- 『変な映画を観た!!』大槻ケンヂ

2007/06/21/Thu.『変な映画を観た!!』大槻ケンヂ

大槻ケンヂによる、「ヘンムービー」(いわゆる B級、C級映画) を中心としたエッセイ。

各映画のあらすじと独特の見どころを紹介し、その「ヘン」に突っ込む。それぞれの映画を観たときの思い出が語られるのも、オーケン・ファンにはお馴染のスタイルである。

私が大槻ケンヂのエッセイをいつも楽しんで読むのは、彼が意識的に「のほほん」を標榜し、少なくとも気楽な文章の上では、それをほぼ完全に達成しているからである。

日記なんかを書いている人は経験的に御存知だろうが、ネガティブな事柄に対しては筆が走りやすい。特に、大槻ケンヂという人はそういう性格が強いと思われる。素人の場合はそこで、グチャグチャと汚らしく文章をこねくり回し、わけのわからぬものをベチャっと吐き出すのだが、ある時期以降のオーケンには、この種の嫌らしさが全くない。そこに私は、文章家としての大槻ケンヂの強さを感じる。

で、書いていることはスゴく下らないんだよね。空手を習いに行ったけどすぐに辞めたとか、そんな話ばっかり。それがまた良いんだけど。