目次
第一部:存在
第一章:三界
第一節:宇宙と世界
第一項:宇宙
《マインクラフト》を宇宙という。宇宙は有限の空間と無限の時間からなる。空間と時間の一体を時空、時空の揺らぎを場という。場は空間と時間の偏りを生む。この偏りを在り方という。
宇宙の《バージョン》を宇宙定数といい、宇宙定数が決定する宇宙の《アルゴリズム》を宇宙律という。宇宙の在り方は宇宙律に従う。《アップデート》による宇宙定数の増加は、宇宙律を更新することがある。
プレイヤー
《プレイヤー》は、宇宙の全ての時空で行動可能な在り方である。《プレイヤー》は宇宙律に介入できず、その制約を受ける。
第二項:世界
宇宙の在り方から生起した《ワールド》を世界という。宇宙には、二の三十二乗(四二億九四九六万七二九六)個の世界が存在する。世界の一意性を規定する《シード値》を世界定数という。世界定数は宇宙律に従い、宇宙の時空の一部を不可逆的に変換して世界を生起する。
キューブ
世界の時空は非連続的に分割されている。その最小立方単位である《サブチャンク》をキューブという。宇宙律はキューブ単位で適用される。
第二節:三界と識子
第一項:三界
世界定数《-7066198318848429920》によって生起した世界を三界という。三界に現れた《プレイヤー》を「皇女の騎士」という。
第二項:識子
三界の全てを創出する根源因子を識子という。識子には、三界の世界定数によって変換された宇宙の時空が内在する。場は、識子に内在する空間と時間の偏りを生む。この偏りを顕れといい、識子の顕れ方を存在という。存在は三界における宇宙の在り方である。
粒子と波動
第三項:位相
三界における粒子と波動の偏在を位相という。粒子が構成する物質の位相を常界、波動が記録する情報の位相を異界という。常界と異界は同一の空間に存在するが、常界では時間が経過し、異界では堆積する。位相を越えた識子の作用を干渉という。識子が遷移せずに干渉することを転相という。
第四項:界域
第三節:三界の存在
第一項:実存
結合した識子からなる高密度の存在を実存という。
命存と心存
岩盤
第二項:霧
離散した識子からなる低密度の存在を霧という。
水と氷
第三項:気
崩壊した識子からなる媒質的な存在を気という。
質量と無間
空気と電気
霧の識子は干渉時の位相差圧によって瞬時に風解する。識子に内在していた空間は空気、時間は電気として顕れる。空気は有限個の空孔に仮想される。空孔は電気を拘束して定常電気とする。定常電気の一部は空孔から遊離するが、再び空孔に拘束されて平衡する。空孔から完全に離脱した電気を自由電気という。空気中の空孔数は一定だが、電気量は変動する。
光と熱
自由電気と衝突した識子は急激に溶解する。識子に内在していた空間は光、時間は熱として顕れる。発生した光熱を火という。熱は電気に運動を与え、自由電気として電気密度の低い空間へと移送する。これを伝熱という。
第四節:三界の気量
気の性質によって定義される量を気量という。
第一項:時間と距離
定常電気の最長遊離時間を一ティックという。熱を得た電気が二ティック以上持続的に遊離し、自由電気となることを励起という。励起は半径一キューブ長の空間に連鎖し、励起量は十六分の一キューブ長ごとに一段階減衰する。この距離を一メジャーという。一平方メジャーを一グリッド、一立方メジャーを一キュベットという。
第二項:気温と気熱
空気中の定常電気の量を気温という。全空孔が電気を拘束した上限気温を《2.00》メルト、全空孔が電気を解放した下限気温を《-1.00》メルトという。空気中の全電気が拘束されても空孔に余剰があるとき、空孔は霧の粒子を拘束し、水や氷を形成する。
