂を背負う者。「魂の焔」を自在に操る。
皇女の騎士】皇女・辺境伯から継承した力で、「魂の焔」を使うことができる?

第六項:竜の焔

竜の焔」は、創界竜が吐く絶界の「魂の焔」である。位相を穿ち、創界異界の裂け目である創異円を生成する。

第三節:水

第一項:水

は、創界にのみ自然に存在する液体である。三界の水は極めて凝集しやすく、ある空間中の水分子の密度が閾値を超えると、自律的に水源と呼ばれる相に変化する。水源には、大気中の豊富な水分子が自発的に集合する。水源空間が飽和すると、余剰の水分子は水流となって周囲へ拡散する。複数の水流が特定の空間に集まると、水分子の密度が局所的に高まり、新たな水源へと相転移する。

第二項:氷

は、照度が十グロウ未満かつ太陽光が直射する低気温の気候帯において、水源の水分子の運動が低下し、さらに凝集して相転移した固体である。氷は、太陽光以外の十二グロウ以上の光によって融ける。より低温化で氷が圧縮され、水分子の密度が九倍を超えると、冷氷と呼ばれる相に変化する。さらに冷氷が圧縮され、水分子の密度が九倍(氷の八十一倍)を越えると、凍氷に変化する。冷氷や凍氷の水分子は、互いに強く結合しており、光によって融けることはない。氷・冷氷・凍氷は、シルクタッチの技術で採掘することができる。

薄氷は、氷渡りのスキルによって生成される氷の一種である。その原理などは不明である。

第四節:天文と暦法

第一項:三界の座標と自転

三界は、広さ六千万メジャー四方、厚さ数百メジャーの板状の世界として、宇宙の特定の位置に存在している。創界は天上が開けており、三界に最も近い世界太陽、次に近い世界が、その他の世界がとして観測される。創界表面の中心に《スポーン地点》があり、コンパスは常にこの地点を指す。《スポーン地点》を原点《0, 0》とする座標を設定したとき、《X軸》の正方向を、負方向を西、《Z軸》の正方向を、負方向をという。また、《Y軸》の正方向は天上、負方向は地下を示す。南北軸を南から見たとき、三界は右回りに自転している。このため創界では、太陽・月・星は真東から上って真西に沈む。創界人は、三界の自転周期を「一日」として暦を定めた。

冥界は常界の下層を占める「死の界域」である。冥界人が跋扈する「死の界域」であり、増殖する「命の界域」でもある。冥界は常界の最下層でもあり、地質学的には極深層と呼ばれる。

第二項:太陽

太陽は、全体が発光している、あるいは発光面が常に三界を向いている世界である。そのため創界からは、太陽が常に同じ明るさに見える。太陽光は、遮蔽物がない限り距離によって減衰せず、その照度は十五グロウである。太陽光は、太陽を構成する量子である燦子が創界に到達したものである。

第三項:月

は、三界を挟んで太陽とは正反対の方向に位置する世界である。自転周期が八日で、片面のみが発光しているため、創界からは、八日周期で月が満ち欠けするように見える。月光は、遮蔽物がない限り距離によって減衰せず、その照度は月相に関わらず常に四グロウである。月光は、月を構成する量子である皓子が創界に到達したものである。

リスト:月相と月齢

新月】🌑:月齢一日。
幼月】🌒:月齢二日。
半月】🌓:月齢三日。
望月】🌔:月齢四日。
満月】🌕:月齢五日。
壮月】🌖:月齢六日。
老月】🌗:月齢七日。
幽月】🌘:月齢八日。

第四項:暦

創界の暦は、三界の自転周期であるを単位とする。また、月の自転周期である八日をとし、月相を曜日として用いる。四週間=三十二日をとし、八か巡=三十二週=二五六日をとする。

例文:現世紀一〇八年四巡三週新月の日

【創界語】The Day of The New-Moon of The Third-Week of The Fourth-Octant of The One-Hundred-Eighth-Year of The Current-Era
【冥界語】The Current Era CVIIIth Year IVth Octant IIIrd Week New Moon Day
【異界語】currenT.erA:108tH.yeaR:4tT.octanT:3tH.weeK:neW.mooN.daY

