代謝 (metabolism) とは、生体が生命活動を行うのに必要な自由エネルギーを取り入れ、利用する全過程をいう。光合成生物 (phototroph; 植物および光合成細菌 [photosynthetic bacteria]) は太陽エネルギーを利用して光合成 (photosynthesis) を行う。
n CO2 + n H2O → (CH2O)n + n O2
化学合成生物 (chemotroph) は、有機化合物(光合成生物が合成した糖、脂質、タンパク質)を分解して自由エネルギーを得る。
代謝経路 (metabolic pathway) とは、特定の生成物に至る一連の酵素反応系をいう。各反応の基質 (substrate)、中間体 (intermediate)、生成物 (product) を合わせて代謝物質 (metabolite) という。代謝経路には、分解 (異化経路; catabolism) と合成 (同化経路; anabolism) がある。異化経路では、複雑な代謝物質を単純な生成物に分解する。このとき得られる自由エネルギーは、ATP 合成と、NADP+ の還元に使われる。同化経路はこの逆で、ATP と NADPH を利用して生合成を行う。
ADP + HPO42- ↔ ATP + H2O
NADP+ ↔ NADPH
→: 異化、←: 同化。
代謝経路には次のような特徴がある。
代謝反応は次のように分類される。