- ティッシュ箱について

2013/08/05/Mon.ティッシュ箱について

今夏、日本ではうなぎが話題であるという。鰻なう。は回文である。

ティッシュケースやティッシュカバーなるものが「わざわざ」作られている。ティッシュ箱を覆い隠し、室内のインテリアと調和させることを目的としたアレである。この商品の存在が明確に物語っているのは「ティッシュ箱のデザインはダサい」ということである。そしてこの事実を最も敏感かつ謙虚に受け止めるべきはティッシュ箱のデザイナーである。にも関わらずティッシュ箱の外装は私が物心ついたときから大きく進化していない。五箱パックは相も変わらずのレインボーカラーである。

(経費もかかるだろうに、なぜ全ての箱を違う色にしているのかも積年の疑問である)

ティッシュ箱のデザイン自体をケースやカバーのようにすればもっと売れるのではないかと思うのだが、なぜかそうはならない。無印良品あたりではそのようなティッシュが販売されているのかもしれないが、たかだかティッシュごときのために特定の店に赴くほど暇な人間はそう多くない。逆にいえば大多数の人はレインボーの箱が山積みになっているような店でティッシュを購入しているのであり、もしそこにシックな単色の箱に入ったティッシュがあればこぞって買い求められるのではないかというのが私の提案である。無地ではティッシュ会社内部の企画会議に通らないというのなら林檎のマークでも入れておけば良い。

一つ考えられるのはケースやカバーの制作会社がティッシュ会社の傘下にある可能性である。すなわちティッシュ箱のデザインがイケていないのはケースやカバーを売らんがための陰謀というわけである。

仮にそうであるなら、ティッシュ箱にウンコの写真でも印刷すればさらにケースやカバーの需要が高まるのではないかと思う。ウンコの横に「ティッシュでウンコを拭いてトイレに流してはいけません」とでも書いておけば申し訳も立つ。あるいはデザインを草間彌生に依頼するという方法もある。あんな模様の箱が机の上にあってはおちおちオナニーもできないから、これは是が非でもケースやカバーが必要になってくる。

もちろん、あるティッシュ会社だけがティッシュ箱をウンコまみれにしたりブツブツにしても意味がない。全てのティッシュ箱がそうならないとケースやカバーの売り上げは伸びない。そこで談合が求められる。実のところ私は各ティッシュ会社が裏で結託していると確信している。数年前、ティッシュ箱のかさが「一斉に」低くなったことがあった。あれは一体どういう仕組みだったのか。いまだに不思議である。

付け加えるなら、ティッシュ箱の規格変更はケースやカバーの買い替えを促進したはずである。あのときティッシュケース/カバー業界はバブルに湧いたであろう。

ティッシュ箱は本当に謎が多く、長らく考え続けている。