再びプレゼンの練習。う〜む、やはり原稿を用意しないと喋りが怪しい。
Dr. T よりメールあり。むむ。今まで知らないメソッドが? 今日も実のあるディスカッションを頂き、感謝感謝のフィギュア直し。ただ、俺の斜め後ろに座っている人が、役に立たないのは以前からだが、ここ数日、どうも害をまき散らしているとしか思えないのが気になる。なんて言ってはイケナイのだろうけどね……。
またもオーバーレイ出ず。へこむ。さすがにここまでやると、どこが悪いっぽいのか見当もついてきた。ドクターのお歴々にディスカッションに付き合ってもらい、挙げ句の果てには Dr. T からもアドバイスをもらう。嬉しいなあ。人情が骨身に染みた寒空でした。
学会発表の練習。昨夜、 N大の I先生から研究しているタンパク質の立体構造モデルをゲット。急いでモデル図を直すも、オーバーレイも出ておらず、後半はぐたぐたのプレゼンだった。聞いて頂いた方々には何とも申し訳ない。むう、本気で時間がないぞ。明日のオーバーレイは何としても出したいところだが……。
結果が出ない。辛い。
ひょんなことから B氏と宮内庁のページにアクセスしてみた。
結構多彩なコンテンツがあり、今上天皇陛下の御学問の御業績を御紹介されたページもあった。その中に「天皇陛下の御論文」というコーナーがある。陛下はハゼの形態的分類を御専攻なされており、御幸遊ばされた折りには、当地のハゼを採取されては分類されておられているようで「ベトナムで採取したハゼについて」などの御業績がある。御業績の中に GENE という英文雑誌に御投稿された御論文もあったので、電子ジャーナルで拝読させて頂いた。タイトルは、
「Evolutionary aspects of gobioid fishes based upon a phylogenetic analysis of mitochondrial cytochrome b genes」
で、ハゼのミトコンドリア遺伝子で進化の具合を解析したものらしい。おそらく陛下の形態分類をからめているのだろう。筆者を見ると、一番最初に「Akihito」と陛下の御名が記されていた。
爆笑した。だってみんな「Taro Yamada」とか「I. Suzuki」とか書いてあるのに一人だけ「Akihito」。しかも住所が「The Imperial Residence, 1-1Chiyoda Chiyoda-ku, Tokyo 100-0001, Japan」て、これって皇居やんか。
さらに References に目を通すと陛下「Akihito」の論文が引用されているのだが、昔の筆者名は「Akihito, Prince」となっていた。これってひょっとして皇太子ってこと?
新しく作り直した相手方タンパク質をウェスタンで発現チェック。もう遠回りなのはしょうがないが、ここらで後顧の憂いを絶っておきたい。さいわいにも液体培地でもカルチャーは正常。メンブレンまで一気に作って、さてウェスタンをどうしようかと午後 6時。……飲み会があるので帰りました。
昨日の夕方からカルチャーしてんのに、何で増えへんねん、この大腸菌があ!! 運良く増えていたやつを希釈して本数を稼いでオーバーレイしたが、今日は真っ黒な写真をゲット。もうゲッソリですわ。形質転換し直した大腸菌は一つもコロニー出さんし。もう相手方はどうなってんのかサッパリわかりません。とりあえず明日、同じく形質転換やり直した別の大腸菌をウェスタンしよう……。ああ、明日から K先生おるんやなあ……。もう何をどうしたら良いのか……。
今日から集中講義があって、この単位が取れないと留年という大事な講義。無謀にも講義には代筆を頼んで、自分はオーバーレイにいそしもうかと思い、昨夜から大腸菌をメンブレン 3枚分、10本カルチャーしていたのだが、さあ IPTG 入れっか、と朝の 7時に来たところ(午前は講義に出るつもりだった)1本しか大腸菌増えてねえ! 何で何で何で? やばい。やることなくなったので講義には行けるけど。やっぱ、一度しっかりとした発現チェックせなアカンか? どうする? そんなことしてたら学会に間に合わん。別のベクターを使うか。こっちは今夜からでもカルチャーできる。発現チェックはしている。でも、このベクターでオーバーレイに成功したことがないんだよなあ。それも不思議。Dr. T も R女史もこっちのベクターを使ってるんだよなあ。う〜ん。マジで困った。集中講義は面白かったのが救い?
