- 思考放棄のススメ

2004/06/24/Thu.思考放棄のススメ

両生類は生理的にダメだけど、昆虫は平気な T です。こんばんは。

昆虫に限らず、外骨格系は大丈夫なのだ。表面がぬめっている生物は嫌いだ。爬虫類まで来るとなんとかなるが、それでもヘビは苦手。足ないし。お前は本当に脊椎動物なのか。

バイク日記

走光性
動物が光に対して起こす行動の性質。集合(正)と忌避(負)がある。熱に対する走熱性、化学物質に対する走化性などもある。思考や学習とは違い、遺伝的に支配されたプログラムによる行動であるため、死ぬとわかっていても突っ込んでくる。

昨夜はビールを飲みながら日記を書いた後、そのまま軽く寝てしまった。23時頃に目覚めて、1時間ほどツーリング。車の走らない山道を爆走してきた。港や産業道路のある海とは違い、やはり山は暗い。爆走と言っても、それほどスピードは出せない。気持ち良く流す程度。

今の季節、山は虫が多いのが難だ。しかも周りに灯火がないので、やたらとヘッドライトに突っ込んでくる。こちらだって結構なスピードで走っているから、ぶつかった虫はひとたまりもない。ペシャンコになって、車体やバイザーに張り付いている。掃除うぜえ。エンジンに激突した虫なんかは、圧死した上に熱で溶けてるし。何でこいつら、走光性なんて持ってるんだろ。夜行性の意味がない。

走性で生きる

とは言え、昆虫の進化はメチャメチャ速い。人類が火を使うようになって数万年。その頃に比べれば、走光性を失った種の数は増えているんじゃなかろうか。なんて夢想する。

何せ昆虫は馬力が違う。種の数だって相当なものだ。進化が速いから、別種であっても遺伝的には近い。だから雑種(=新種)も生まれやすい。亜種まで含めれば、とんでもない数になる。人類が万物の霊長だなんて、おこがましいにもほどがある。昆虫様こそ、進化の極北を行く覇者なのだ。

その昆虫で、思考や学習があまり発達していない(少なくとも鳥類や哺乳類ほどではない)のは興味深いことだ。行動の規範の大部分を、遺伝的にプログラムされた走性に頼っているということは、つまり彼等は確率論的に生きているのだと言える。

「あっちが光っているけど行ってみようか、どうしようか」なんて考えない。「光があれば行く」。最初からそう決まっている。その方が生き残る確率が高いからだ。そうプログラムされた彼等が今まさに存在していること自体が、その事実を統計的に証明している。ま、楽な生き方だわな。

人間がそのような生き様を「楽だ」と思うということは、逆に言えば、「考える」という活動が生存に適していないことの証左にならないか。おいおい、エラいことになったな。俺も考えるのをやめるか。年寄りに「新人類め」などと毒づかれたら、進化したのだと喜ぼう!