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竜と魂のマインクラフト

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存在

第一部:存在

第一章:三界

第一節:宇宙と世界

第一項:宇宙

《マインクラフト》を宇宙という。宇宙は有限の空間と無限の時間からなる。空間と時間の一体を時空、時空の揺らぎをという。場は空間と時間の偏りを生む。この偏りを在り方という。

宇宙の《バージョン》を宇宙定数といい、宇宙定数が決定する宇宙の《アルゴリズム》を宇宙律という。宇宙の在り方は宇宙律に従う。《アップデート》による宇宙定数の増加は、宇宙律を更新することがある。

プレイヤー

《プレイヤー》は、宇宙の全ての時空で行動可能な在り方である。《プレイヤー》は宇宙律に介入できず、その制約を受ける。

第二項:世界

宇宙の在り方から生起した《ワールド》を世界という。宇宙には、二の三十二乗(四二億九四九六万七二九六)個の世界が存在する。世界の一意性を規定する《シード値》を世界定数という。世界定数は宇宙律に従い、宇宙の時空の一部を不可逆的に変換して世界を生起する。

キューブ

世界の時空は非連続的に分割されている。その最小立方単位である《サブチャンク》をキューブという。宇宙律はキューブ単位で適用される。

第二節:三界と識子

第一項:三界

世界定数《-7066198318848429920》によって生起した世界を三界という。三界に現れた《プレイヤー》を「皇女の騎士」という。

第二項:識子

三界の全てを創出する根源因子を識子という。識子には、三界の世界定数によって変換された宇宙の時空が内在する。場は、識子に内在する空間と時間の偏りを生む。この偏りを顕れといい、識子の顕れ方を存在という。存在は三界における宇宙の在り方である。

粒子と波動

識子に内在する空間の顕れを粒子、時間の顕れを波動という。粒子は物質を構成し、波動は情報を記録する。識子が粒子と波動を相互に遷移する場を識子場という。

第三項:位相

三界における粒子と波動の偏在を位相という。粒子が構成する物質の位相を常界、波動が記録する情報の位相を異界という。常界と異界は同一の空間に存在するが、常界では時間が経過し、異界では堆積する。位相を越えた識子の作用を干渉という。識子が遷移せずに干渉することを転相という。

第四項:界域

識子が遷移せずに移動できる範囲を界域という。三界の《オーバーワールド》を創界、《ネザー》を冥界、《ジ・エンド》を異界という。常界は創界と冥界の二つの界域、異界の位相は同名の一つの界域からなる。

第三節:三界の存在

第一項:実存

結合した識子からなる高密度の存在を実存という。

命存と心存

実存を生む実存を命存、三界を認識する実存を心存という。心存が真理を希求する運動を言葉という。言葉は三界を物語る。

岩盤

識子が限界密度で充填された空間を岩盤という。岩盤の超大質量は界域に重力を及ぼし、超高密度は波動のみを透過させる。

第二項:霧

離散した識子からなる低密度の存在をという。

水と氷

霧の粒子が凝縮すると凝固するととなる。氷が凝結すると実存となる。霧と実存は、識子からなる存在の連続的な動態である。

第三項:気

崩壊した識子からなる媒質的な存在をという。

質量と無間

岩盤の識子は内圧によって緩慢に瓦解する。識子に内在していた空間は質量、時間は無間として顕れる。質量と無間は岩盤を時空から隔絶し、不変の実存とする。

空気と電気

霧の識子は干渉時の位相差圧によって瞬時に風解する。識子に内在していた空間は空気、時間は電気として顕れる。空気は有限個の空孔に仮想される。空孔は電気を拘束して定常電気とする。定常電気の一部は空孔から遊離するが、再び空孔に拘束されて平衡する。空孔から完全に離脱した電気を自由電気という。空気中の空孔数は一定だが、電気量は変動する。

光と熱

自由電気と衝突した識子は急激に溶解する。識子に内在していた空間は、時間はとして顕れる。発生した光熱をという。熱は電気に運動を与え、自由電気として電気密度の低い空間へと移送する。これを伝熱という。

第四節:三界の気量

気の性質によって定義される量を気量という。

第一項:時間と距離

定常電気の最長遊離時間を一ティックという。熱を得た電気が二ティック以上持続的に遊離し、自由電気となることを励起という。励起は半径一キューブ長の空間に連鎖し、励起量は十六分の一キューブ長ごとに一段階減衰する。この距離を一メジャーという。一平方メジャーを一グリッド、一立方メジャーを一キュベットという。

