- Diary 2003/03

2003/03/31/Mon.

「修羅場、どっと混む。」での最後の日記。

書いているとやる気の出てくる今日の実験日記。プレプ 30本をこなし、無事に cDNA プラスミドをゲット。本当はこんなにやる必要もないのだが、自分の作ったベクターの保存用として余分に作り置きしておく。この後、変異部位を含む一部を制限酵素で切断してゲノムベクターに組み込むのだが、まずは顕著な性質を示した変異タンパク質に絞って、今月中にゲノムベクター作製、そしてインジェクションにさくさくと移りたい。

仕事は期限を切って、とは K先生がよく言われる言葉なのだが、まあ、時間を決めた方が俺も燃えるタイプなので頑張っていこうかと思う。

生物物理学会年回の告知を見る。今年は新潟で神経生化学会との合同年回、全部ポスター発表だと。分子生物学会もポスター発表やし、参加するかどうかはまだわからんが、発表する可能性のある学会が全てポスター発表ということで、何故か安心する。良い年度にならんことを。

良い年度と言えば、ついにK先生の部屋から俺のデスクが引っ越し。後任の方には気の毒?ながらも嬉しさは隠せない。何か幸先が良いぞ。

2003/03/30/Sun.

昼頃ラボに来たら、俺のベンチの上に H女史改めDr.Hからのメッセージが。Dr. H らしい心温まるお言葉、胸に沁みました。1年間、この方にはお世話になりっぱなしだった。ありがとうございました。

肝に銘じて実験に取りかかる。ということで今日の実験日記。前日トランスフォーメーションした大腸菌、やはり爆発を起こしたサンプルは生えていなかったので、2本ほどやり直し。昼過ぎにプレートに撒き、試験管、チップ、シャーレ、と雑用王メニューを一通りこなしてから帰宅。

夜、大腸菌が生えた頃を見計らって再びラボへ。まだ少し小さかったので、ちょうど来ていた B氏を捕まえて時間をつぶす。そしてカルチャーを 30本。やるぞ明日は。30本プレプ&フェノクロ。

さて、カルチャーを仕込み終わってメールを確認すると Dr. H から写真が送られていた。というのも、俺が Dr. H の形見をねだっていたからなのだが。有り難く頂戴する。明日にでも印刷してベンチに貼るか。吹き出しの中の台詞は「早くゲノムベクターを作ろう!」かな?

2003/03/29/Sat.

前日の宣言を実行して実験日記。何だかんだといいながら形質転換を 16本。1本だけすんごい爆発を起こしたのがあったのだが、生えるだろうか。コンピテントセルが残り少ない。作るか。BL21株は俺しか使ってないしなあ。

さて、週末は少し新サイトのコンテンツでも充実させようかと考えている。現在、過去の日記などは移転済みだが、せっかくだから新企画でもしようかな、と。

何が良いのだろうか。ツーリング日記でも書くか。しかし書くほどツーリングできるだろうか。今年はガソリン代を気にしなければならないほど走り回ることができたらいいのだが。

2003/03/28/Fri.

昼頃に起床し、カーテンを開けると燦々(さんさん)とした陽光が眩しい。開けた窓から入ってくる空気は暖かく、これは絶好のバイク日和なのではないか? よし、今日はバイクでラボに行こう! 手早く着替えて革ジャンを羽織り、颯爽と愛車にまたがる。軽くふかしてから発進。やっぱ気持ちええなあ。このままカッ飛ばしたら爽快やろなあ。山道走って、川の横にでも停車して、美味い空気で煙草吸ったら最高やろなあ。

そう思った瞬間、交差点を学校とは反対方向に左折する俺。

80 km ほど走って缶コーヒーと煙草でブレイクすると罪悪感も吹き飛んですっきり。U ターンして下宿に戻り、シャワーを浴びて、ネットでまったり。最悪ですな。というか下宿に ADSL 導入はヤバかったかもしれん。気が付いたらネットでまったりしてしまいそうになる。すぐに飽きるとは思うが。

こうして遊んでいることを自己申告したからには、来週から実験頑張らなアカンな。プライマーも注文したし、テンション上げるためにも、久しぶりに実験日記の体裁に戻そうかな?

2003/03/27/Thu.

