通常攻撃の物理ダメージ量を 1.0 とすると、会心攻撃のそれは 1.25、マイナス会心攻撃は 0.75 となる。会心率が−10% のとき、マイナス会心攻撃が 10% の確率で発生するという設定である。したがって会心率 x(−1 ≤ x ≤ 1)の武器の物理ダメージの期待値は、
1.0 + 0.25x
となる。会心率が 10% 上昇するごとに物理ダメージ量が 2.5% 増えると考えて良い。
ダメージ計算の詳細は以下を参照。
会心率はスキルによって上下する。
スキル系統 | スキル | 会心率 | 備考 |
---|---|---|---|
達人 | 見切り+3 | +30% | |
見切り+2 | +20% | ||
見切り+1 | +10% | ||
見切り−1 | −10% | ||
見切り−2 | −20% | ||
抜刀 | 抜刀術 | 100% | 抜刀攻撃のみ |
近接武器には斬れ味ゲージが設定されており、斬れ味によって攻撃力 (基本威力) が補正される。また、会心率 > 0% のときに限り、会心率も補正される。
ゲージ | 基本威力 | 会心率 |
---|---|---|
紫 | ×1.5 | +10% |
白 | ×1.3 | +10% |
青 | ×1.25 | +5% |
緑 | ×1.125 | |
黄 | ×1.0 | |
橙 | ×0.75 | |
赤 | ×0.5 |
紫ゲージ 1.5 は白ゲージ 1.3 の約1.15倍である。つまり紫ゲージは会心率約 60% の白ゲージに相当する。同様の計算を青ゲージ以上に対して行ったのが下の表である。
ゲージ | 白会心 | 青会心 | 緑会心 |
---|---|---|---|
紫 | 約60% | 80% | 133% |
白 | - | 16% | 64% |
青 | - | - | 44% |
注目すべきは「白ゲージ = 会心率 16% の青ゲージ」の部分である。つまり、デフォルトで青ゲージの武器は、スキル「斬れ味レベル+1」(以下「匠」) でゲージを白に伸ばすよりも、「見切り」で会心率を上昇させた方が物理ダメージの上昇が見込める。逆に、緑や白ゲージの武器は「匠」で斬れ味を伸ばした方が良いといえる。
以下、青ゲージ武器と白ゲージ武器について、それぞれ詳述する。
斬れ味による基本威力の補正、会心率の上乗せ補正を考慮して、青ゲージ武器のダメージ量を求めたのが下のグラフである。縦軸が物理ダメージ量の期待値、横軸が武器の表示会心率(スキル発動前に、武器屋や自室のステータス画面に表示される数字)である。
表示会心率が 0% より大きい場合、それは斬れ味ゲージによる補正後の数字であることに留意しよう。したがって、表示会心率 5% の青ゲージ武器は存在しない。
「見切り」のグラフが一定の範囲で山を描くのは、会心率が負から正へと上昇するときに、斬れ味ゲージによる補正が上乗せされるからである。「匠」の有無に関わらず、青ゲージ以上で会心率がマイナスの武器は、「見切り」によって会心率をプラスにすると極めて効果的である。
さて、グラフからわかるように、青ゲージ武器では表示会心率全域において、「見切り+3」が「匠」を上回る。
また、表示会心率が 0% 以下なら、「見切り+2」でも「匠」より有効である。表示会心率が 0% を超えると「匠」が「見切り+2」を上回る。しかし、斬れ味が落ちると「『匠』の白」は「ただの青」になってしまうことを考えれば、常に「匠」の方が有効とは限らない。例えば、青ゲージが長く白ゲージが短い武器では、「匠」より「見切り+2」の方が、一定時間中に与えるダメージが大きくなるだろう。
表示会心率が -5% と 0% の武器に限れば、「見切り+1」だけでも「匠」に肉薄することができる。このことからも、「マイナス会心武器のプラス化」の重要性が理解できる。
グラフを眺めれば、青ゲージと白ゲージ、「匠」と「見切り」のバランスがよく取られていることがわかる。斬れ味ゲージによる基本威力と会心率の補正が絶妙な数値で設定されており、プレイヤーは各武器に対するスキル構成に頭を悩ますことができる。良い調整ではなかろうか。
以上を踏まえ、武器によって最適解は違うことを承知の上で、一つの目安として結論めいたものを書いておく。
青ゲージの武器は、「匠」よりも「見切り+2」以上で運用した方が効果的である。
白ゲージ武器について、「匠」と「見切り」の効果を検証したのが下のグラフである。青ゲージ武器と同様の理由で、表示会心率が 5% および 10% の白ゲージ武器は存在しない。
× 1.5 の斬れ味補正を誇る紫ゲージの圧勝である。グラフを見れば一目瞭然、白ゲージ武器では「匠」一択であることがわかる。これが、G級における「『匠』の呪縛」である。
スキル構成に限っていえば、紫ゲージは明らかなバランス・ブレイカーであり、選択肢の多様性を失わせている。これは MHP2G の調整不足の一つであろう。
白ゲージの武器は「匠」最優先で運用する。
デフォルトで紫ゲージの武器を使えば「匠」が不要になるが、本稿はあくまで「白ゲージ武器」の考察のため、紫ゲージの武器については別の機会に述べる。
以上の考察は、あくまで複数回攻撃したときの物理ダメージの期待値の話である。一撃が重い大剣やハンマーでモンスターの怯みを計算しながら戦っている場合、確率で発生する会心攻撃を戦術に組み込むのは難しい。また、期待値のブレも大きくなる。
MHP2G で導入されたスキル「抜刀術」を発動させると、抜刀攻撃が必ず会心攻撃になる。抜刀攻撃率が高い大剣では、いわゆる会心率というものがほとんど意味を成さなくなるので、「見切り」の価値が相対的に低くなる。
会心攻撃は物理ダメージにのみ適用される。属性ダメージが大きなウェイトを占めてくる片手剣や双剣では、属性ダメージを考慮した武器選択やスキル構成が重要になってくるだろう。
一口にゲージといっても、その長さには様々なタイプがある。武器種と攻撃回数によっては、砥石に割く時間も大きく異なってくる。斬れ味ゲージや会心率は戦闘の重要な要素だが、狩りの準備はあくまで総合的な観点から行われるべきである。
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