- 『ペルソナ 4』: First Impression

2008/08/04/Mon.『ペルソナ 4』: First Impression

PS2 最後の大作といわれる『ペルソナ 4』(P4) だが、大変面白いと評判だったので買ってきた。俺、P2 はプレイしたんだけど、名作の誉れが高い P3 は遊んでないんだよなあ。などと思いながら起動。10時間ほどプレイしたが、確かに面白い。

グラフィック

3D の表現は次世代機に慣れてしまった今となっては少し物足りない気もするけれど、緻密に作り込まれているのがよく伝わってきて好感が持てる。そして何より 2D 表現が素晴らしい。会話時の立ち絵や、一枚絵もそうなんだけど、特にインターフェイス部分。操作に対する反応と相まって、とてもポップでオシャレな印象が強い (これはインターフェイスに限らず P4 全体を支配するイメージでもある)。

何十時間もプレイするゲームでは、インターフェイスの洗練度が重要だよね。しょせんゲームなんて作業なのだが、その中毒性を大きく左右するのがこの部分である。その点、P4 は素晴らしい。

イベント・シーンは 2D のアニメと、3D の実機ムービー (いわゆるスクリプト) との 2種類がある。好き嫌いが別れる部分もあるだろうが、概ねよくできている。

音楽

そして音楽が良い。フィールド、バトルともに instruments じゃなくて歌なんだけど、歌詞が英語なので BGM として素直に耳に入ってくる。じっくり聞きたいときはプレイを中断すれば良いし。RPG では気軽にコントローラを置いて休憩できるので、ゆっくり楽しむことができる。

サウンド・モードがなかったのは残念だけど、クリアすれば出てくるのかな。あるいはサントラを買っても良い。それほどのでき。

プロローグまではフル・ボイスだったが、自由に動けるようになってからは一々喋らなくなる。とはいってもイベントではしっかり喋るので、ゲーム進行のテンポを考えると妥当で普通の選択だろう。

バトル

いわゆるダンジョンはランダム生成で、それほど複雑ではなく、むしろ単調。シンボル・エンカウント方式で、普段のウザさは少ないが、レベル上げをしようとすると少し困る。

主人公達はペルソナ (Persona) と呼ばれる、自分が持つ人格を具現化した能力 (「ジョジョ」のスタンドを思い起こせば良い) で戦うのだが、ペルソナの行使には SP の消費が伴う。基本的にダンジョン内で HP や SP を回復する手段はないので、SP が切れたら探索を諦めて帰還する。どこまで進み、どこで撤退するか。このあたりの判断は MP が非常に限られている Wiz のそれに通じるものがある。不自由といえば不自由だが、オッサン・ゲーマーにはそれが良い。

雑魚とのバトルはパズル性が高い。力でゴリ押しするのではなく、敵の弱点をついてダウン → 総攻撃でフルボッコ → オーバーキル、という流れが基本。1ターンか 2ターンで終わる。テンポが良い。

シナリオ、システム

田舎町に転向してきた主人公。時期を同じくして起こる、不可解な連続殺人事件。町の人間が失踪し、霧の日に殺される。したがって主人公達は、霧が出る前に失踪者を探し出して救出しなければならない。その過程で徐々に事件の謎に迫って行く。

行動は 1日を基本とする時間制で、RPG というよりは AVG に近い。また「霧の日までにイベントを進めないといけない」という制約があるので、無限に時間を費やしてステータスを上げる (あるいはその時点における最強装備を必ず整える)、というある種のマニアにはいささか不親切なシステムである。昨今のゲームはシナリオ第一主義的なところがあるので、やり込みマニアの方は 2週目にどうぞ、という形が多い。

主人公達のステータスは戦闘によるレベル・アップだけで上昇するものではない。町の様々な「コミュニティ」に参加して、各種パラメータを上げる必要がある。このあたりは、面倒臭いと感じる人がいるかもしれない。選択肢を決定しなければならない会話もかなり多く、「ベストな選択をしなければ気が済まない」という、俺の世代によく見られる完璧プレイ強迫症の人間には辛いものがある。あまり気にせず、シナリオを楽しんだ方が良いと見切って、俺は自由にプレイしているが、ちょっと気持ち悪さも残る。やっぱり 2週目……。

主人公はこの町で 1年間を過ごすわけだが、10時間ほどプレイして、ようやく 4月 (最初の月) の終わりまでやってきた。プロローグなどをさっ引くと、1年間でざっと 100時間になる (実際のクリア時間もこれくらいになるらしい)。かなりボリュームがある。途中でダレなければ良いがなあ、とそれだけが心配。