「薬師寺涼子シリーズ」第3作。シリーズ初の海外編。パリが舞台である。
薬師寺涼子警視、27歳。警視庁刑事部参事官のキャリアである。東大卒の頭脳とスーバーモデル並の容姿、実家が日本最大の警備保障会社という財力および権力を兼ね備えた「平成のエカテリーナ2世」。人呼んで「ドラよけお涼」。「ドラキュラもよけて通る」という意味である。彼女が部下の泉田警部補と、この世ならぬ怪現象が起こす事件を解決するというのがシリーズの基本構成だ。
ハッキリ言って中身はない。頭を空っぽにして読めるエンターテイメントである。それ以上の評価はない。面白いよ。
一つ注文があるとすれば、薬師寺涼子と泉田の、ベタと言うにはあまりにもベタ過ぎる関係だけはどうにかしてほしい。読んでいて背中が痒くなる。