- 学位取得

2011/03/25/Fri.学位取得

新しいラボでの生活も三週間が過ぎた。研究室の雰囲気も大体掴めたように思う。

この間、京都の仕事についての文章を書いたり、それに飽きたら新しいテーマについて調べものをしたりといった具合で、勝手気儘に時間を使ってきたが、来週からは本格的に動き出す予定である。新しいボスと相談し、まずは実験系の立ち上げに挑戦する。

二十三日には京都に行って、学位記をもらってきた。やっとというか、ようやくというか。博士課程に進学する二年前から研究を進めていたので、幸い、論文の心配をすることはなかったが、その一方で、どうも感動に欠ける。贅沢と言えば贅沢だし、遠回りであったといえばそうかもしれぬ、めでたいといえばめでたいが、何かが終わったわけでは全くなく、複雑な心持ちでもある。

その夜はボスを初め、研究室の面々に送別会を開いて頂いた。一番嬉しかったのは、ボスが——俺以上に——俺の学位取得を喜んでくれたことだ。彼はこれまでに何人もの学生に学位を取らせてきたが、大学を去り、病院で研究室を主宰してからの博士は俺が初めてである。それが嬉しいらしい。確かに、色々の苦労があった。

これからは、お世話になった方々に恥じぬ仕事をすることで、恩を返していけたらと思う。