- 『魔界戦記ディスガイア 3』: First Impression

2008/02/10/Sun.『魔界戦記ディスガイア 3』: First Impression

何だよコレ、スゲー面白いじゃねえか。PS2 や PSP で出たときにスルーした俺に見る目がなかったわ。

どうも俺は、ゲームでアニメ調の絵っていうのにアレルギーがあったのだが、これは日本人が洋ゲーに何となく違和感を覚えるのと同じで、慣れで克服できる程度の問題だったんだなあ。

オッサンのためのゲームだと思った

舞台は魔界の魔立邪悪学園。主人公は学園の理事長である魔王の息子・マオ。ここでは邪悪な行為をする生屠 (せいと) が「優等生」であり、善良な悪魔は「不良」となる。で、マオは邪悪指数 180万の超優等生で、彼の幼なじみであるラズベリルは不良を目指している。マオは、自分が 400万時間もヤリ込んだゲームを父親の魔王に消されたのが原因で、魔王を倒そうと決意する。そのためには勇者の力が必要だ。しかし勇者になるということは、つまり不良になるということであって……。

うわー何だこの昔懐かしいテイストの設定は。でもコレ、確信犯なんだよね。

『ソードマスターヤマト』をパロった漫画 (パロディの 2乗だな) をマオが読んでいたり、「凶師 (きょうし)」「保嫌室 (ほけんしつ)」といった用語、至る箇所で出てくる往年のアニメやゲームの小ネタ、使い古されたメタな展開 (「何でこうなっているんだ?」「ゲームですから」みたいな)、何年前のゲームだと思いたくなる陳腐な演出——、これらが本気で作られている。

ステージは PS1 レベルの 3D だし、そこを動くキャラクターは 3D 風のドット絵 (!) で、正直、どこに PS3 のパワーが必要なのかわからないが、ひょっとしたら膨大な音声ファイルを収めるために Blu-ray ディスクの容量が要求されただけなのかもしれない。出力は 1080p なので、シナリオやイベントのセル絵はスゴく滑らかだが、これは PS3 というか、ほとんどテレビの能力だからなあ。

で、こういうノリを本気で楽しめるのって、オッサンだと思うんだよね。「懐かしい」「アイタタタ」を通り越して、もう一度純粋に面白いと思える感覚に到達する過程というか。まァ、「オッサンの俺にはわかる!」っていう主張は好きではないので、もう止めるが。

とにかく俺は楽しんでいるというのが書きたかった。もちろん若い人にも面白いと思うよ。書き忘れていたが、音楽も良い。初回限定版がまだ店頭に残っていたので、そちらを買っておけば良かったかなあ、と少し後悔。

ターン制の升目型 SLG

肝心のゲーム部分は、ターン制の升目型 SLG (シミュレーション・ゲーム)。Hex ではなく方眼。味方ユニットとの連携やコンボ、各ユニットの特性やパラメータ、マップが持つ環境効果などは、SLG でお馴染のものばかり。升目型 SLG は既に完成された分野だから、別にけなしているわけではない。『ディスガイア 3』の特徴は、ジオ・ブロックという、ぷよぷよに似た落ちゲーの要素がマップに組み込まれている点か。なかなか面白い。

バランスは少しマゾい。とにかく金が足りなくて装備が整えられない。既にクリアしたマップは何度でも繰り返せるので、いわゆるレベル・アップや金稼ぎが前提となっていると思われる。マップに出撃できるユニットは撃破されてもロストすることはなく、このあたりは易しい。

マップには 10体のユニットが出撃できるのだが、俺は予備ユニットも作らずに、ずっと初期の 6体でやっている。だからマゾいと思うのかな。こういうゲームって、途中で必ず、ユニーク・キャラクターの強力ユニットが仲間になると決まっている。だから汎用ユニットを新たに作って育てる気が起きないんだよなあ (ユニーク・ユニットが参加すると以後使わなくなるため無駄になる)。

俺がいいたいのは、早くラズベリル (とその配下) を使わせろ、ということだ。説明書に「全8話」と書いてあるが、もう第4話だぜ。

400万時間まで、あと 399万 9987時間——。