空気中の定常電気と自由電気の総量を気熱という。《2.00》メルト未満では、気温と気熱は等しい。気温《2.00》メルトの空気に自由電気が流入すると気熱が上昇する。
第三項:光度と照度
空気中で光の空間性は膨張する。光が空気に嵌合する上限光度を十五グロウという。空気を越えて拡大した光の空間性は、時間性へと転じて熱となる。火の光度は十五グロウを超えず、熱のみが燃焼度に応じて増大する。
一グロウの光源は半径一メジャーの空間を照らし、その平均照度を一ルミノという。照度は光源から一メジャー離れるごとに一ルミノ低下する。
第五節:三界の時空
第一項:空間
宇宙開闢の一〇〇億四四八六万四〇〇〇ティック後、六千万メジャー四方・二五六メジャー厚の宇宙の時空が、識子へと不可逆的に変換されて生起した世界が三界である。三界の時空には常界と異界が複在する。常界は、創界と冥界が連続した五一二メジャー厚の「粒子の位相」である。常界の空間は岩盤の重力によって畳み込まれ、宇宙からは二五六メジャー厚に見える。異界は二五六メジャー厚の「波動の位相」で、常界と同一空間に存在する。
第二項:自転
粒子と波動の間には斥力が働き、複在する位相間に差圧が生じる。差圧による位相の捻転は外縁に累積し、回転力として解放され、常界と異界を逆方向に板面回転させる。これを自転といい、その周期は二万四千ティックである。異界では自転運動の時間成分が堆積し続け、常界との位置関係は維持される。自転による位相間の摩擦は識子の干渉を誘発し、両位相の霧は風解して空気と電気を生む。自転運動によって電気は流動し、各界域に電域を形成する。
第三項:座標
界域内の位置をメジャー単位で指定する数を座標という。各界域の座標系は同方向かつ独立、電域の中心を原点とし、座標軸はキューブの各辺に平行である。鉛直線を垂軸といい、鉛直方向である垂負軸を深度、垂正軸を高度という。自転軸を縦軸という。自由電気の連鎖的励起が先行する縦負軸を北、縦正軸を南という。三軸目を横軸といい、自転方向である横正軸を東、横負軸を西という。座標は《横座標, 垂座標, 縦座標》、平面座標は《横座標, 縦座標》、高度と深度は《垂座標》で表される。
第六節:三界の構造
第一項:創界
常界の上層の「物質の界域」を創界という。三八四メジャー厚の空間。深度《-64~-59》メジャーの岩盤層、深度《< 0》メジャーの深層岩層、高度《0~256》メジャーの不定形な石層、高度《≤ 320》メジャーの空気層からなる。石層と空気層の接触面を地表、空気層と宇宙の接触面を天上という。地表からは天上を通して宇宙を観測できる。宇宙空間に存在する三界以外の世界を天体という。三界に最も近い天体を太陽、次に近い天体を月、その他の天体を星という。常界は東回りに自転するため、天体は東から昇り、西に沈む。
生の界域
創界は空気を介して宇宙と接し、地表には天体光が射す。気温は《-0.70~2.00》メルトで、霧は水へと凝縮し、氷へと凝固する。豊富な水が、高度《63》メジャーを水面とする海洋や河川を形成する。創界の多彩な自然を「生の界域」ともいう。
創界人
創界の支配的な心存を創界人という。創界人は肉体と言葉で三界を認識する。肉体は、粒子からなる物質に触れ、質量が及ぼす重力に抗い、空気が発する音を聴き、光を視て、熱を感じる。波動・無間・電気は肉体に感知されず、言葉によって語られる。
第二項:冥界
