第二十章:ブルスケッタ王国
第一節:概要
同盟戦争で皇女と同盟して戦った古代文明の末裔。王国領内には古代文明の遺構が多く見られる。また、各諸侯領に、前世紀に造られた英雄像がある。同盟戦争の記録や記憶は百年戦争と大厄災を経てほとんど残っていない。その際、諸侯を序列化して秩序を形成したため、連合王国や幕藩体制に似た封建的な制度が残る。序列一位の諸侯が国王となったが、他の諸侯(大公、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)との力の差は絶対的ではない。反王国派もいるが、表立った争いはない。百年戦争と大厄災の影響で、現世紀の王国は、白金時代の古代文明や黄金時代の王国と比べて技術力や文化が退行しており、現在は復古的な繁栄と進歩を目指している。商業や経済は発展しておらず、ギルド連合に依存している部分が大きい。
同盟戦争では、古代文明の男は戦いに従事し、女はそれ以外の仕事を受け持った。その名残で、諸侯は騎士団を持ち、諸侯夫人はそれぞれ得意な専門領域を持つ。古代文明や王国では、男と女は同等の地位・権利を有する。
ブルスケッタ王国全域を大ブルスケッタといい、国王領ブルスケッタ(ブルスケッタ地方)を小ブルスケッタと区別することもある。大ブルスケッタは七つの地方に分けられる。
内海に面した国王領の岸壁には巨大な王国旗が掲げられている。また、諸侯領内の要所は王国の直轄領となっている。砦 (The Bastion / The Fort) が代表例。
【題材】西洋。特に中世欧州。
【言語】創界語。
【色】緑色:豊かな大地の象徴。
【色】赤色:同盟の象徴。
【色】白色:第二帝国の象徴。
【花】バラ:同盟の血と団結と武力の象徴。
【旗】王国旗。
【旗】同盟旗。
第二節:直轄区と聖教区
表記の例
リュクス大公家:The House of The Archduke of Luxe / The Luxe Archducal House
リュクス家:The House of Luxe(血統重視)爵位が世襲ならこちら。
大公家:The House of The Archduke(爵位重視)爵位が世襲でないならこちら。
直轄区:The House Demesne
リュクス直轄区:The House Demesne of Luxe
聖教区:The Sacred Precinct
リュクス聖教区:The Sacred Precinct of Luxe
第三節:秩序
社会秩序は、科学(技術)・政治(法律)・宗教(倫理)の三層で理解される。三者の比率は社会によって異なる。
法律
1 ブルスケッタ法 農業国家であるブルスケッタでは、自然と調和した生活が理想とされており、法律は、宗教的倫理と連続した慣習法として整備された。裁判でも、抒情酌量、大岡裁き、三方一両損的な判決が多い。
個々の事情に合わせた叙情酌量が重視されるブルスケッタ法では、「判例は重視されない」。慣習法だが判例至上主義ではなく、大岡越前や遠山金四郎のような裁判官が好まれる。
2 リュクス法 政治・経済が発展したリュクスでは、国家は人が構成するものという意識が強く、科学・宗教ではなく法律が社会を規定する。現実の現代法社会に最も近い。現実的で広範な法体系が整備されている。
3 ガレット法 軍事国家であるガレットでは、立法精神は「統制」であり、ほぼ軍法である。条文は細かく厳密で、厳罰を旨とする。 モデル:織田信長の一銭斬り
軍法をモデルとするガレット法では、そもそも裁判は必要なのかという裁判制度不要論すらあり得る。軍法「会議」というように、判決とは命令であり、「不服を申し立てる」ものではない。
4 プレッツェル法 科学技術国家であるプレッツェルでは、法律は科学技術の発展を支える合理的・合目的的ものであり、条文も(科学的には)無意味かつ固陋な慣習を廃止するためのものが多い。新自由主義的ともいえるが、その根底には科学者特有の性善説があり、条文はガバガバである。それでもプレッツェルが無法地帯とならないのは、住民が科学的合理性に基づいて生活しているからである。科学の仮説のように、法体系も頻繁に修正・改善される。裁判は「実験」である。
科学と同様に法律も「仮説の体系」と考えるプレッツェルでは、裁判中に条文が変わり得る。裁判の進行に伴い、「これはどうも法律の方に問題があるのではないか」と判断されれば、裁判中に法案の審議が始まる。つまりプレッツェルでは、司法と立法は分離していない
プレッツェルのプレザ大学には法学部も設置されたが、肝心のプレッツェル法がガバガバで学生は学ぶことがなかった。プレザ大学が新たな科学系の学部を設置するとき、法学部の建物はその新学部用に召し上げられ、法学部はリュクスに移転された(プレザ大学リュクス校=ロースクール)。
5 ティレナ法 辺境伯に殺された古代人たちの鎮魂に務める宗教的な国家であるティレナでは、住民が宗教的倫理規範を遵守するため社会的な問題が少なく、法律は、宗教的な儀礼や手続きを明文化した程度の内容に留まる。他国の法学者からは「あれは法律ではなく式次第だ」と揶揄されている。宗教の聖典に近く、固定的である。
ティレナ法は宗教的倫理の明文化であり、これはむしろ儒教や朱子学に近く、東洋的。
6 スコルダリア法 文化国家であるスコルダリアでは、美術が発達し、人々は享楽的である。立法精神は「美学」であり、法律が罰するのは、悪いことではなく、醜いことや無粋なことである(それがスコルダリアでは「悪いこと」である)。スコルダリアでは、裁判とは審美であり、スコルダリア人は裁判をまるで演劇を観るかのように傍聴し、被告と原告も俳優のように演じる。
スコルダリアの裁判は「正義の演劇」であり、裁判官はおらず、陪審員たる観客の拍手の数によって判決される。すなわち「直接司法主義」。
7 ノワール法 通商国家であるノワールの立法精神は「契約」であり、法律は、契約者が「最低限」守るべきことであり、利益を最大化する機会を確保する(保証ではない)ことに重きが置かれる。法律に触れない限り、騙された側・利益を逸した側が「愚か」だとされる。法律は社会的弱者を保護・救済するためのもの、という観点に乏しい。
契約主義のノワールでは、裁判のゲーム性が高く、正義の完遂よりも利益の最大化を争うことに関心がある。弁護士が唯一存在する領邦であり、彼らによる弁護はほとんど詭弁の領域にまで達している。殺人のような絶対悪の刑事裁判は人気がなく、双方に主張がある民事裁判の判決は賭博の対象となるほど関心が高い。
控訴
リュクス裁判院は王国全体の上級裁判所であり、王国は二審制である。一審は各領邦の裁判所、二審は法治国家であるリュクスの裁判院。「一銭斬り」のガレットは控訴を認めていなかったり、スコルダリアでは控訴が「無粋」とされて実際は誰も控訴しないなど、控訴に対する考えはそれぞれである。
上級裁判所で適用される法は? 王国全体に共通する法がある?
法の適用範囲は? ガレット内のブルスケッタ人には、ガレット法とブルスケッタ法のどちらが適用される?
第四節:意匠
第一項:色象
第二項:旗章
王国旗
王国旗は、ブルスケッタ王国の旗である。旗章は、緑地に赤薔薇。緑は豊饒な大地、赤薔薇は同盟の血・団結・武力の象徴であり、大豊原に栄えた古代文明の正統な後継であることを意味する。ブルスケッタ国王領の国王旗と同一のものであり、また、同盟の同盟旗(白地に赤薔薇)の色違いでもある。