卒業生新入生歓送迎飲み会があった。幹事の N.N.嬢、お疲れ様でした。

昨日の話の続き。さて、学会発表の要旨(英文)を書かなければならなかったのだが、最近プログレスレポートもセミナーもなかったので、全然英語を読み書きしていないことに気付く。ああ、単語が出てこない、もどかしいなあ、と思いつつ書いていた。英文でダサイのは、やはり同じ単語が何度も出てくるというパターンだろうが、何せ語彙が貧弱でどうしても似たような言い回しを繰り返してしまう。こういうときに役立つのが和英辞典なのだが、あいにくと俺は所持しておらず、ネット上の和英辞典を参照していた。

だが、やはりネット上での無料サービス、なんかこう、しっくりと来る単語がなかったり、例文が少なかったり、あまり使えたものではない。などと嘆きながら要旨を書いていた俺の横に A氏が降臨!

「T君、俺のでよかったら和英辞典があるけど?」

おお、さすが A氏。氏は早速辞書を持って来てくれた。いそいそと懸案の単語を引く俺。ところが、A氏の辞書の内容はオンライン辞書の内容と全く同じであった。

「ネット辞書の正体を見た」

ヒゲマン氏の声が厳かに響く。結局、英語は自分で勉強しなさいってことなのか。

2003/03/26/Wed.

卒業式の日から実験、そして、その翌日から来年度のことを真剣に考えて、と、充実している(というふうに思いたい)毎日を送っているが、今週末にはゆっくりと自室で酒でも飲みたいなあ、とも思ったり。

俺としては頑強に抵抗していた(つもりの)国際学会への参加だが、本日、K先生に押し切られる形で参加を承認してしまった。国際学会ねえ。良い経験・勉強になるであろうことは簡単に理解できるのだが、今回は諸々の理由で本気で行きたくなかったのだ。

が、一度行くと決めたからには腹をくくって、それまでに結果を出せるように努力するつもりだ。と、無理矢理モチベーションを高めてみる。俺って男前。実際、来年度からの研究をどうしようかと悩んでいたので、ここで吹っ切り、さっさと実験に集中してしまえ、という気分もある。言葉は悪いが、半ば交換条件のような感じで、自分のやりたい実験を K先生に提案できたのはよかったかな、と思い返したり。

そして今、俺が何を一番恐れているかと言えば、学会に行くための飛行機に乗っている 12時間、1本も煙草が吸えないという事実。白状するが、正月にタイに行ったとき、たった 6時間のフライトが我慢できずに便所で隠れて喫煙した俺。中学生じゃないっつーの。情けねえ。

愛煙家の皆様、何か良い知恵はないでしょうか?

2003/03/25/Tue.

卒業しました。こんな感じです。

大学は出たけれど

タイトル: 「大学は出たけれど」(撮影: S先生)

2003/03/24/Mon.

実は明日、大学の卒業式があるのだが、今日の 20時になるまで式の開催場所すら知らず、全然卒業の実感が湧かない。というか、式の直後から実験やるし。めでたい、のだろうか。

2003/03/20/Thu.

ついに米英がイラクを攻撃開始。「武力行使」とはいってるが、単なる戦争やろ。

今朝、朝刊を読んでいたら久々に腹が立った。イラクにいる日本人数名が戦争の「盾」となるため、外務省の説得を無視してイラクに滞在を続けるという。

ボケか。

国際世論の反対を押し切って攻撃を始めたブッシュ大統領が、日本人数名がいるというだけで攻撃を辞めると考えているのか。大体、日本政府は米国のイラク攻撃を支持する声明を発表している。この方針そのものについては是非があろうが、とにかく外交というものは態度をふらふらさせてはいけない。一度支持するという方針を定めたのだから、そのへんのことを考えろ。それが国益というものだ。

例えば、米軍の攻撃で馬鹿タレ在イラク日本人が死んだとする。当然、日本人は(例えそいつがどんなにアホな奴であろうと)いい気はしない。米国め、関係のない日本人を巻き添えにしやがって、となる(本当はアホが進んで巻き込まれただけなのだが)。いかんいかん、やっぱ戦争は駄目だ。米国の考えは間違えている。その米国を支持するとは何事か。矛先が日本政府を向く。日本が米国を支援しようとすると大きな反対が起こる。充分な(約束した)支援ができないとなると、ブッシュ大統領は日本に向かって言うだろう。

「日本人は、また口だけか」

こうしてさらに米国の日本に対する圧力が強まる。そして日本の国益が損なわれるのだ。馬鹿な日本人自身の手によって。愛国者を自認する俺は、ここでもうカチンと頭に来る。

これくらい想像がつかんのか。反戦の仕方、日本政府の方針への異議の唱え方などいくらでもあるだろう。ちっとは考えろ、低能。驚くべきことに、自ら進んで盾になりにイラクへ飛び立つ者も出てきたという。勘弁してくれよ。どうしてそんなに馬鹿なんだ。お前らなぞ、いっそ米軍のミサイルによって死んだかどうかもわからないくらいに粉々に爆撃されろ。

俺は別に戦争賛成でも米国大好き人間でもない。日本を愛する憂国者。憂鬱だなあ。

2003/03/19/Wed.