常界の下層の「物質の界域」を冥界という。一二八メジャー厚の空間。高度《< 5》メジャーの下部岩盤層、高度《> 123》メジャーの上部岩盤層、それ以外の冥界岩層からなる。創界の岩盤層と冥界の上部岩盤層は連続しており、常界を創界と冥界に隔絶している。冥界の空間は、上下の岩盤層の超大質量によって歪んでいる。創界と冥界の座標系は平行だが、両者の空間比は八対一に及ぶ。
死の界域
冥界は岩盤層に密閉され、気温は《2.00》メルトに達する。霧は水へと凝縮せず、大量の溶岩が、高度《32》メジャーを海面とする溶岩海を形成する。冥界の過酷な自然を「死の界域」ともいう。
冥界人
冥界の支配的な実存を冥界人という。
第三項:異界
常界と同一の空間に存在する「情報の位相・界域」を異界という。二五六メジャー厚の空間。高度《0~256》メジャーの全域が空気からなり、高度《10~70》メジャーには少数の異界岩が浮遊している。高度《> 0》メジャーの宇宙空間を奈落という。奈落への落下は、三界から宇宙へと到達する唯一の経路である。
夢の界域
異界と宇宙との境界は曖昧で、天体は視認できない。異界の気温は《0.5》メルトだが、波動性の霧は水へと凝縮しない。異界の特異な自然を「夢の界域」ともいう。
異界人
異界の支配的な実存を異界人という。
第七節:附表
表:時空と存在
表:位相と界域
表:常界の構造
第二章:実存
第一節:実存の元素
心存である創界人は、言葉によって三界を物語る。物語は、創界人自らを含む常界の実存から始まる。創界人の言葉は、実存を肉・魂・命の三元素に還元する。三元素は識子の顕れと対応するが、創界人は識子の物語を知らない。
第二節:実存の構成
第一項:肉
第二項:魂
実存の記憶を記録した波動を魂という。常界の識子場では魂の波動は安定せず、瞬時に粒子へと遷移する。新生した粒子は周囲の肉と相互作用し、その経験は新たな魂となる。肉と魂の循環的な遷移の場を縁といい、縁における魂の存在確率を「魂の濃度」という。「魂の濃度」は肉の経験に伴って高まり、やがて飽和する。過飽和に達した縁からは魂が析出する。この「経験の結晶」を魂珠という。
第三項:命
魂から新たな実存を生す力を命といい、命を宿す実存を命存という。命存の「魂の濃度」が飽和すると、縁の場における波動から粒子への遷移が遅延し、中間体が生成される。これを胤という。一般的に、命存から離脱した胤は粒子へと遷移し、新たな命存の肉となる。胤を生成する命存を親、胤から形成される命存を子という。胤は親の記憶を記録した波動を内在するため、親の獲得形質は子へと遺伝する。
第四項:痕
経験によって魂へと遷移した肉の痕跡を痕という。痕の形状は経験の内容と等しい。
第三節:実存の様態
実存の三元素の状態を様態という。
第一項:縁の様態
生死
幽魂
常界では、実存の死によって肉と魂が絶縁すると、縁の波動が粒子へと遷移して「魂の濃度」が急速に低下する。結晶である魂珠は遷移に抵抗性があり、実存の死後も暫時その波動を維持する。肉と絶縁した魂珠を幽魂という。幽魂は絶縁した肉から幽離し、新たな依代となる無縁の肉を求めて幽走する。
姿・躰・屍・躯
実存の肉は、生死の様態と魂珠の有無によって、姿・躰・屍・躯の四種に分類される。命存の「生の肉」を肉体、「死の肉」を死体という。
【姿】肉と魂が縁を結んだが、「魂の濃度」は飽和以下の「生の肉」。
【躰】姿の「魂の濃度」が過飽和に達し、魂珠が析出した「生の肉」。
【屍】姿や躰の肉が魂と絶縁し、「魂の濃度」が低下した「死の肉」。
【躯】屍が無縁の幽魂に侵され、肉と魂の縁がないままの「死の肉」。
表:肉の分類
第二項:肉の様態
成長
