昨日は引っ越し先に赴いて市役所などを回ってきた。実際の引っ越しは四日だが、当日は作業に忙殺されることがわかりきっているし、その翌日は土曜ときている。月曜から生産的に動くには、前もって諸々の手続きを済ませておいた方が良いだろうと考えたのだ。
引っ越し先はベッドタウンである。街というほどではないが、さりとてド田舎でもない。僕がこれまで住んできたのは、住宅地は当然のこと商業地区もあればオフィス街もあるという、それなりに完結した街——城下町にはこのパターンが多い——ばかりだったので、いわゆる衛星都市を実感するのはこれが初めてだ。
駅前の不動産屋で新居の鍵を受け取り、バスに乗って職場の前まで行く。新しい仲間に挨拶するため……ではない。ここから家まで歩き、実際に何分かかるかを計測するためである。
出発してから六分後にコンビニを通り過ぎ、それから四分で我が家へと辿り着いた。悪くない位置関係だ。研究所の敷地は広いから、door to door で十五分弱といったところか。僕は歩くのが早いから、距離にして約一五〇〇メートルという計算になる。毎日の運動には丁度良い。
それから市役所に行くわけだが、いかんせんバスの本数が少ない。かといって歩いて行くには遠過ぎる。幸い、近くにホームセンターがあったので自転車を購入することができた。自分で自転車を買って乗り回すのは十年ぶりである。大学生の頃はバイクと原付を持っていたし、京都ではあらゆる二輪車に跨がる必要すらなかった(そもそも駐輪する場所がない!)からだ。
久し振りの、そして真新しい自転車に気分を良くした僕は、こいつを漕いで周囲を探検することにした。ちょっと行ったところに馬鹿デカい、そして夜遅くまで開いている——この点が最も重要だ——ショッピング・モールを見付けたときには小躍りしたものだ。ここなら大抵の生活用品を揃えることができる。
早速、電球を買い漁ることにした。風呂場やトイレには既に白熱灯が備え付けられているが、僕は白熱灯の黄ばんだ光が好きではない。蛍光灯に比べて薄暗くて景気が悪いし、何だか寂しい感じもするからだ。そこで、蛍光灯タイプの電球を購入することにした。こいつの光は白くて明るく、その上寿命が長いから交換の手間も省けるのだ。消耗品の補充といった煩わしい作業をいかに退けるかは、僕の生活において大きなテーマである。
パッケージを見ると、蛍光灯の寿命は一万三千時間とある。毎日十時間灯したとしても、三年で一万一千時間にしかならない。つまり、新しい仕事の任期中に電球のことを気にする必要は全くなくなったのだ。素晴らしい!
さて、このモールは実は AEON なのだが、火曜日だったので、店内には火曜市のテーマソング(?)が延々と流れている。これが実に面白い。男の子がラップ調のリズムでこんなことを歌っているのだ。
いかんせん新鮮
甚だしい美味しい
これから毎週 Tuesday は ママにありがとうのチューするで〜新鮮第一
笑顔がピカ一
今日は AEON の火曜市
店内にいたときは、この曲をほぼ完全に暗唱できていたのだが、帰京する電車の中で本を読んでいる内に綺麗サッパリ忘れてしまった。残念である。引っ越したら、火曜は AEON に行くことにしようと思う。これまではティッシュやシャンプーなどもコンビニで買っていたが、そのような堕落した習慣を断ち切る良い機会だ。
一方、本屋と飯屋が質量ともに絶望的であることもわかってきた。書店は Amazon で代用できるし、利用頻度だって知れている。しかし毎日の食事だけは何とかせねばならない。大変な難問で、非常に困っている。