- Diary 2002/07

2002/07/30/Tue.

オーバーレイをしたが結果が……。

2002/07/29/Mon.

土曜出勤とかいいながら結局せず。意志弱し。ところで懸案の相手方のタンパク質だが、pET ベクターに挿入されていたものを今日ようやく発現させパゲ。2枚やって 1枚を相手方、1枚を研究しているタンパク質の抗体で検出の予定だったが、いざアプライする段階で、ゲル板のスペーサーをはずす前にクリップをはずしてしまい、ゲル板1枚が無駄になる。仕方がないので1枚だけブロットしてポンソーで染色。おっ、相手方っぽいのが見えるぞ。今までは抗体で検出しても怪しいものだったが。それにしても前半でゲル板 1枚を無駄にしたのが痛い。研究しているタンパク質も見たいが相手方のタンパク質も見たい。よっしゃ、二つの抗体を混ぜてポリクロでやってみっか!

で、結果は上々。なぜか研究しているタンパク質の反応は薄かったが、その代わり相手方はごっぽり。こりゃあ、オーバーレイにも期待が持てますな。なんて夢見る午前 5時。

2002/07/26/Fri.

この前の抗体の精製がどうも怪しかったので精製し直してウェスタンで検出。どうやら非特異タンパクは減ったようだが、いかんせん相手方のタンパク質発現量が少なく、おまけに相手方があると思われる付近に集中して非特異的なバンドがいっぱい。結局どこにあるのかわからない。くそー、研究しているタンパク質は発現も抗体反応もいいだけに納得できん。まあ、オーバーレイさえ成功すれば、研究しているタンパク質のところで相手方のタンパク質が反応するので、非特異バンドは問題にならんが。とりあえず明日の土曜も出勤決定。

2002/07/23/Tue.

ようやく揃ったベクターからタンパク質を発現させたが、また変なとこにバンドが出るサンプルが。しかも前と同じデザインのサンプル。何で? せっかく作り直したのに。ま、いざとなったら、このサンプルはぶっこ抜きでなかったことに。そういや、アンピシリン耐性の大腸菌を間違えてカナマイシン培地にまいたら生えていなかった。カナマイシン、本当にコロニー選択してたのね。

2002/07/22/Mon.

明日からまたパゲとかをやらなければならないので、今日はいろいろ大腸菌を作ったり増やしたり。作業としては簡単だし、K、S 両先生が出張ということで人もいないので、なんだかのんびりした感じ。

2002/07/20/Sat.

結局パワーポイントの作成が午前 2時半までかかってしまい、誕生日を研究内容のモデル図と共に迎える。3時間ほど寝てから発表練習。K先生に「努力の跡は見られる」とコメントされ、まあとりあえずは報われたか。シーケンスは成功。もう恐らく大丈夫やな。で、ベクター全種類完成。うれしー、マジで。眠気もふっとんだところでパワーポイントの手直しをする俺って働き者。

2002/07/19/Fri.

先日失敗に終わったシーケンスに再トライ。その後はひたすら学会発表用のパワーポイント作成。師匠 Dr. T のファイルを借用しつつ、いつか俺もこんな結果を出せるのかと自問する。あ〜、明日でベクター作成終了としたいものですな。

2002/07/17/Wed.

久しぶりに学校に来たら K先生から謎のメールが。あれは……?

2002/07/13/Sat.

プログレスレポートが終わった後、さ〜て、今日のシーケンスの結果は? とサザエさんのごとくシーケンサーの Mac のモニターの電源を付けると、そこには見慣れぬダイアログが。嫌な予感が、と思う間もなく俺の目に飛び込む「Error」の文字。あれえ? と、シーケンスが失敗に終わったらしいことを確信しながらも、とりあえず不思議がってゲルファイルを開いてみるものの、やはり同じダイアログが。B氏にも見てもらったが、どうやらアプリのエラーのようだ。詳しく調べると、通常、十数MBあるはずのゲルファイルがわずか 288 KB しかない。どうもネットワークがつなぎっぱなしになっていたみたいで、他の研究室が同じアプリを立ち上げたため、ID がかぶってエラーしたようだ。

教訓:「シーケンスするときはネットワークの切断を確認」

2002/07/12/Fri.