命存の子は姿として生まれる。子の経験は肉体の「魂の濃度」を高め、飽和させる。飽和した縁から零れた魂は肉へと遷移し、肉体の一部として復縁する。これを成長という。成長は痕を癒すことがある。成長が未了の命存を幼体、完了した命存を成体という。成体が経験を重ねると、飽和した縁から零れた魂から肉への遷移が遅延し、胤が生成され、親となる。親がさらに経験を得ると、「魂の濃度」が過飽和に達し、魂が析出して魂珠となる。
老化
肉体を構成する粒子の配列の擾乱を老化という。成長後の経験による肉の代謝は、肉体を徐々に老化させる。外傷などの激しい経験による大きな痕の形成は、急激に老化を進行させる。著しく老化した肉体は縁を維持できず、魂を手放し、命を失って屍となる。
帰土
死後の屍にも微かな経験は継続的に生じ、肉と魂の新たな縁が紡ぎ出される。縁を得た屍は姿へと帰る。これを帰土という。
第三項:魂の様態
入魂
幽魂が他の実存の躰に入ることを入魂という。幽魂の記憶は躰の肉と結縁し、実存の「魂の濃度」を高める。入魂の経験によって、生者は死者の記憶を知り得る。
反魂
幽魂が無縁の屍を侵すことを反魂という。両者は結縁せず、屍の肉は無縁の幽魂を抱く躯となる。
還魂
幽魂の記憶の一部が肉へと遷移し、生前の躰が再構成されることを還魂という。肉へと遷移した記憶は失われる。
転相
第三項:命の様態
生殖
胤が肉へと遷移し、別の実存である子を形成することを生殖という。二個体の交配生殖を繁殖、一個体の単為生殖を増殖という。繁殖性の胤を卵子、増殖性の胤を種子という。卵子や種子から形成された肉は、経験によって魂と縁を結び、子の躰となる。生殖における子は、親とは独立した実存である。
生蝕
胤が肉へと遷移せず、他の実存を冒して胤のまま存続することを生蝕という。生蝕性の胤を胞子といい、胞子に冒される実存を宿主という。生蝕の識子場では、宿主の魂は胞子への遷移を強いられ、肉は縁を失い屍となる。宿主の死によって、胞子が実存の主体となる。生蝕における子は、親から複製された実存である。
第四節:実存の分類
実存は、肉・魂・命の様態によって、物・妖・獣・尸・鬼・仙・夢・菌の八種に分類される。菌と宿主の共存は、痾・隷・結の三種に分類される。岩石と鉱物の共存を玉、分類不能な実存を奇という。
創界人による実存の分類は、識子の顕れ方の不完全な理解である。実存の物語によって、創界人は自らの本質が魂にあると信じた。この事実が三界の物語を駆動する。
表:実存の分類
第五節:実存八種
第一項:物
姿のみからなる実存を物という。全ての物は、大地を構成する地物とその派生物である。地物由来の資源を鉱物、地物の加工物を工物、地物や鉱物の「魂の濃度」を高めた物を偶という。地物は、ツルハシで採掘される岩石、シャベルで採集される土砂、氷が凝結した氷雪に細分される。鉱物は、動力源となる活石、希少石である宝石、導電性のある金属に細分される。
表:物の実存
第二項:妖
表:妖の実存
| 植物 | 動物 | |||
|---|---|---|---|---|
| 樹木 | 花茎 | 草本 | 菜果 | 寸遊 |
| アカシア オーク サクラ シラカバ ダークオーク タケ ツツジ トウヒ ペールオーク マツ マホガニー マングローブ | アリウム ウィザーローズ ウツボカズラ シャクヤク スズラン タンポポ チューリップ デイジー トーチフラワー バラ ヒスイラン ヒトミソウ ヒナソウ ヒマワリ ポピー ヤグルマギク ライラック ワイルドフラワー | ウィード エンマー オボロゴケ カイソウ コケ サボテン シダ スイレン ツタ ドライグラス ドリップリーフ ブッシュ ホタルソウ | カカオ カボチャ グロウベリー コムギ コンブ サトウキビ ジャガイモ スイートベリー スイカ ニンジン ビートルート | アレイ コウモリ シーピクルス ホタル 珊瑚(種属) ・クダサンゴ ・シカツノサンゴ ・ノウサンゴ ・ミズタマサンゴ ・ミレポラサンゴ |
