- 『木島日記 乞丐相』大塚英志

2004/05/26/Wed.『木島日記 乞丐相』大塚英志

「木島日記シリーズ」第2作。今回は短編集。収録作は、

の 3編。評論家としての大塚英志には、一定の評価を下しているが、小説家となるとイマイチというのが俺の感想だ。文章も、読点がほとんどない上にやたらと長く、どうにも素人臭い。ストーリー、キャラクター造形と、いかにも「売れるように、受けるように」書いているのが鼻に付く。その姿勢は否定しないが、少しあからさまに過ぎるのだ。

まあ、つまらないことはないし、頭を使わずに読めるエンターテイメントではある。それだけ。折口信夫を狂言回しに使い、民族学の蘊蓄が語られている部分は素直に面白いと思うが。ちなみに「乞丐相」とは、折口信夫の顔面にある青い痣のことである。