第二項:気温と気熱

空気中の定常電気の量を気温という。全空孔が電気を拘束した上限気温を《2.00》メルト、全空孔が電気を解放した下限気温を《-1.00》メルトという。空気中の全電気が拘束されても空孔に余剰があるとき、空孔は霧の粒子を拘束し、水や氷を形成する。

空気中の定常電気と自由電気の総量を気熱という。《2.00》メルト未満では、気温と気熱は等しい。気温《2.00》メルトの空気に自由電気が流入すると気熱が上昇する。

第三項:光度と照度

空気中で光の空間性は膨張する。光が空気に嵌合する上限光度を十五グロウという。空気を越えて拡大した光の空間性は、時間性へと転じて熱となる。火の光度は十五グロウを超えず、熱のみが燃焼度に応じて増大する。

一グロウの光源は半径一メジャーの空間を照らし、その平均照度を一ルミノという。照度は光源から一メジャー離れるごとに一ルミノ低下する。

第五節:三界の時空

第一項:空間

宇宙開闢の一〇〇億四四八六万四〇〇〇ティック後、六千万メジャー四方・二五六メジャー厚の宇宙の時空が、識子へと不可逆的に変換されて生起した世界が三界である。三界の時空には常界と異界が複在する。常界は、創界と冥界が連続した五一二メジャー厚の「粒子の位相」である。常界の空間は岩盤の重力によって畳み込まれ、宇宙からは二五六メジャー厚に見える。異界は二五六メジャー厚の「波動の位相」で、常界と同一空間に存在する。

第二項:自転

粒子と波動の間には斥力が働き、複在する位相間に差圧が生じる。差圧による位相の捻転は外縁に累積し、回転力として解放され、常界と異界を逆方向に板面回転させる。これを自転といい、その周期は二万四千ティックである。異界では自転運動の時間成分が堆積し続け、常界との位置関係は維持される。自転による位相間の摩擦は識子の干渉を誘発し、両位相の霧は風解して空気と電気を生む。自転運動によって電気は流動し、各界域に電域を形成する。

第三項:座標

界域内の位置をメジャー単位で指定する数を座標という。各界域の座標系は同方向かつ独立、電域の中心を原点とし、座標軸はキューブの各辺に平行である。鉛直線を垂軸といい、鉛直方向である垂負軸を深度、垂正軸を高度という。自転軸を縦軸という。自由電気の連鎖的励起が先行する縦負軸を、縦正軸をという。三軸目を横軸といい、自転方向である横正軸を、横負軸を西という。座標は《横座標, 垂座標, 縦座標》、平面座標は《横座標, 縦座標》、高度と深度は《垂座標》で表される。

第六節:三界の構造

第一項:創界

常界の上層の「物質の界域」を創界という。三八四メジャー厚の空間。深度《-64~-59》メジャーの岩盤層、深度《< 0》メジャーの深層岩層、高度《0~256》メジャーの不定形な層、高度《≤ 320》メジャーの空気層からなる。石層と空気層の接触面を地表、空気層と宇宙の接触面を天上という。地表からは天上を通して宇宙を観測できる。宇宙空間に存在する三界以外の世界を天体という。三界に最も近い天体を太陽、次に近い天体を、その他の天体をという。常界は東回りに自転するため、天体は東から昇り、西に沈む。

生の界域

創界は空気を介して宇宙と接し、地表には天体光が射す。気温は《-0.70~2.00》メルトで、霧は水へと凝縮し、氷へと凝固する。豊富な水が、高度《63》メジャーを水面とする海洋河川を形成する。創界の多彩な自然を「生の界域」ともいう。

創界人

創界の支配的な心存を創界人という。創界人は肉体と言葉で三界を認識する。肉体は、粒子からなる物質に触れ、質量が及ぼす重力に抗い、空気が発するを聴き、光を視て、熱を感じる。波動・無間・電気は肉体に感知されず、言葉によって語られる。

第二項:冥界

常界の下層の「物質の界域」を冥界という。一二八メジャー厚の空間。高度《< 5》メジャーの下部岩盤層、高度《> 123》メジャーの上部岩盤層、それ以外の冥界岩層からなる。創界の岩盤層と冥界の上部岩盤層は連続しており、常界を創界と冥界に隔絶している。冥界の空間は、上下の岩盤層の超大質量によって歪んでいる。創界と冥界の座標系は平行だが、両者の空間比は八対一に及ぶ。