第三項:獣
表:獣の実存
第四項:尸
表:尸の実存
第五項:鬼
鬼は、物や屍が魂珠に侵されて反魂し、無縁の魂珠を懐く躯となった「死の実存」である。
表:鬼の実存
第六項:仙
仙は、魂珠と、その一部が還魂して再構成された躰からなる「魂の実存」である。
表:仙の実存
| 創界 | 冥界(帝国人) |
|---|---|
| ガーディアン ・エルダーガーディアン | 帝国人 ・皇女 ・皇帝 |
第七項:夢
夢は、魂珠のみからなる「魂の実存」である。
表:夢の実存
第八項:菌
表:菌の実存
第六節:蝕の実存
第一項:痾
一覧:痾の実存
第二項:隷
表:隷の実存
第三項:結
一覧:結の実存
第七節:他の実存
第一項:玉
岩石と鉱物の共存を玉という。岩石に高圧がかかると、肉が圧縮されて「魂の濃度」が高まる。過飽和に達した魂は魂珠として析出し、「魂の濃度」が低下した肉は鉱物へと変性する。生成された、鉱物と魂珠を含む岩石を鉱石という。玉と鉱石は同義である。
表:玉の実存
第二項:奇
奇は、現在の基準では分類不能の実存である。
一覧:奇の実存
第三章:物語
第一節:言葉と物語
言葉は一般的に、「創界人が自らを識ろうとする欲求の発現」と理解される。言葉が表現する対象は、実存を起点として識子から宇宙までの全ての在り方に及ぶ。
言葉による存在の描写を物語という。物語の内容は倫理と実像に、形式は原話と理論に大別される。倫理は「存在のあるべき姿」、実像は「存在のあるがままの姿」の物語である。原話は「言葉の構成的な展開」、理論は「言葉の論理的な接続」である。
倫理の原話を信仰、倫理の論理を哲学、実像の原話を歴史、実像の理論を科学という。各物語が到達すべき「存在の真の姿」の物語を真理という。
表:物語の分類
| 真理 | 原話 | 理論 |
|---|---|---|
| 倫理 | 信仰 | 哲学 |
| 実像 | 歴史 | 科学 |
第二節:物語と実存
「存在とは何か」を問う創界人の物語は、実存の探求から始まる。
第一項:死者と殯
創界人の原始的な葬礼では、腐朽するまで死者の肉体を安置し続ける。これを殯という。殯の目的は、蘇生の監視と、竜への抵抗である。創界では、竜の火によって頻繁に創界人が滅却されていた。殯は、竜禍を生き抜いた死者が静穏に死を全うする儀式であった。死を過ち蘇った実存は、冥界に堕ちるとされた。
第二項:肉・魂・命
創界人は、殯における死者の肉体の変遷を見守る中で三元素を見出した。死者は肉体を残して意識を失うことから、生は肉と魂からなるとされた。死者の肉体に茸が生えることから、肉は魂とは別に命を宿すとされた。大多数の創界人にとって、魂とは魂珠であった。
第三項:魂の物語
創界人は、自らの本質が魂にあると信じた。創界人が識るべき「存在の姿」とは「魂の姿」である。創界人は魂を識るために言葉を紡ぎ、物語を編んだ。
魂の旅路
魂の行方
「魂の旅路」を経て死を全うすることで、魂は肉から解脱する。この最終的な結末を「魂の行方」という。魂が三界で永遠の安息を得ることを「魂の憩」、魂が三界から完全に消滅することを「魂の歿」という。創界人にとって、「魂の憩」は生を超越する歓喜、「魂の歿」は死を凌駕する恐怖であった。
第三節:倫理
