- 少年よ、秘密を抱け

2006/07/09/Sun.少年よ、秘密を抱け

これまで「一人暮らし」という言葉を使ってきたが、さらなる殺伐さを求めて「独居」に改めようかと考えている T です。こんばんは。

2種類の情報

情報には、公開・共有することによって価値が生じる情報と、その逆の情報がある。ここ数日、日記で述べた情報の話は、全て前者についてである。ネット上の情報だから当然なんだけど。

後者、つまり公開することによって価値が滅失する情報とは、簡単にいえば「秘密」のことだ。例えば、暗号やプライバシー、あるいは、親しい間柄によってのみ共有される情報なんかもそうである。情報自身に価値がなくとも、「秘密になっている」ということそれ自体が価値を生み出す。子供同士の秘密なんかが典型的だな。大したことではないが、大事なことである。少年よ、秘密を抱け。秘密を持たない大人になんかなるんじゃねえぞ。

情報化社会と高齢化社会

ところで、「情報化社会」っていう日本語はおかしくないか? 「情報化しつつある社会」ということなんだろうか。「情報化」って何よ、という疑問もある。川崎和男は「情報社会化」といっているが、確かに、こちらの方が日本語としては素直である。

「情報化社会」という日本語は、1969年に林雄二郎という人が、そのものズバリ『情報化社会』という本で提唱したのが初出だという。思ったより早い。英語では information-oriented society というらしい。

同様の単語に「高齢化社会」がある。英語では aging society という。「aging」を「高齢化しつつある」ということで訳したんだろう。何となくわかる。これは国連の報告書で定義されている用語で、他にも次のようなものがある。

日本は 2002年から高齢社会で、超高齢社会になるのも間近という。「高齢化社会」なんて言葉を使っていたら笑われるな。

研究日記

大学 → 病院 → 大学。

病院で細胞の初代培養ができさえすれば、このように駆けずり回る必要もなくなるのだが。今年度中に初代培養用の部屋ができるらしいが、どうせ中身を立ち上げるのは俺なんだろうな。まァそれも仕事なんだが。

今の職場には、テクニシャンの方々はたくさんおられるのだけど、大学院生クラスの研究員が払底している。ポスドクは医者であり、いわゆる Ph. D とはまた違う。俺のような人材には、潤沢な研究費や待遇の良さと引き換えにストレスを我慢するか、夢を追い求めて理学の世界に戻るか、あるいはまともな社会人を目指して企業に転職するか、という選択肢があるけれど、それも若い間だけ。しかも業績があっての話だしな。ドロップアウトする人も少なくない。おお怖い。頑張らないとなあ。