死の界域

冥界は岩盤層に密閉され、気温は《2.00》メルトに達する。霧は水へと凝縮せず、大量の溶岩が、高度《32》メジャーを海面とする溶岩海を形成する。冥界の過酷な自然を「死の界域」ともいう。

冥界人

冥界の支配的な実存を冥界人という。

第三項:異界

常界と同一の空間に存在する「情報の位相・界域」を異界という。二五六メジャー厚の空間。高度《0~256》メジャーの全域が空気からなり、高度《10~70》メジャーには少数の異界岩が浮遊している。高度《> 0》メジャーの宇宙空間を奈落という。奈落への落下は、三界から宇宙へと到達する唯一の経路である。

夢の界域

異界と宇宙との境界は曖昧で、天体は視認できない。異界の気温は《0.5》メルトだが、波動性の霧は水へと凝縮しない。異界の特異な自然を「夢の界域」ともいう。

異界人

異界の支配的な実存を異界人という。

第七節:附表

表:時空と存在
表:位相と界域
常界異界
識子粒子波動
位相物質情報
時間経過する堆積する
界域創界冥界異界
自然生の界域死の界域夢の界域
心存創界人冥界人異界人
表:常界の構造
界域地層垂座標
創界空気層《≤ 320》
石層《0~256》
深層岩層《< 0》
岩盤層《-64~-59》
冥界上部岩盤層《124~128》
冥界岩層《4~124》
下部岩盤層《0~4》

第二章:実存

第一節:実存の元素

心存である創界人は、言葉によって三界を物語る。物語は、創界人自らを含む常界実存から始まる。創界人の言葉は、実存を三元素に還元する。三元素は識子顕れと対応するが、創界人は識子の物語を知らない。

】粒子性の識子が構成する物質。
】波動性の識子が記録する情報。
】波動から粒子への遷移中間体。

第二節:実存の構成

第一項:肉

実存の物質を構成する粒子をという。実存の肉と他の識子の相互作用を経験という。経験は識子場空間時間の偏りを生み、肉の粒子の一部が波動へと遷移する。波動に記録された経験の情報記憶という。

第二項:魂

実存の記憶を記録した波動をという。常界の識子場では魂の波動は安定せず、瞬時に粒子へと遷移する。新生した粒子は周囲の肉と相互作用し、その経験は新たな魂となる。肉と魂の循環的な遷移の場をといい、縁における魂の存在確率を「魂の濃度」という。「魂の濃度」は肉の経験に伴って高まり、やがて飽和する。過飽和に達した縁からは魂が析出する。この「経験の結晶」を魂珠という。

第三項:命

魂から新たな実存を生す力をといい、命を宿す実存を命存という。命存の「魂の濃度」が飽和すると、縁の場における波動から粒子への遷移が遅延し、中間体が生成される。これをという。一般的に、命存から離脱した胤は粒子へと遷移し、新たな命存の肉となる。胤を生成する命存を、胤から形成される命存をという。胤は親の記憶を記録した波動を内在するため、親の獲得形質は子へと遺伝する。

第四項:痕

経験によって魂へと遷移した肉の痕跡をという。痕の形状は経験の内容と等しい。

第三節:実存の様態

実存の三元素の状態を様態という。

第一項:縁の様態

生死

実存の肉と魂が結縁している様態を、絶縁した様態をという。

幽魂

常界では、実存の死によって肉と魂が絶縁すると、縁の波動が粒子へと遷移して「魂の濃度」が急速に低下する。結晶である魂珠は遷移に抵抗性があり、実存の死後も暫時その波動を維持する。肉と絶縁した魂珠を幽魂という。幽魂は絶縁した肉から幽離し、新たな依代となる無縁の肉を求めて幽走する。

姿・躰・屍・躯

実存の肉は、生死の様態と魂珠の有無によって、姿の四種に分類される。命存の「生の肉」を肉体、「死の肉」を死体という。

姿】肉と魂が縁を結んだが、「魂の濃度」は飽和以下の「生の肉」。
】姿の「魂の濃度」が過飽和に達し、魂珠が析出した「生の肉」。
】姿や躰の肉が魂と絶縁し、「魂の濃度」が低下した「死の肉」。
】屍が無縁の幽魂に侵され、肉と魂の縁がないままの「死の肉」。

