- Game Review 2016/04

2016/04/29/Fri.

将棋の駒のうち、飛車と角を大駒といい、玉を除く他の駒を小駒という。大駒は、最大可動域が他の駒の二倍以上の駒として定義できる。各駒の最大可動域と、初期配置における可動域は表の通りである。

駒の初期配置
△後手







▲先手







可動域
最大初期位置
8 3
16 6
16 0
6 3
5 2
2 0
8 1
1 1

初期配置において、駒の可動域の合計を最も増やす一手は、角道を開ける▲7六歩(角の可動域 +5、左桂の可動域 +1)である。この一手は、可動域の総数を最大化させるだけではなく、初期可動域が 0 である角と左桂に移動先を与えるという意味でも価値が大きい。

「将棋の勝利条件は、自玉が詰む前に相手玉を詰ますことである」と書いた。「詰む」とは、ある駒が当たっている(次の相手番で駒が取られる)状況において、その駒の可動域が 0 である、あるいは可動域に移動しても駒が当たる状態、と定義できる。

この定義は完全ではない(玉ではない自分の駒が詰んでいる状態を、相手玉に王手をかけることで解除できる可能性がある)が、可動域が多いほど好ましいように思える。しかし、可動域の最大化は「駒の連結」と相反する行為であり、闇雲に最大化を指向すれば良いというわけでもない。