「道具箱」には "TOOLBOX" とルビ (?) が振ってある。また、副題に 'The Spirits of Tools' とある。その名の通り、道具 (主に工作用具) に関するエッセイ集。
それぞれのエッセイは非常に短いが、含蓄のある言葉、斬新な視点も多い。
天秤を見て感じるのは、バランスがとれている平衡状態が、いかに不安定なもの、奇跡的な条件か、ということである。
(「測らない計ります図る量るとき謀れば諮ろう」)
あと、次の文章には爆笑した。
記録や申請を目的として書かれ、そして保存される紙のことで、日本の場合は、ほぼまちがいなく、枠線の中に文字を書き入れる形式になっている。そういうものが書類だ。枠があるせいで、電子化が遅れていることは明らかである。早く目覚めてもらいたいものだ。
(「パソコンで年賀状を作るという状況が納得できない」)
たかが事務書類にフォントまで指定されるのは「枠」がズレるからなんだよな。書類屋は Word の使い方よりも、XML/CSS の概念でも学んだ方が良い。