第十九章:同盟
第一節:概要
第二節:同盟都市
第一項:皇女の円卓
同盟締結時に、皇女と古代人たちが囲んだとされる卓。転じて、同盟そのものを指す語となった。当時、英雄たちが実際に囲んだのは「方卓 (The Square-Table)」であったが、ギルド連合の記録には「円卓」の文字が残されている。この同盟は、古代文明の簒奪を企図するギルド連合が立案したともいわれる。当初、八ギルドが八英雄をそれぞれ支援する「八八同盟」が計画されたが、同盟締結に反対した巫女ギルドと咒者ギルドが復魂宗に離脱したため、皇女と騎士にはギルドが付かず、構想は頓挫した。巫女と咒者の離脱劇は、ギルド連合の力を削ぐために総帥が企図したという説もある。
未整理のアイデア
「辺境伯の蹂躙」によって壊滅寸前に追い込まれた古代文明陣営はレジスタンス的なものを結成? それが皇女を戴き、ギルド連合と連帯して同盟となる?
皇女が従えていた騎士が佩く「ネザライトの剣」は、ギルドにとって「深層人が探索していた太古文明の痕跡」「しかも高位の者の末裔である証」であった。古代人にとっては、「辺境伯の武具と同じ冥界の剣」「辺境伯の武力に対抗し得るもの」であった。
表:皇女の円卓とギルド連合
第二項:円卓の英雄
表:円卓の英雄と古代十二院
第三節:総帥
「最後の執法院長」の息子、「古代の客人」、後のブルスケッタ初代国王。
物語:辺境伯の蹂躙(小ブルスケッタ西部)
「辺境伯の蹂躙」は、辺境伯の小ブルスケッタ西部への侵攻から始まる。地上に出てから初めて創界人を目にした辺境伯は、冥魂扉から軍を召喚し、一帯を蹂躙し始めた。この地は、北は央海に面し、残る三方を山に囲まれた天然の要害であったが、それは逃げ場がないことを意味した。滅紫の炎に家を焼かれ、辺境伯軍に追われた人々は、街で最も大きく頑丈な建物である執法院へと逃げ込んだ。それは、「太古の崩壊」後に、粗末な「最初の民集堂」で傷ついた人々が身を寄せ合った光景と似ていた。執法院長は、この異常事態にも冷静に対処し、人々を受け入れつつ、人員と資材を総動員し、でき得る限りの防備を固めた。そして苦悩の末、息子には西の山の縦脈路を通って深層人に、娘には東の山を越えてガレットの衛務院に、それぞれ救援を要請するよう命じた。息子と娘が衛兵らと出立したのを見届けてから、院長は、永らく飾りとなっていた剣を手に取った。
院長の息子は、縦脈路をわずかばかり進んだところで、憔悴しきった深層人の一行と邂逅した。しかも、救援を求めたのは深層人の方であった。地上は危険だといくら息子が制止しても、深層人の列は歩みを止めなかった。息子の使命は、深層人に加勢を請うことであり、壊滅した深層都市を訪ねることではなかった。彼は深層人に同行するしかなかった。地上に辿り着いた彼らが目にしたのは、滅紫の炎に包まれる執法院であった。父の死を悟った息子と、深層文明の滅亡を思い出した深層人たちは、執法院が焼け落ちるのを無言で眺め続けた。誰かが、南の山を指さした。雪銀の絶壁を、大きな黒い影が這い上っていた。山頂には、古代文明の精華である三本の巨大な白金の柱が天を突いていた。尾根に立った黒い影は、柱の一つを引き抜き、斜面に放り投げた。柱は、粉々に砕けながら滑落していった。二本目の柱は、真っ白な「魂の焔」に包まれた。三本目の柱は、黒い剣に穿たれ、裂かれた。息子は深層人たちに問うた。「あなた方の力で、あれに勝てますか?」。幾人かの深層人が彼を罵った。「では逃げましょう」と言って息子は踵を返した。山の方角から発せられた、咆哮のような大音声が彼の背中を押した。
第四節:政臣
「最後の立法院長」、後のリュクス初代大公。
第五節:戦将
後のガレット初代公爵。
第六節:工匠
後のプレッツェル初代侯爵。
第七節:騎士
「皇女の騎士」、後のティレナ初代伯爵。
第八節:貴族
「魂の貴族」、後のスコルダリア初代子爵。
元々は芸術院の貧しい掃除夫で、「貴族」は渾名であった。同盟戦争の最終決戦では、決死の陽動部隊を率い、戦将の最後の突撃を見事に支援した。
第一項:魂の貴族
同盟戦争後、「貴族」はスコルダリア初代子爵に叙され、正真正銘の貴族となった。後世の創界人の多くは、居並ぶ領主の中で、なぜ初代子爵だけが「貴族」と呼ばれたのかを知らない。しかし、スコルダリアの子供たちは学校で必ず習う。「初代子爵こそ真の貴族、すなわち『魂の貴族』であらせられたからである」。
第九節:謀官
後のノワール初代男爵。
第十節:同盟戦争
第十一節:意匠
第一項:色象
赤色
赤色は、同盟の象徴色であり、血・団結・武力を意味する。バラ(赤薔薇)は、血の色の花弁、束となった多数の雄蕊、武器のような茨を持つことから、同盟の表象として旗章に採用された。
| 分類 | 名称 | 象徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 花 | バラ | 血・団結・武力 |
白色
白色は、太古文明・第一帝国・第二帝国の象徴色であり、「魂の憩」を意味する。表象に用いられたスズランは、同盟戦争後、同盟の盟主であった皇女を象徴する花となった。
| 分類 | 名称 | 象徴 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 花 | スズラン | 魂の憩 | 後に皇女の象徴となる。 |
第二項:旗章
同盟旗
同盟旗は、同盟の旗であり、同盟軍の軍旗でもある。旗章は、白地に赤薔薇。ブルスケッタ王国諸侯の団結を強調する意味で用いられることもある。白が象徴する第二帝国の後継であることも暗喩する。
