- 『男の肖像』塩野七生

2004/08/30/Mon.『男の肖像』塩野七生

歴史に名を残した男達の評伝集。取り上げられるのは、

の 14人。

凡夫の肖像

塩野七生が男について書いたエッセイは面白くて、俺も今までに『男たちへ』『再び男たちへ』を読んでいる。塩野七生は、これは歴史を書く人なら誰でもそうなんだろうけれど、深いところで歴史上の人物達への感情移入しており、「この男はセクシー」とか「こいつはダメだろ」みたいなことを書くので、かなり面白い。たまに矛先がこっちを向いたりして、凡夫にとっては身の縮む思いもするけれど。

本書では、塩野が得意とするローマ、イタリアの男達に加え、日本の男達も語られている点が興味深い。そのチョイスの仕方からしてユニークだ。特に面白かったのが、北条時宗と千利休。あと、これは日本人ではないが、毛沢東。毛沢東については、こういう切り口で取り上げられるだけでも珍しい。