夏目漱石『吾輩は猫である』が最も好きな小説だと、何度も何度も書いている T です。こんばんは。
病院。
実験の合間に日本語の総説を読む。これは俺だけかもしれないが、日本語の総説は何だかムニャムニャとしていて理解しにくい。英語の方がわかりやすい。総説というのは、「既にわかっていること」のまとめだから、英語のスパッとした書き方が適しているのだろう。逆に、discussion は日本語の方がわかりやすい。しかしこれは、単に俺の英語力の問題だと思われる。
『女には向かない職業』という題名の小説がある。その例でいえば、「日本語には向かない記述」というものもあるし、「英語には向かない表現」というものもあるだろう。夏目漱石が留学中、『方丈記』を英訳したというエピソードを読んだことがあるが、一体どんな英文なのか、非常に興味がある。
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。
「日本的」の極致ともいえるこの文章を、まず「訳そう」と考えたこと自体がスゴい。
というわけで色々と調べてみたら、「徒然草を英訳すると……翻訳された日本文学」という国会図書館のページを見付けた。翻訳された作品のタイトルが列挙されている。それによると、
などなど、日本人としては辛いタイトルが多い。翻訳って難しいなあ。『The pillow-book of〜』なんて、何だかエロ映画のような題名である。最強だったのは、
これはヒドい。