『ジョジョの奇妙な冒険 42 ストーンオーシャン 3』の続き。
空条承太郎のスタンド DISC を巡る攻防が激しさを増す中で、徐々にエンリコ・プッチ神父の内面が明らかになる。彼が承太郎の記憶 DISC を求めるのは何故か。そこにはディオ・ブランドーが絡んでいた。1988年、2人は既に邂逅している。
ディオ「『天国へ行く方法』があるかもしれない」「わたしの言ってる「天国」とは「精神」に関する事だよ 精神の向かう所……」「本当の幸福がそこにはある…… 「天国」へ行く事ができればな」「真の勝利者とは「天国」を見た者の事だ…………………… どんな犠牲を払ってもわたしは そこへ行く」
(「集中豪雨警報発令 その 1」)
しかしその後、ディオは承太郎に敗れ (第3部「スターダストクルセイダーズ」)、「天国へ行く方法」は承太郎の記憶にのみ残されることとなった。プッチ神父が承太郎の記憶 DISC を欲するゆえんである。
回想シーンとはいえ、ディオの登場は今後の物語の膨らみを大いに予感させる (一方で、第5部の主人公、ジョルノ・ジョバーナはディオの息子でありながら、本編にディオが全く登場しなくて肩透かしを喰らったという前例もある)。
本書で最も高名なシーンは、窮地に追い込まれたときのプッチ神父の心理描写だろう。
落ち着け…… 心を平静にして考えるんだ… こんな時どうするか……
落ち着くんだ… 『素数』を数えて落ち着くんだ…
『素数』は 1 と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……わたしに勇気を与えてくれる
(「集中豪雨警報発令 その 2」)
アスキー・アートを初め、色々とネタにされている台詞である。俺がこれまでに一番笑ったのがコレ。