今日は何も書くことがないので、昨日の日記に書き忘れたことを二つ。
その1。A氏のコーヒーカップを割ってしまった。懺悔。
その2。研究室を訪れた御婦人(多分保険の人。B氏談)に「S先生ですか?」と尋ねられた。憤怒。
12時間の格闘の後、今日もオーバーレイは撃沈。ようやくバックの変なシミが見えなくなったと思ったら、本命のバンドも見えず。ああ疲れた。オーバーレイの実験はホンマに難しい。変数が多すぎる。でも今一歩の所までには来ているような気がするんだがなあ。学会前じゃなかったら、どっしりと腰を据えて条件設定に取り組めるのだが、そうもいかず。とりあえず結果だけでも知りたいのだあ。
今日は夜中に大腸菌をカルチャーしに来ただけ。タルんどるなあ。せやかて昨日の夜は雨が降っとって大腸菌増やしに来んかったから何もすることないねんもん。っていうか、日曜の夜なんかラボに来たくねーよ。タンパクの実験が再開してから毎週だぜ。ったくよう。でも学会が。ああ。ヤバイよなあ。
昼飯からラボに帰ってくる途中で、外人から声をかけられた。昼飯で機嫌が良くなっていた俺は、道でも尋ねられるのかと思い、親切にも自転車から降りてやったのだった。その外人は流暢な日本語で語りかけてきた。
外「スミマセン」
俺「何か?」
外「私ハ北海道カラ来タ某キリスト教大学ノ宣教師ナノデスガ、2分ホド神様ノオ話ヲサセテモラッテヨイデスカ?」
しまった! ウザいのに捕まっちまったぜ。
俺「はあ……」
外「アナタハ先生デスカ?」
俺「いいえ違います」
外「スミマセン。デモ立派ナ髭デスネ。トコロデ、今アナタハ悩ミトカ問題トカアリマスカ?」
この質問の仕方がセコイ。悩みや問題のない人間なんておらへんやろが! ちっ、仕方がない。正直に俺の抱えている問題を話してやるか。
俺「今の僕が持っている問題は、ある線虫の筋肉タンパク質が、どのような立体構造をとって相手方と相互作用しているかです」
外「ワカリマシタ。サヨウナラ」
こらっ、外人! 諦めがよすぎるぞ。それにオマエ絶対わかってへんやろ!!
外「マタ会エマスカ?」
俺「わかりませんね」
外「ソノトキマデ髭ハ剃ラナイデクダサイ。ワカラナクナリマス」
最後まで癪に触る奴。ま、勝ったからええけど。
なかなか来んなあ、明日もメンブレン作り溜めか、とのんびり構えていたら注文していた ECL が来た。これで明日はオーバーレイ 12時間コース決定。でも今度のオーバーレイで新しく作った変異タンパク質を調べるので結果は楽しみ。
明日から K先生が某国に長期出張。むふふ。
今日は研究している遺伝子サンプルをR研に送るべく奔走する俺。ようやく書類・サンプルが整い、封筒に入れて教務に提出。ホッとしていたら教務から K先生に電話が。K先生は電話を切ると部屋を出て行かれたが、すぐに「T!」との怒鳴り声。すわ何事ぞと立ち上がると行き先は教務だという。
どうやら提出した封筒に問題があるらしい。普通、研究関係の郵便には切手などを貼らずに「速達」とか「外国便」とか記入した書類を添付して教務に提出すると、職員がよきに計らってくれる。その書類の郵便物の種類を記入する欄には、
普 速 書 ・
通 達 留 ・
ってな感じで指定する用になっていて、普通は
普 速 書 ・
通 達 留 ・
というように選択するのだが、俺は何も考えずに、
普 速 書 ・
通 達 留 ・
としていて「何ですかコレは?」と K先生と教務の人に聞かれてしまった。とりあえず「何なんですかねえ?」と答えておきました。
実は昨日の日記には続きがあって、あれから家に帰るとポケットの中からキャピラリーの部屋の鍵が出てきた。何やねん! せっかく日曜は休んだろ思てたのに、鍵返しに行かなアカンやんけ。っつーわけで昼頃に登校。ついでやからシーケンスが終わるまで待ってサンプル解析。お〜、最後のベクターできてるやんかあ。うひょひょ〜。てな感じで、今週の厄は全て落とした気分になって帰りました。
土曜の深夜 0時なんていうダルい時間にキャピラリーのアプライに来たっていうのに、予定が 1時間ずれこんでいる。ああ、これからバイトの飲み会があるというのに。今週は厄日が多いのか、実験が予定通りに進まないことばかりだ。こっちは手落ちのないようにしているつもりなんやけどなあ。バイクも盗まれたあげくに事故られるしよお。ったく。このやり場のない怒り (copy right B氏) はどうすればよいのかね。