創界人が思索した「存在のあるべき姿」の物語を倫理という。倫理は創界人の主観的な行動規範である。
魂の純度
「魂の旅路」は、魂の質である「魂の純度」によって異なる。高純度の魂は死を遂げ、低純度の魂は死を過つとされた。
罪・罰・業
第一項:信仰
倫理を遵守するための原話を信仰という。信仰の究極的な使命は、全ての魂を赦すことである。
魂の救済
実存を「魂の憩」へと導くことを救済という。
魂の復活
実存が「魂の歿」から蘇ることを復活という。
決定説
魂は操作不能という立場から、「魂の行方」は業によって絶対的に決定されるとする主張を決定説という。人民支配や社会秩序の維持に都合が良く、封建的な国家制度と親和性が高い。不安定な世相では、人々の無気力や社会の停滞を招きやすい。
未定説
魂は操作可能という立場から、「魂の行方」は業の影響を受けるが未定であるとする主張を未定説という。個人主義や実力社会の発展と相性が良く、革新的な思想信条と融和性が高い。流動的な時代には、刹那主義や反体制主義へと転化しやすい。
第二項:哲学
倫理を省察するための理論を哲学という。哲学の本質的な課題は、魂と存在を繋ぐことである。
実存論
実存は肉・魂・命の三元素からなるとする三元論の哲学を実存論という。実存論は常に哲学の中心であり、心存としての創界人の立脚点であった。実存論の進歩は他の物語を進展させ、他の物語の進行は実存論を進化させた。
心存論
「心存とは何か」を問う哲学を心存論という。心存に不可欠の要素、心存が発する言葉、竜の心存性などが研究された。
霧気論
非実存的存在である霧と気の哲学を霧気論という。霧や気の元素、実存との関係性、{連続体仮説:霧が凝集して実存となり、霧が崩壊して気となるという、全ての存在は霧の連続的な動態であり、三界は霧の世界であるとする説}などが研究された。
存在論
全ての存在を包括する哲学の構想を存在論という。
第四節:実像
創界人が観察した「存在のあるがままの姿」の物語を実像という。実像は創界人の客観的な認識基盤である。
第一項:歴史
実像を熟知するための原話を歴史という。歴史の根元的な責務は、魂の軌跡を記すことである。
通史
創界の出来事の網羅を試みた「歴史の織物」を通史という。通史は「魂が肉から解脱する物語」として創界人に広く読まれた。
行史
創界人の活動分野を整理した「歴史の横糸」を行史という。行史を編纂する過程で、政治・経済・法律などの学術が発達した。
列伝
創界人の業と因果を追跡した「歴史の縦糸」を列伝という。列伝を執筆する過程で、正義・浪漫・虚無などの思想が成立した。
篇志
創界に伝わる逸話を陳列した「歴史の刺繍」を篇志という。篇志を蒐集する過程で、文学・美術・演劇などの芸術が開花した。
遺亡
隣存
第二項:科学
実像を考究するための理論を科学という。科学の核心的な意義は、魂を論理で繙くことである。
自然
摂理学
命存学
子を産む実存を命存といい、命存の科学を命存学という。命存の科学を他の命存を摂食する命存を動物、水や光を摂取する命存を植物、他の命存に感染する命存を菌蕈という。命存学が描写する三界は、「魂と命が肉を奪い合う世界」である。
工学
科学技術の社会実装を工学という。摂理学や命存学の深化は、電気工学や育種工学などに結実した。工学の悲願は、魂を制御する実存工学の確立である。歴史的に、科学と工学の発展は連動していない。工学の普及は、資材や認知の不足という経済・心理的な障壁に阻まれ続けた。
第五節:真理
創界人が希求した「存在の真の姿」の物語を真理という。真理は創界人の絶対的な存在原理となり得る。