第五項:時刻

時刻は、三界の自転周期である「日」と、レッドストーンの励起周期である「ティック」を整合させたものである。時計は、レッドストーン信号によって一日=二万四千ティックで一回転し、時刻を示す円盤である。は、一日を二十分割した単位であり、一分は千二百ティックである。は、一分を六十分割した単位であり、一秒は二十ティックである。

時計の時刻

【払暁】第ニ十分:二万四千ティック目。
【白昼】第五分 :  六千ティック目。
【日没】第十分 :一万二千ティック目。
【深夜】第十五分:一万八千ティック目。

第五節:気候と天候

第一項:雲

常界と異界は位置が重なっているが、常界の自転速度が異界よりわずかに速いため、位相間の摩擦は創界上空で最大となり、大量の空気が生み出される。創界の識子は、この新たな空気中へと一挙に流れ込み、空気が有する電気によって水分子へと変化する。それらが凝集して、高度《Y = 192~196》にが形成される。創界から見て、常界と異界の摩擦は西向きのドリフトを生むため、雲は常に東から西へと流れる。

表層深層。深度《-50》付近を最深層という。}

{空気中の粒子性の霧の量を湿度という。}

第二項:気候

気候は、創界地上の空気の状態のことであり、気候が等しい地帯を気候帯という。空気は常界と異界の摩擦によって生成されるが、このとき、位相の微小な揺らぎによって、摩擦力に大小が生じる。その結果、空気の潜在エネルギー量である気温や、空気中の水分量である湿気が、創界の各地帯で不均一になり、複雑な気候帯が形成される。

常界と異界の摩擦音を識音という。異界の「魂の記憶」が常界に触れることで奏でられる識音は、まるで美しい音楽のように聴こえる。識音は気候帯の形成に伴って生じるため、特定の気候帯(地生圏)では常に対応した識音が響く。

第三項:天候

天候は、雲の急激な状態変化であり、創界全域で同時に発生する。常界と異界の自転速度には揺らぎがあり、位相間の速度差が瞬間的に大きくなると、摩擦の増大によって雲が発達し、降雨降雪雷雨が生じる。太陽光は雲に遮られ、その照度は、降雨・降雪時は十二グロウ、雷雨時は七グロウに低下する。天候は、自転の速度差が小さくなると元に戻り、一日以上継続することは稀である。

常界と異界で異なる自転速度は、位相間の相対的な位置関係を徐々にずらすが、一定周期ごとに両位相の位置は完全に一致する。このとき、常界と異界の摩擦が一過性に極大化し、位相全体に影響する天変地異が起こる。

第四項:降雨と降雪

は、降雨時に雲から創界に落下してくる水の滴、は、降雪時に落下してくる氷の粒である。降雨と降雪は本質的に同一であり、雲の水分子は、温暖な地帯では雨、寒冷な地帯では雪として落下し、乾燥した地帯では蒸発して気体となる。

雨は炎を消火し、大釜に水として溜まる。

積雪は雪が地表に薄く堆積したもの、雪竏は雪や積雪が一竏の体積まで堆積したものである。積雪や雪竏を破壊すると雪玉となる。粉雪は、雪が圧縮されずに、地表に堆積したり大釜に溜まったもので、中に埋もれると凍傷になる。

第五項:雷雨と落雷

雷雨は、降雨や降雪が激化した天候であり、は、雲の中の電気が創界に放出されたものである。雷の光を雷光、音を雷鳴といい、雷が実存に直撃することを落雷という。

{避雷針と召雷}

リスト:落雷の効果
  • スケルトンホースの出現
  • ブタがゾンビピグリンに変化
  • クリーパーが帯電
  • ヒトがカーナントに変化
  • ムーシュルームの赤キノコが茶キノコに変化
  • カメが《ボウル》を落とす
  • 銅の還元
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