将棋の駒のうち、飛車と角を大駒といい、玉を除く他の駒を小駒という。大駒は、最大可動域が他の駒の二倍以上の駒として定義できる。各駒の最大可動域と、初期配置における可動域は表の通りである。
△後手 飛0 角0 金0 銀0 桂0 香0 歩0 |
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
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香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 一 |
▲先手 飛0 角0 金0 銀0 桂0 香0 歩0 |
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飛 | 角 | 二 | |||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 三 | ||
四 | |||||||||||
五 | |||||||||||
六 | |||||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 七 | ||
角 | 飛 | 八 | |||||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 九 |
駒 | 可動域 | |
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最大 | 初期位置 | |
玉 | 8 | 3 |
飛 | 16 | 6 |
角 | 16 | 0 |
金 | 6 | 3 |
銀 | 5 | 2 |
桂 | 2 | 0 |
香 | 8 | 1 |
歩 | 1 | 1 |
初期配置において、駒の可動域の合計を最も増やす一手は、角道を開ける▲7六歩(角の可動域 +5、左桂の可動域 +1)である。この一手は、可動域の総数を最大化させるだけではなく、初期可動域が 0 である角と左桂に移動先を与えるという意味でも価値が大きい。
「将棋の勝利条件は、自玉が詰む前に相手玉を詰ますことである」と書いた。「詰む」とは、ある駒が当たっている(次の相手番で駒が取られる)状況において、その駒の可動域が 0 である、あるいは可動域に移動しても駒が当たる状態、と定義できる。
この定義は完全ではない(玉ではない自分の駒が詰んでいる状態を、相手玉に王手をかけることで解除できる可能性がある)が、可動域が多いほど好ましいように思える。しかし、可動域の最大化は「駒の連結」と相反する行為であり、闇雲に最大化を指向すれば良いというわけでもない。