ついにアメリカがイラクに攻撃宣言。まだ開戦していないので、この話題は戦争が始まってから。

さて、ぼちぼち働くか、ということで簡単な実験をやりつつ、次のテーマを何にしようかと思案する。俺個人としては、これまでに作製した変異タンパク質を発現するゲノム・ベクターを作ってレスキューしたいのだが、まだ K先生と話を詰めていないのでどうなるかわからない。わからないといいつつ、ゲノム作製の手順を B氏と検討しつつ必要なプライマーまでデザインしたというこのヤル気。現在、時期を窺い中。休日出勤をすればK先生は甘いので、この週末が勝負かな、と。別に K先生はレスキュー実験に反対しているわけではないので、そう肩肘張ることもないのだが。

後輩某(文系)との実際の会話。どういう流れか、生物学の実験で使う大腸菌の話になる。

俺「おうよ。俺が使ってんのは BL21 っていうやつやけど、売られてるで、高いけどな。まあ、昔は肛門に突っ込んだ指を寒天培地になすりつけて実験してたらしいわ。BL ってのはベンジャミン何とかっていう人のケツの穴から取ってくるらしいで」
某「マジっすか!」

マジなわけがないだろ。信じやすい後輩某。可愛いぜ。

2003/03/18/Tue.

今日は 1日中、学校の階段の天井を工事していた。何だったのか。別に代わり映えはしていない。

と、足を踏み入れた途端、パチッ、と自動的に電気が点いた。ははあ、センサー組み込んでたわけね。しっかし、無駄な工事やなあ。そら電気代減らせるかもしらんけど、一体、工事費用の元をとるにはどれだけ節約せねばならんのか。それに、電灯は ON/OFF のときに一番電気を食うというではないか。ひっきりなしに点いたり消えたりする方が電気代がかかるのでないか?

ま、知ったことではない。などとは言っておれん。電気代も工事費用も税金から出ておるわけで、しかも恐らく大学に回ってくる金の大元は入学金&授業料なのである。昨日、大学院の入学手続きと同時に払い込んでしまったのでやけにリアルだ。また値上がりしてたしな。そういえば妹が大学受験で、滑り止めの某私学にも入学金を振り込んだらしいが、何と国立大より安かったそうである。うーむ、ちょっと考えられん時代だな。

2003/03/17/Mon.

御無沙汰、まことに申し訳ない。この 1ヶ月間、だらだらと過ごしておりました。一応春休みには違いなく、何も後ろめたいことはないのだが、それでもやっぱり、今日久しぶりにK先生の御尊顔を拝するとビビってしまった。ばったり廊下ですれ違ってしまい、その折りに頂いた「アンタは何をしてたの?」という質問に対し、

「全く何もしてないっス!!」

とはさすがに答えられるわけもなく、とりあえず平身低頭。すみません。

この 1ヶ月、ヤバイなあと思いつつもラボに顔を出さなかったのは、

  1. 大学 4年生のこの時期、4月から気軽に会えなくなる友人も出てくるなあと思う(向こうも思う)。
  2. そこで飲み会のお誘いが入る。
  3. 飲む。近況を語り合う。
    俺「最近大学行ってないんよ」
    友「何で? 春休みやん」
    俺「だ、だよね? わ、わはは。学校が何じゃい! 俺は休むで〜!(酔)」
  4. 翌日は二日酔い。おえ。1日仮死状態。
  5. ようやく酔いが冷める。そろそろ学校に行かなアカンなあ。
  6. 2 に戻る。

この繰り返し。本当にどうしようもない。

ところで、1週間ほど前からプロパイダを乗り換えた。Yahoo! BB の ADSL 回線を引っ張ってきたので、4月 1日をもってこのホームページを移転することにした。これからは自宅更新ということになる。まだ準備してないが。アドレスは 3月 31日の日記にでも公開するか。