- 定義ゲーム

2011/06/22/Wed.定義ゲーム

言葉の定義は、物事を理解するための最も重要で基礎的な作業である。思考は言語を基盤として展開されるから、当然ではある。

私の仕事の関係では、例えば「生命」「生物」「病気」といった単語はよく定義されていない。一体これらの言葉が何を指しているのか、わかっているようで実はわかっていない。だからこそ研究する意味があるともいえる。

ある思考がその人にとってのみ有効(個人的な思索など)であるなら、言葉の定義は恣意的なものでも構わない。己の思惟を前進させるための自分言語である。詩的表現はその典型だが、これは何も特別なものではない。極端にいえば、意識的・無意識的に関わらず、全ての人が自分言語を有し、操っている。日本人の数だけ日本語があるといっても良い。大抵の場合、これらの多くは互いに重なり合っているので、特に問題なく意思を伝達することができる。あるいはそう錯覚している。

定義ゲームは私にとっての日常的な娯楽である。思いもかけない簡単な単語の定義が意外と困難であったりする事実を発見するのが楽しい。