- ロボ・コップ哀史

2005/08/03/Wed.ロボ・コップ哀史

ロボットになってまで働きたくない T です。こんばんは。

研究日記

昨日に引き続き、ELISA を行う。操作は違えど、抗原抗体反応にかかる時間はウエスタンなどと変わらない。チャチャっとくっつかんもんかね。待ち時間にネットをブラブラ。

「万能細胞」と呼ばれる ES 細胞を用い、光を感じる役割を果たす視細胞への分化を誘導することに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)と京都大付属病院(京都市左京区)の研究グループがマウスで成功した。「世界初の成果。研究が進めば網膜疾患による失明などの治療に応用できる可能性がある」としている。論文は 2日、米国科学アカデミー紀要オンライン版に掲載された。(時事通信)

ついに視細胞まで作れるようになったか。もはや何でもアリだな。

ロボ・コップの悲劇

飛行機を始め、人類が夢想したもののほとんどは実世界に現れたが、ここまで再生医療の研究が進むと、サイボーグの現実味は薄れてくる。ロボットそのものの研究はまだまだ発展するだろうが、人体を機械で補う必要はなくなる。衰えたり損傷した組織は、自分の幹細胞から分化・培養したもので補償するだろうし、先天的な異常であれば、遺伝子治療を行うようになると思われる。臓器を再生するまでの間、一時的に機械と置換することはあるかもしれないが。

サイボーグになる必然性を無理に思い描いてみる。例えば、「人間が生存し得ない環境に行く」というシチュエーションがある。しかしこれも、相当の部分を機械に任すことができるだろう。わざわざサイボーグになってまで、人間そのものが赴かねばならない場所・場面というのは、ちょっと想像がつかない。

第一、これからは人工臓器の研究に金が回ってこなくなるだろう。サイボーグという発想そのものが、ゆっくりと死に絶えていくに違いない。後世の人間は、名作映画『ロボ・コップ』をどう見るであろうか。自分の細胞から組織を再生できるというのに、本人の許可も取らず(!)ムリヤリ機械の身体にさせられ、危険な重労働を強制される。女工哀史もビックリだ。人権無視もはなはだしい、昔の人間は何て愚かなんでしょう。そんな悪評にまみれるかもしれない。