- ささやかな自由

2011/11/06/Sun.ささやかな自由

自由に考えることは難しい。

上記とは全く無関係なようだが——、様々な店がポイントカードを発行している。ポイントを溜めると客に利益がある。とはいえ、日本は一応の資本主義社会なので、客だけが得をする仕組みなどあり得ない。店側にも何かしらの利益が見込める構造になっている。

店と客の双方が得をするのだから、結構なことではある。ただ、両者に利益が生じるのは、カードを持っている客が、発行した店を利用した場合に限られる。逆にいうなら、財布の中にカードが入っているだけで、そのような偏向が常にあなたに掛かっているともいえる。「ポイントが付くからあの店に行こうかな」というのは、あなたの考えのようであって、そうではない。

幾ばくかのポイントと、ささやかな自由のどちらが大事かは、人によって異なるだろう。けれども、何かを本気で考えたいのなら——、財布の中のカードを全て破り捨てるくらいのことはできるはずである。

真面目な方のために断っておくと、ポイントカード云々はあくまで冗談である。ここで言いたいのは、常識や価値観といったものは、財布の中のポイントカード以上に身に付いてしまっている、ということである。