「面白いかどうか」こそ大事だと思う T です。こんばんは。
集中するときに「心頭滅却すれば火もまた涼し」なんていうけれど、いくら何でもそれは滅却し過ぎだろ、心頭を。どう考えてもアブない。そこまで心頭を滅却してしまうと、集中するべき事柄まで忘却の彼方へ飛翔してしまうと思うのだが。
生物学をネタに、しょうもないことを考えるのは面白い。以下に 2つ、最近思い付いたネタを記録しておく。
遺伝子が発現する一連の流れをセントラル・ドグマという。
DNA ↔ RNA → protein
上のフローを見るたびに、「逆翻訳 (protein → RNA)」があれば便利なんだけどなあ、と思う。ポリペプチドを鋳型に、ポリ tRNA が合成されるわけである。必要があれば、さらにそこから RNA → DNA と合成していけば良い。微量タンパク質の同定などに役立つと思うのだが。
幹細胞は様々な細胞に分化する。幹細胞研究の最大テーマは、「どのようにして細胞が分化するのか」である。そして次は、「いかにして幹細胞は未分化の状態を保っているのか」である。乱暴を承知でいえば、前者は再生・発生の研究、後者は老化・ガンの研究でもある。
俺が個人的に興味を持つのは、「なぜ分化した細胞は未分化の状態に戻らないのか」ということである。分化の逆、適当な述語がないので「未分化化」と書くが、どうして細胞は未分化化しないのか。分化を不可逆にしているストッパーは何か(あるいはどういうメカニズムか)。仮に未分化化を報告できたら、これは逆転写なみの大発見であって、ノーベル賞は間違いない。応用範囲も広い。一々幹細胞を取ってこなくても、採取しやすい細胞をチョイチョイと未分化化してやれば事足りる。便利だよなあ。