第二十一章:ブルスケッタ国王領
第一節:概要
国王領である小ブルスケッタは、王都ともいわれる。ブルスケッタ王国民であるブルスケッタンと区別し、ブルスケッタ国王領民は王都民=クラウンランダーと呼ばれる。
- 領民の気質:温和・温厚で友好的。保守的だが頑迷・排他的ではない。正道・中道を好む。正直で他者に優しく親切だが、打算的ではない。勇気を奮い、団結して事に当たる。
- 平和の概念:平和とは繁栄であるが、それは富むことではなく、貧しいものには施し、全ての者が安寧であることを重視する。
- 信仰の傾向:原罪を恐れ、信心深い。因果応報を道徳とし、王都民の善行・布施・生の歓びと死の畏れの根幹にある。死ぬと生まれ変わるので死後の世界は想定しない。
第二節:ブルスケッタ国王家
第一項:ブルスケッタ国王
ブルスケッタ国王は、円卓の英雄の中で最も統率に秀でた総帥=ブルスケッタ初代国王 (The First-King of Bruschetta) の末裔。当代国王 (The Reigning-King)。
同盟戦争で総帥は、創界人を主導する役割を担った。
同盟戦争後、元々ブルスケッタ地方を基盤としていた総帥がブルスケッタ領主として封じられて以降、代々統治している。
ブルスケッタが百年戦争と大厄災を乗り切った最大の理由は豊富な食料にあったとされる。
国王の奨励もあり、現世紀でも穏やかな気候を生かした農林水産業が発達。大農園による農業、トウヒを代表とする林業、王国が面した内海での漁業・水産業、牧場を含む畜産業、養蜂業が特に盛ん。作物等を売買する食料品店、豊かな食文化を反映した屋台や食堂なども多い。聖教団の施設は王国内で最も多い。食料に乏しいギルド連合とはブルスケッタの農産物を多く取引しており、領内にはギルド連合の商業施設も多いが、経済に疎い国王と領民をギルド連合が食い物にしているという批判もある。
国王領であるブルスケッタ地方を小ブルスケッタといい、ブルスケッタ王国全域を大ブルスケッタと区別することもある。
【気風】勇気、団結。
第二項:ブルスケッタ王妃
ブルスケッタ王妃は、愛称は「ブルスキーナ」。皇女・女神・天使を理想とし、隠れた皇女を代理する意味もある。王妃の名を冠した病院、学校、施薬院などがある。これらの慈善事業の一部は、王妃に協力している聖教団の原理派が担っている。一方、隠れてしまった皇女と第二帝国を顧み、繁栄を願う国母の一面を持つ。生命賛美の思想から、出産・育児を奨励し、農作物の豊穣を祈願する祭祀を執り行う。聖教団の原理派には聖母として崇められ、意図的に女神や天使と混同されている節もある。
【題材】女神、聖母、マリア。
【気風】繁栄、慈愛。
第三節:ブルスケッタ直轄区
第一項:ブルスケッタ城
第二項:王妃の円卓
王妃の円卓は、同盟戦争における皇女の円卓の名残。王国の最高意思決定機関。皇女の代理である王妃が諸侯を招集する。皇女は空席。皇女との会議、女神への報告、という体裁で、諸侯間の諍いを避け、団結を演出する。
表:王妃の円卓のメンバー
【女神】皇女の席。白色。空席。
【国王】総帥の席。緑色。
【大公】政臣の席。赤色。
【公爵】戦将の席。橙色。
【侯爵】工匠の席。
【伯爵】騎士の席。朧色。
【子爵】貴族の席:桜色。
【男爵】謀官の席:空色?
第三項:ブルスケッタ騎士団
ブルスケッタ騎士団は、同盟戦争で同盟の主力を務めた総帥の部隊 (The Company of The Marshal) を起源とする、国王騎士団 (The Knights of The King)。正統派騎士団。
【別名】{名称未設定}騎士団 (The Knights of The UNTITLED)
【旗】
第四節:ブルスケッタ聖教区
第一項:ブルスケッタ聖堂
ブルスケッタ聖堂は、聖教団が国王領に設けた第一聖堂。現実派が多い。王国全体の聖堂でもあり、各地方から巡礼に訪れる。
第二項:ブルスケッタ大司教
第三項:ブルスキーナ聖堂
ブルスキーナ聖堂は、聖教団が国王領に設けた第二聖堂。王妃との関係で原理派が多い。死者の葬礼など、死と再生に関わる儀式を執り行い、王都民の信仰を集める。
第四項:ブルスキーナ大司教
ブルスキーナ大司教は、過去に、ブルスキーナ大司教と王妃(ガレット出身)の不貞が疑われる事件があり、王国最大の軍事力を有するブルスケッタ国王とガレット公爵が聖嶺の聖教団に軍を差し向ける寸前までいったことがある。その後、ブルスキーナ大司教は去勢された者か、女性が務めることになった。
第五項:聖教騎士団
聖教騎士団は、ブルスキーナ聖堂に拠点を置く聖教団の騎士団。平和を旨とする聖教団に騎士団が存在するのは本来奇妙であるが、復魂宗と対決するために設置された。結構強い?
