- とにかく読書しましょう

2007/07/10/Tue.とにかく読書しましょう

まだ白土三平『カムイ伝』を読んでいる T です。こんばんは。

終わらねえ。

どうも仕事に、というか生活全般に気合いが入らなくて困っている。集中力が全くないし、気分が塞ぐ。『カムイ伝』なんかを読んでいるからか。

北方謙三先生に言わせれば、大抵の悩みは「ソープに行く」ことで解決する。それは冗談だとしても、北方謙三『試みの地平線』には、なかなか良いことも書いてある。

「こんな世の中に生きているのがほんとうにいやになりました。私はこの時代に適していないかもしれません。北方先生、どうか私を助けてください。暗い毎日をおくっています。毎日、自殺のことを考えています」

北方謙三先生本を読め。とにかく読書しましょう。(略) 小説が嫌ならノンフィクションでも科学でも歴史でもいいから、とにかく五十冊読むまでは死ぬな」

この回答は良いな。「50冊」というのがミソか。100冊では多いし、かといって 10冊、20冊では良いものに出会える確率も低くなる。机の上にドンと積み上げて、片っ端から読むには 50冊くらいがちょうど良いのだろう。もちろん、映画を 50本でも良いし、アルバムを 50枚でも良いと思う。

前置きが長くなった。今現在、ブルーな気持ちでこの日記を読んでいる人もいるかもしれない。そこで俺のお奨めを紹介する。50冊は多いから、1冊だけ。

『火の鳥 未来編』手塚治虫

悩んでいるのがバカバカしくなるぜ。『火の鳥』は巨大なスケールで描かれる物語であるが、そのエッセンスが凝縮されているのが、この「未来編」だ。

西暦3404年。地球は核戦争によって完全に滅びた。ただ 1人生き残った山之辺マサトは、地球に生命を蘇らせるべく、火の鳥から永遠の生命を授かる。

マサト「ぼくはどこにいるんだ!」

火の鳥「あなたはもう肉体から離れてるのよ あなたはいま 存在だけなのよ」

マサト「『存在』ってなんだ!」

火の鳥「意識よ」

これを「絵」で描いてみせるのだから、やっぱり手塚治虫は神様だ。