1日遅れでオーバーレイを開始。11時間後、見事失敗に終わる。何も検出されんし! つーか、抗体も作り直したのに、研究しているタンパク質すら、影も形も見えんっておかしいがな! とりあえず疑うべきは検出反応。2次抗体は大丈夫だろうが、怪しいのは ECL。そういえば前回のウェスタンから、どうも露光時間を長くしなければ検出できんのよなあ。へたれか、この ECL。ってなわけで、新しい ECL を買うことに。
おっしゃ、明日はオーバーレイやるぞ!と昨夜 0時にカルチャーをスタートさせて、朝の 9時半に来てみるとシェイカー止まってるし。うっすい大腸菌を見て頭が真っ白になりました。こちとら今日は夜中までかかると、そして、明日のプログレは発表の順番ではないが、来週から K先生が出張なので、ウェスタンの写真が撮れたら、こっそり発表してやるか、と男前な心構えと体の準備で来たのに、迎えてくれたのはうっすい大腸菌。ブチ切れて家に帰りました。実際やることもないし。ゲームして、ふて寝。
そういや、今まで全く気づいてなかったのだが、俺は今まで木曜日の英語 3文字表記を「Thr.」としていたが、正しくは「Thu.」だったことが判明。Thr ってアンタ、そりゃあスレオニンでんがな。
できたベクターを大腸菌で発現させて久しぶりにパゲ。今回はどれもキチンと発現してるぞえ。明日は地獄のオーバーレイ。でも、新しい変異タンパク質の性質がわかる(かもしれない)ので、とりあえず頑張るかなあ。
キャピラリー 2回戦、残り 1種類のベクターがやはりゲットできぬ。くそ。それにしてもキャピラリーはゲルに比べて、かなり長い塩基対が読めますな。今回、90分の泳動で 700 bp ほど完全に読めた。ちっ、こんなことなら全長を二つに分けることもなかった。一気に読んでしまえばサンプル数を稼げたのに。
キャピラリーでのシーケンスはキッチリ読めていた。残念ながら変異が入っていなかったのもあったが、4種類のうち 3種類をゲット。それにしてもシーケンスの日はいつも結構ヒマだ。ベクターできてもトランスフォーメーションで半日、コロニーをピックして培養するのに半日。そっからやっとタンパクの実験ができるので、ヒマなのだあ。ま、そのあとは地獄やけど。
まずは昨日の続きから。約束通りに 13時に警察署へ。担当は交通課の F巡査部長だ。とりあえず原付の確認を、ということで、事故車の倉庫へと向かう。ド派手に改造された族車や、二つしかタイヤのない自動車の中に我が愛車は安置されていた。予想通りにボコボコ。素人が一目見ても即廃車だとわかる。
けけけけけ、こいつはボリ放題ですな。新車買ったろかいな。と内心ほくそ笑みながらも、表面上は「あちゃー」てな感じでヘコんだ演技をする。被害届などの書類を作成し、後日盗人の家族から連絡があるようにするとのこと。という次第で警察を去ろうとしたら B氏からメールが。
「ゲルシーケンサー使えへんからキャピラリーの予約する?」
おおう、キャピラリーを使うチャンスだぜ! 講習は受けたがゲルしか使ったことねえんだよな。B氏に予約を頼むと返信が「深夜 2時にアプライ」とのこと。なんてこった、俺の土曜日は警察とラボで終わるのかよ。というわけで久しぶりの土曜日更新。ただいま PCR 中。
研究に関係がなくて恐縮だが、たまには私生活の日記もよかろう。今日の午後、警察の交通課から電話があり「あなたの原付が盗まれて、その盗んだ奴が事故を起こして原付も壊れたので明日の午後に警察まで来て」と言われた。
「は?」てなもんである。これは一体どういうことかと考えるに、俺のヤニ色の脳細胞に一番最初に閃いた考えは「バイクの修理代をふんだくれるのではないか?」という腐ったものだった。果たして臨時収入獲得なるか? 次回の日記に乞うご期待!
30本プレプにチャレンジしたが、おお、ベクターできておるではないか! まさかの一発勝利。4日間でできちまったよ、前は 3ヶ月かかったのに。
今までで一番相性の悪い実験、ライゲーション。昨夜反応させたベクターを今朝トランスフォーメーションしたところ、くっ……微妙。なんか少ないんだよなあ。まあ、とりあえずプレプしてみっか。
張り切ってベクター作りますか。今日はライゲーションまでやったので、明日の朝にはコロニーがゲットできるはず。さて、相手方のタンパク質の立体構造が知りたい俺。でも結晶化されてないんだよなあ。どうすべえ。と思っていたら生物物理の学会誌最新号が届く。へろへろとページをめくると、タンパク質立体構造予測の話が。ほっほう。生物物理の学会誌は毎号どれかは読んだろかいなという話があって面白い。
今日から遺伝学会。みんな頑張ってるかなあ?