【題材】十字軍。
第五節:ブルスケッタ民集区
第一項:スズランの家
スズランの家は、ビスコッティ山の北東麓の狭小な平地に建てられた平屋と物見塔である。「皇女の騎士」が、創界と冥界の往来を監視するための拠点として設けた。物見塔の縦水路は、地下にある「太古の深層都市」の北端と直結している。このため、南方の深層都市群から冥界の勢力が侵攻してきても、即座に察知することができる。
物見塔の裏手には、一本の赤キノコ(スカーレットの子実体)が生えている。同盟を尊重する「皇女の騎士」は、その象徴色である赤色のキノコに親近感を覚え、その発芽を喜んだ。こうして、「皇女の騎士」の身辺でも、菌の増殖が始まった。
【開始】20250419
【座標】《-256, 0》
【様式】ブルスケッタ様式:凝灰岩+トウヒ+苔。
【旗】皇女旗:寝室。
【花】スズラン:皇女。寝室。
【花】バラ:ブルスケッタ王国の象徴。屋外。
【花】スイートベリー:ブルスケッタ国王領の象徴。屋外。
第六節:ブルスケッタ農業区
第一項:ブルスケッタ農庫
第七節:意匠
第一項:色象
緑色
緑色は、ブルスケッタの豊かな大地に栄える、ブルスケッタ国王領の象徴色である。古代文明の正統な末裔を自認する国王領では、小ブルスケッタ・大ブルスケッタ・大豊原の区別が曖昧であり、これらは全て「緑のブルスケッタ」と呼ばれる。緑色は、豊饒・繁栄・成長を意味し、蓄積・再生・継承への願いが込められている。小ブルスケッタ西部の冷帯タイガに自生するトウヒとマツは、天高く一直線に幹を伸ばし、常緑の葉を茂らせるため、「緑色の木」として親しまれ、日用品から建築まで、至るところで利用されている。
緑色の表象として、あらゆる場所で繁茂し伸長するコケやツタも好まれ、庭園でも除去されることはない。古代文明の石材にコケやツタが這った「苔むした石材」は、時間の経過を感じさせる建材として珍重されるが、入手に限りがある。その代替として、灰の堆積によって緑灰色を呈する凝灰岩が、「緑色の岩石」として広く用いられる。
国王領において、緑色には旺盛な需要があるが、サボテンから製錬される「緑色の染料」は大変な貴重品である。大荒原の砂漠と荒野に自生するサボテンは、冷帯の小ブルスケッタ西部はもとより、温帯の小ブルスケッタ東部でも生育せず、大ブルスケッタでは、かろうじてガレットのサバンナで栽培されている。したがって、深緑の旗章を制作するには、ガレット公爵領から「緑色の染料」を輸入するか、製造そのものをガレッタ工房に依頼するしかない。
表:緑色の表象
赤色
赤色は、同盟の象徴色であり、血・団結・武力を意味する。ブルスケッタ国王領においては、緑色に次ぐ重要な色とされた。バラ(赤薔薇)は、血の色の花弁、束となった多数の雄蕊、武器のような茨を持つことから、同盟の旗章に採用された。同盟軍を率いた総帥を祖とするブルスケッタ王国は、同盟と古代文明の正統な継承者として赤薔薇の紋章を相続し、バラを国花とした。国王領においても、バラは最も高貴な花として盛んに栽培されている。また、小ブルスケッタ西部の冷帯タイガに自生するスイートベリーも、血の色の果実、群生体の形成、動物を刺す棘といった特徴から、バラに準じた植物として愛されている。
表:赤色の表象
白色
白色は、同盟の盟主であった皇女の象徴色である。ブルスケッタ王国では、皇女の役割をブルスケッタ王妃が継承したことから、白色には女神・聖母の印象が重ねられ、慈愛・母性を意味するようになった。ブルスケッタ国王領では、白色の意匠は王妃との関係でのみ施され、国王からは半ば独立している。白色の表象には、皇女の象徴であるスズランは遠慮して用いず、本来は朧色であるヒナソウを充てる。また、小ブルスケッタ全域に自生するシラカバは、白い樹皮と常緑の葉から、王妃の女性性を象徴する「白色の木」として好まれている。
表:白色の表象
第二項:旗章
国王旗
国王旗は、ブルスケッタ国王領・ブルスケッタ国王家・ブルスケッタ国王の旗である。ブルスケッタ王国の旗である王国旗と同一のものであり、国王が単なる国王領の領主ではなく、王国全体の主君であることを示している。旗章は、緑地に赤薔薇。緑は豊饒な大地、赤薔薇は同盟の血・団結・武力の象徴であり、大豊原に栄えた古代文明の正統な後継であることを意味する。
王妃旗
王妃旗は、ブルスケッタ王妃の旗である。旗章は、緑地に赤で縁取った白十字。一層目はブルスケッタの緑を地とし、二層目に同盟の赤で太い十字、三層目に皇女の白で細い十字を描く。緑の大地に結ばれた同盟の主である皇女と、その後継たる王妃を表している。この意匠は、聖教団の聖教旗(赤地に黒で縁取った白十字)の色違いでもあり、両者の関係の深さを物語っている。
第三項:建築
ブルスケッタ様式
ブルスケッタ様式は、ブルスケッタ国王領の建築様式である。典型的な民家では、トウヒの原木で掘立柱を立て、その内部に凝灰岩を敷き詰めて土台とし、トウヒの板材で床・壁・屋根を張ったものが多い。公的な建築や富裕層の邸宅では、凝灰岩ではなく「苔むした石材」を用いる場合もある。ブルスケッタ様式は、冷帯である小ブルスケッタ西部で発展したため、暖炉と煙突を備える建物が多い。また、バラやスイートベリーをはじめ、様々な植物が積極的にあしらわれる。これらの植物は、屋根上や軒下にあらかじめ用意された空間で栽培され、建築物の一部と認識されている。コケやツタが蔓延っても、最低限の手入れしかされず、むしろその繁茂が喜ばれる。