シーケンス結果を見ると、おお、ちゃんと読めてるではないか。これまで、サンプルごとに相当のばらつきがあったが(ひどいやつはまったく読めてない)今回は一様に読めている。まあ、それでも一部怪しいサンプルもあったが、これまでと比べれば格段の進歩。その点、B氏のサンプルは完璧。さすがですな。

さて、これで変異が入っているかのチェックが終わったので、さらに上流を読み、余分な変異が入っていないかを確認。2連続シーケンスだ。てなわけで今日もゲル板を作ったのだが、最後にコームを差し込むときに、固くてなかなか入らず、エイヤ!と入れたところ、圧迫された衝撃か、アクリルアミド(神経毒)が飛び散り、顔中にアクリルアミド(神経毒)の飛沫が。急いで顔を洗い、アクリルアミド(神経毒)を流す。眼鏡をかけていたから目に入らなかったのが不幸中の幸いやなあ、と思って眼鏡を見ると、レンズの上で凝固しつつあるアクリルアミド(神経毒)の姿が。

2002/07/11/Thu.

B氏と共にシーケンスを実行。うまく読めてたらいいのだが。

2002/07/10/Wed.

ベクターにフラグメントが入っているかどうかを確かめるために制限酵素で切るわけだが、微量のDNAのさらに一部だけを見るのだから、これまであまり明確なゲルの写真を撮れていなかった。が、今日はゲルの種類を変えてみたところ、はっきりとしたバンドが見えたので満足。

2002/07/09/Tue.

ピックし直した大腸菌もやはり増えていない。仕方なくトランスフォーメーションし直したプレートに生えてきたコロニーをカルチャー。無事に増える。どうなるかなあ、とかなり弱気になりつつプラスミドを抽出。

(と、ここまでの文章を、取ってきたプラスミドを泳動しているうちに書いた。正直また失敗するのではないかと不安だ)

さて、泳動したゲルの写真を撮る。写真撮影時刻は午前 2時。頑張った、俺。しかし頑張りと結果は関係ない。ああん、と変に悶えつつ恐る恐るモニターを見ると……、おお、ちゃんと取れているではないか!

ププププラスミドゲーーーーーーット!!

いや、ぬか喜びしてはいけない。明日、ちゃんと制限酵素で切って、それで断片が入っていることを確認できたら、いや、その後でシーケンスもあるんやなあ、それに発現するかどうかも別(事実、シーケンスで確認したはずのサンプル一つが変な発現をした)やし、と先のことを考えると軽くへこんだ。今日はビールでも飲んで、祝えるうちに祝っとこう。

2002/07/08/Mon.

試験管の大腸菌増えてないし! それにしても30本の全部が全部増えてないっておかしい。なぜだ。とりあえずもう 1回ピックし直し。放置プレイが悪かったのかもしれないので、保険のためにトランスフォーメーションもし直し。なにが悪いの? 培地? プレート? それとも俺?

2002/07/07/Sun.

深夜1時に来てみると、ヒゲマン氏とB氏がいた。なにやってんだか。プレートを見ると、コロニーいっぱいゲット。フラグメントの濃度は上がっているはずなので当然と言えば当然か。問題なのは、コロニーの大きさがまちまちなこと。なんか怪しいなあ、と思いつつ、明日の必勝を祈願しながら試験管にブチこんで帰宅。

2002/07/06/Sat.

学会発表の演習の後、精製したフラグメントをトランスフォーメーション。果たして、今度こそ無事にプラスミドをとれるのだろうか。とりあえず個人的な予定でプレートを室温で放置プレイ。

2002/07/05/Fri.

またベクター縮んでるし。もうイヤ!と、ヒステリーを起こしそうなところをグッとこらえる漢(をのこ)T、もうすぐ 22歳。それにしても何でベクター縮むねん!? 変なところで切れてんのか? 俺の方が切れそうだが。仕方なくフラグメントを精製する。

2002/07/04/Thu.

さらにフラグメントを取り直してライゲーションもやり直し。昼前にトランスフォーメーションしたところ、夜中にコロニーゲット! 嬉しいことだが、まだまだ安心はできない。一昨日のぬか喜びはもうごめんや。ベクターは縮むことなく、断片はきちんと入っているのか。答えは明日に。

そういやヒゲマン氏のベクターはできてた。俺のもできてたらええんやけど。

2002/07/03/Wed.

そういえば、ヒゲマン氏のベクターも変なところで切れてた。

2002/07/02/Tue.

一発生えコロニー(まだ言うか)を培養してプラスミドを抽出。が、大きさバラバラ。縮んでるし。全部混ぜてオリジナルラダーでも作ったろか! (B氏に問い合わせたところ、よくあることらしい)

もうね、分かってたんですわ。ライゲーションが一発で成功するなんかおかしいって。いやね、薄々とこんな結果になるんではないかと。でもさ、そろそろ許してもらえまへんか。唯一の慰めは、3サンプルのうち、一つは普通にできていたこと。残るベクターはあと 2種類。負けんぞ!!