- 『すばらしい数学者たち』矢野健太郎

2008/07/25/Fri.『すばらしい数学者たち』矢野健太郎

『アインシュタイン伝』『角の三等分』などを著した矢野健太郎による数学者列伝。

算数や数学に対して興味をもつための一つの方法は、それを作り上げていった数学者の生涯や逸話を知って数学者に親しみをもち、さらに、大筋のまわりにある興味ある事実に目を向けることにあると私は考えます。

(「まえがき」)

内容は非常に易しい。列伝といっても一人あたり数頁の分量なので、主題に沿ったエピソードが披瀝される程度である。そして逸話を交えながら、初等数学の簡単な証明 (ピタゴラスの定理、球の面積・体積計算、2次方程式の一般解) が述べられる。確率論の話ではあり得る事象が全て列挙される、幾何の話題では図が添えられるなど、著者が想定する「学校で習う算数や数学を面白くないと思う人」に向けた、丁寧な解説が眼を惹く。

採り上げられた数学者は以下の通り。

興味深いエピソードが豊富な、親しみやすい名著。