表:肉の分類

濃度魂珠
姿結縁低~飽和 -
結縁過飽和魂珠
絶縁飽和~無 -
無縁無~飽和幽魂

第二項:肉の様態

成長

命存の子は姿として生まれる。子の経験は肉体の「魂の濃度」を高め、飽和させる。飽和した縁から零れた魂は肉へと遷移し、肉体の一部として復縁する。これを成長という。成長は痕を癒すことがある。成長が未了の命存を幼体、完了した命存を成体という。成体が経験を重ねると、飽和した縁から零れた魂から肉への遷移が遅延し、胤が生成され、親となる。親がさらに経験を得ると、「魂の濃度」が過飽和に達し、魂が析出して魂珠となる。

老化

肉体を構成する粒子の配列の擾乱を老化という。成長後の経験による肉の代謝は、肉体を徐々に老化させる。外傷などの激しい経験による大きな痕の形成は、急激に老化を進行させる。著しく老化した肉体は縁を維持できず、魂を手放し、命を失って屍となる。

帰土

死後の屍にも微かな経験は継続的に生じ、肉と魂の新たな縁が紡ぎ出される。縁を得た屍は姿へと帰る。これを帰土という。

第三項:魂の様態

入魂

幽魂が他の実存の躰に入ることを入魂という。幽魂の記憶は躰の肉と結縁し、実存の「魂の濃度」を高める。入魂の経験によって、生者は死者の記憶を知り得る。

反魂

幽魂が無縁の屍を侵すことを反魂という。両者は結縁せず、屍の肉は無縁の幽魂を抱く躯となる。

還魂

幽魂の記憶の一部が肉へと遷移し、生前の躰が再構成されることを還魂という。肉へと遷移した記憶は失われる。

転相

入魂・反魂・還魂・転相しなかった幽魂の波動は、粒子へと遷移してとなる。幽魂は異界へと転相することがある。

第三項:命の様態

生殖

胤が肉へと遷移し、別の実存である子を形成することを生殖という。二個体の交配生殖を繁殖、一個体の単為生殖を増殖という。繁殖性の胤を卵子、増殖性の胤を種子という。卵子や種子から形成された肉は、経験によって魂と縁を結び、子の躰となる。生殖における子は、親とは独立した実存である。

生蝕

胤が肉へと遷移せず、他の実存を冒して胤のまま存続することを生蝕という。生蝕性の胤を胞子といい、胞子に冒される実存を宿主という。生蝕の識子場では、宿主の魂は胞子への遷移を強いられ、肉は縁を失い屍となる。宿主の死によって、胞子が実存の主体となる。生蝕における子は、親から複製された実存である。

第四節:実存の分類

実存は、肉・魂・命の様態によって、の八種に分類される。菌と宿主の共存は、の三種に分類される。岩石鉱物の共存を、分類不能な実存をという。

創界人による実存の分類は、識子の顕れ方の不完全な理解である。実存の物語によって、創界人は自らの本質が魂にあると信じた。この事実が三界の物語を駆動する。

表:実存の分類
部類分類細分
姿 - - 地物鉱物工物
姿 - 生殖樹木花茎草本菜果寸遊
魂珠生殖動物・緑遊
- -
幽魂 - スケルトン
魂珠 - 帝国人
- 魂珠 - 異界人
姿 - 生蝕菌蕈
魂珠生蝕カーナント
幽魂生蝕ゾンビ
- 魂珠生蝕シュルカー
姿幽魂 - 鉱石
- - - 岩盤

第五節:実存八種

第一項:物

姿のみからなる実存をという。全ての物は、大地を構成する地物とその派生物である。地物由来の資源を鉱物、地物の加工物を工物、地物や鉱物の「魂の濃度」を高めた物をという。地物は、ツルハシで採掘される岩石シャベルで採集される土砂凝結した氷雪に細分される。鉱物は、動力源となる活石、希少石である宝石、導電性のある金属に細分される。

