2010/11/06/Sat.『インテリジェンス人間論』佐藤優
人物評論を主とした十九編が収録されている。
- 第一話『鈴木宗男の哀しみ』
- 第二話『橋本龍太郎と日露外交』
- 第三話『私が見た「人間・橋本龍太郎」』
- 第四話『小渕恵三の "招き猫"』
- 第五話『新キングメーカー「森喜朗」秘話』
- 第六話『死神プーチンの仮面を剥げ』
- 第七話『プーチン後継争いに見る凄まじき「男の嫉妬」』
- 第八話『日露対抗「権力と男の物語」』
- 第九話『「異能の論客」蓑田胸喜の生涯』
- 第十話『怪僧ラスプーチンとロシアン・セックス』
- 第十一話『スパイ・ゾルゲ「愛のかたち」』
- 第十二話『金日成のレシピー』
- 第十三話『有末精三のサンドウィッチ』
- 第十四話『「アジアの闇」トルクメニスタンの行方』
- 第十五話『インテリジェンスで読み解く「ポロニウム210」暗殺事件』
- 第十六話『不良少年「イエス・キリスト」』
- 第十七話『二十一世紀最大の発見「ユダの福音書」』
- 第十八話『ラスプーチン、南朝の里を訪ねる』
- 第十九話『ティリッヒ神学とアドルノ』
これまでに佐藤が別の本で書いてきた内容と重複するものが多い。
「ユダの福音書」に関する解説は興味深く読んだ。
終戦時の参謀本部第二部(情報部)長・有末精三は、その名前はよく眼にするものの、これまで具体的なイメージを持てていなかった人物であった。本書で紹介された逸話を読み、その人となりに輪郭を与えることができたのは収穫だった。大本営第二部については堀栄三『大本営参謀の情報戦記——情報なき国家の悲劇』に詳しい。