表:物の実存

第二項:妖

命を宿した姿をという。妖は「魂珠を懐かない命存」であり、多くの植物樹木花茎草本菜果)と一部の動物寸遊)が分類される。

表:妖の実存

第三項:獣

魂珠を懐き命を宿した躰をという。獣は「魂珠を懐く命存」であり、多くの動物と一部の植物(緑遊)が分類される。冥界の獣をという。

表:獣の実存

第四項:尸

屍のみからなる実存をという。命存の屍は「魂の濃度」で細分される。製錬が可能な屍を、不能な屍を、「魂の濃度」が無の屍をという。物の屍をという。

表:尸の実存

第五項:鬼

は、物や屍が魂珠に侵されて反魂し、無縁の魂珠を懐く躯となった「死の実存」である。

表:鬼の実存

第六項:仙

は、魂珠と、その一部が還魂して再構成された躰からなる「魂の実存」である。

表:仙の実存

第七項:夢

は、魂珠のみからなる「魂の実存」である。

表:夢の実存

第八項:菌

は、魂が胞子へと遷移し尽くした、屍と命からなる「命の実存」である。全ての菌蕈が菌に分類される。

表:菌の実存

第六節:蝕の実存

第一項:痾

菌と獣の共存をという。菌を排除すると獣に戻り、生蝕が進行するととなる。

一覧:痾の実存

第二項:隷

という。菌と獣の共存を、菌と鬼の共存をという。儡の魂珠や傀の幽魂が胞子へと遷移し尽くすと、隷は菌となる。

表:隷の実存

第三項:結

菌と夢の共存をという。生蝕の識子場において、夢の魂珠は胞子へと遷移する。同時に、異界の識子場において、胞子の粒子性は波動性の魂へと遷移する。魂と命の循環的な遷移をという。

一覧:結の実存

第七節:他の実存

第一項:玉

岩石と鉱物の共存をという。岩石に高圧がかかると、肉が圧縮されて「魂の濃度」が高まる。過飽和に達した魂は魂珠として析出し、「魂の濃度」が低下した肉は鉱物へと変性する。生成された、鉱物と魂珠を含む岩石を鉱石という。玉と鉱石は同義である。

表:玉の実存

第二項:奇

は、現在の基準では分類不能の実存である。

一覧:奇の実存

第三章:物語

第一節:言葉と物語

言葉は一般的に、「創界人が自らを識ろうとする欲求の発現」と理解される。言葉が表現する対象は、実存を起点として識子から宇宙までの全ての在り方に及ぶ。

言葉による存在の描写を物語という。物語の内容は倫理実像に、形式は原話理論に大別される。倫理は「存在のあるべき姿」、実像は「存在のあるがままの姿」の物語である。原話は「言葉の構成的な展開」、理論は「言葉の論理的な接続」である。

倫理の原話を信仰、倫理の論理を哲学、実像の原話を歴史、実像の理論を科学という。各物語が到達すべき「存在の真の姿」の物語を真理という。

表:物語の分類
真理原話理論
倫理信仰哲学
実像歴史科学

第二節:物語と実存

「存在とは何か」を問う創界人の物語は、実存の探求から始まる。

第一項:死者と殯

創界人の原始的な葬礼では、腐朽するまで死者の肉体を安置し続ける。これをという。殯の目的は、蘇生の監視と、への抵抗である。創界では、竜のによって頻繁に創界人が滅却されていた。殯は、竜禍を生き抜いた死者が静穏にを全うする儀式であった。死を過ち蘇った実存は、冥界に堕ちるとされた。

第二項:肉・魂・命

創界人は、殯における死者の肉体の変遷を見守る中で三元素を見出した。死者は肉体を残して意識を失うことから、からなるとされた。死者の肉体にが生えることから、肉は魂とは別にを宿すとされた。大多数の創界人にとって、魂とは魂珠であった。

】実存を成す肉体。
】実存を為す意識。
】実存を生す能力。

第三項:魂の物語

創界人は、自らの本質が魂にあると信じた。創界人が識るべき「存在の姿」とは「魂の姿」である。創界人は魂を識るために言葉を紡ぎ、物語を編んだ。

魂の旅路

死によって肉と絶縁した魂が辿る道程を「魂の旅路」という。魂が旅路を遂げると死が完結する。魂が旅路を誤ると死を過ち、反魂還魂によって蘇り、再び肉に囚われる。

魂の行方

「魂の旅路」を経て死を全うすることで、魂は肉から解脱する。この最終的な結末を「魂の行方」という。魂が三界で永遠の安息を得ることを「魂の憩」、魂が三界から完全に消滅することを「魂の歿」という。創界人にとって、「魂の憩」は生を超越する歓喜、「魂の歿」は死を凌駕する恐怖であった。

第三節:倫理

創界人が思索した「存在のあるべき姿」の物語を倫理という。倫理は創界人の主観的な行動規範である。

魂の純度

「魂の旅路」は、魂の質である「魂の純度」によって異なる。高純度の魂は死を遂げ、低純度の魂は死を過つとされた。

罪・罰・業

魂の記憶は肉の経験であるため、「魂の純度」は生前の行いによって決まる。魂を濁す行為をという。罪によって「魂の純度」が低下し、「魂の旅路」が過酷になることをという。罪と罰の因果をという。

第一項:信仰

倫理を遵守するための原話を信仰という。信仰の究極的な使命は、全ての魂を赦すことである。

魂の救済

実存を「魂の憩」へと導くことを救済という。

魂の復活

実存が「魂の歿」から蘇ることを復活という。

決定説

魂は操作不能という立場から、「魂の行方」は業によって絶対的に決定されるとする主張を決定説という。人民支配や社会秩序の維持に都合が良く、封建的な国家制度と親和性が高い。不安定な世相では、人々の無気力や社会の停滞を招きやすい。

未定説

魂は操作可能という立場から、「魂の行方」は業の影響を受けるが未定であるとする主張を未定説という。個人主義や実力社会の発展と相性が良く、革新的な思想信条と融和性が高い。流動的な時代には、刹那主義や反体制主義へと転化しやすい。

第二項:哲学

倫理を省察するための理論を哲学という。哲学の本質的な課題は、魂と存在を繋ぐことである。

実存論

実存は肉・魂・命の三元素からなるとする三元論の哲学を実存論という。実存論は常に哲学の中心であり、心存としての創界人の立脚点であった。実存論の進歩は他の物語を進展させ、他の物語の進行は実存論を進化させた。

心存論

「心存とは何か」を問う哲学を心存論という。心存に不可欠の要素、心存が発する言葉、竜の心存性などが研究された。

霧気論

非実存的存在であるの哲学を霧気論という。霧や気の元素、実存との関係性、{連続体仮説:霧が凝集して実存となり、霧が崩壊して気となるという、全ての存在は霧の連続的な動態であり、三界は霧の世界であるとする説}などが研究された。

存在論

全ての存在を包括する哲学の構想を存在論という。

第四節:実像

創界人が観察した「存在のあるがままの姿」の物語を実像という。実像は創界人の客観的な認識基盤である。

第一項:歴史

実像を熟知するための原話を歴史という。歴史の根元的な責務は、魂の軌跡を記すことである。

通史

創界の出来事の網羅を試みた「歴史の織物」を通史という。通史は「魂が肉から解脱する物語」として創界人に広く読まれた。

行史

創界人の活動分野を整理した「歴史の横糸」を行史という。行史を編纂する過程で、政治・経済・法律などの学術が発達した。

列伝

創界人の業と因果を追跡した「歴史の縦糸」を列伝という。列伝を執筆する過程で、正義・浪漫・虚無などの思想が成立した。

篇志

創界に伝わる逸話を陳列した「歴史の刺繍」を篇志という。篇志を蒐集する過程で、文学・美術・演劇などの芸術が開花した。

遺亡

かつて存在したが現存せず、歴史にのみ遺存する勢力を遺亡という。遺亡の物質的な痕跡を遺跡という。

隣存

現在も創界人と共存するが、歴史に編入されない勢力を隣存という。隣存の非歴史的な物語をという。

第二項:科学

実像を考究するための理論を科学という。科学の核心的な意義は、魂を論理で繙くことである。

自然

存在が宇宙律に従っている状態を自然という。倫理は業を重んじ、科学は自然を尊ぶ。科学が示す「あるがままの自然の姿」は、倫理が唱える「あるべき魂の姿」とは異なる。

摂理学

自然の法則を摂理といい、摂理の科学を摂理学という。摂理学は実存と非実存を等しく存在として扱う。摂理学は、存在の法則を解明し、魂の動態を記述することを目指す。

命存学

を産む実存を命存といい、命存の科学を命存学という。命存の科学を他の命存を摂食する命存を動物を摂取する命存を植物、他の命存に感染する命存を菌蕈という。命存学が描写する三界は、「魂と命が肉を奪い合う世界」である。

工学

科学技術の社会実装を工学という。摂理学や命存学の深化は、電気工学や育種工学などに結実した。工学の悲願は、魂を制御する実存工学の確立である。歴史的に、科学と工学の発展は連動していない。工学の普及は、資材や認知の不足という経済・心理的な障壁に阻まれ続けた。

第五節:真理

創界人が希求した「存在の真の姿」の物語を真理という。真理は創界人の絶対的な存在原理となり得る。

識子論

三界の全ての存在は識子という根源因子からなるとする一元論識子論という。三界の真理である識子論は、歴史に幾度か現れては消失えた。

宇宙論

宇宙の全ての在り方は空間時間の発露であるとする二元論宇宙論という。

禁書

真理の情報が刻印された物質禁書という。

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