- Diary 2010/01

2010/01/20/Wed.

唇の左端が切れている T です。こんばんは。

治ったかなあと思う頃には再び飯の時間になっている。食事をするために仕方なく口を開くのだが、そのたびに治りかけていた傷口がミリミリと開いてしまうので腹立たしい。地味に痛いし、飯も不味くなる。

大橋のぞみちゃんは、これからずっと「ポニョの人」と呼ばれ続けて生きていくんだろうなあと思い、勝手に哀しくなった。

今年のセンター試験はもう済んだらしい。得点格差 (歴史 vs 地理など) が云々と話されておる。俺にいわせれば得点格差をなくすのは簡単で、全て偏差値で集計すればよろしい。そもそも、そのために偏差値が導入されたのではなかったのか。偏差値教育という割に、センター試験の結果はテストの原点数で評価されている。意図不明な制度である。

ビジネス・マナーとやらの思想的原点は、「俺は好きで仕事をやっているわけじゃないんだよね。アンタもだろ?」という感情にあるのではないか。だから、研究者がマナーを知らないというのはある意味で当然であるし、むしろ在るべき正しい姿ではないかとすら思う。もっとも、どちらが良いとか悪いとかいう話ではない。

研究員君の論文が accept されたという。おめでとう。

どうも論文の最終的な pulication year には波が出るようである。2008 年は 1st で 1 本と coauthor で 4 本だったが、2009 年は 1st の 1 本のみだった。2010 年は既に 1st で 1 本と coauthor で 2 本となった。業績リストでは、何月に accept されて publish されたのかまではわかりにくい。そこで「業績のある年/ない年」という漠然とした印象が亡霊のように現れてくる。これはよろしくない。一番困るのは「過去〜年間の論文を記載せよ」というやつで、publication の数ヶ月のズレが業績の数を変えてしまう。これもまことによろしくない。今では一々腹を立てることもなくなったが、死ねば良いのにとしみじみ思う。

2010/01/18/Mon.

ホームズよりルパンが好きな T です。こんばんは。

読書日記

年末年始に読破した本は以下の通り。

ルパン

ポプラ社から南洋一郎先生の「怪盗ルパン全集」が文庫化されていたので、『奇巌城』『怪盗紳士』『8・1・3の謎』『古塔の地下牢』を購入。このシリーズは我が読書人生の原体験である。幻滅したくないので、今から読み返すことはないだろうが、大事に保存するつもりだ。

「原作 ルブラン 南洋一郎 文」という表記からもわかる通り、このシリーズは南先生による翻案ものであり、モーリス・ルブランの翻訳ではない。したがってリンク先の記述は俺の勘違いであり、ここに訂正しておく。

南先生による「ルパン」の印象は強烈であり、……今この瞬間に気付いて愕然としているのだが……、俺はルブランの作品を全く読んでいない……。

同じポプラ社から出ていた「名探偵ホームズ」については、後に新潮文庫で延原謙によるコナン・ドイルの翻訳を読んだ。「少年探偵」シリーズの乱歩も、創元推理文庫の全集でいわゆる「大人の乱歩」を楽しんだ。しかしルブランに限っては原作を読んでいないのである。何てことだ。「読んだ」と思ったまま生きていたのだ。何故こんな思い込みをしていたのか。うおお。俺のルパン人生は何だったのか。あれだけ好きだったルパン、尊敬していたルパン、憧れていたルパン、なりたいとすら思ったルパン! しかし俺が知っているのはパチモンだけなのだ。

今からでも翻訳を読むべきなのか。いや、でもなあ。今さら俺のルパンを (原作によって!) 破壊されたくないしなあ。ああ、イヤなことに気付いちまったなあ。

2010/01/05/Tue.

散髪に行きたい T です。こんばんは。

研究日記

昨夜のセミナーで発表後、ボス、S 科 K 先生、ボスの長男君と居酒屋へ。2011 年 4 月からの仕事をどうするかについて少し相談する。企業と学界の両方で職を探しながら最終的な進路を考えるのが良いのではないか、というあたりに落ち着いた。

これは、より正確にいうなら、最終決定を先延ばしにするためには企業への就職活動を躊躇する暇が最早ない、ということでもある。今日は早速、M という製薬会社に履歴書を送ってみた。年末から少しずつリストアップしていた会社の一つである。どういう結果になるのか、全く予想が付かぬ。研究費の採択具合の方が、まだ想像ができる。

多くの会社にコンタクトするつもりはないが、しばらくは就職活動をするつもりである。若い頃を思い出して、これはこれで楽しい。

2010/01/03/Sun.

正月はダラダラと過ごした T です。明けましておめでとうございます。

読書日記

年末年始に読んだ本を掲げて書評に代える。という横着な手法を一度開発してしまうと、それに甘んじてしまうので困る。といっても本当に困っているわけではないし、誰かに迷惑がかかっているわけでもない。

『妻を〜』は、脳神経疾患の非常に興味深い症例集。その奇妙な症状は、まさに想像を絶する。『ベッドから落ちた男』などは、そこらのホラーが裸足で逃げ出すような恐怖譚ですらある。

『日本海海戦の深層』は、日露戦争における日本海海戦を純軍事的に分析した一冊。艦船能力の解説を元にした艦隊決戦の叙述が主だが、機雷戦術の記述なども興味深い。司馬遼太郎『坂の上の雲』に対する批判的な主張も多い。

『華族誕生』は、豊富な資料を元にした華族制度入門の書として至適の一冊。華族に関する研究はあまりないようだが、それは「かれらが『衆庶の嘱目』に十全に応え、『貴重の地位』にあるだけの働きをしたとはとてもいえない」からであり、「ノブレス・オブリージュ——高貴なものの義務をかれらは果たせなかった」(「おわりに」) からでもある。華族制度自体はなかなか興味深いものだが、華族自体には特に見るべきものがない。皮肉なことに、本書の充実したデータがそのことを示している。

『甘粕大尉』は甘粕正彦の評伝である。不勉強なことだが、大杉栄殺害事件に微妙な絢があることを本書で初めて知った。甘粕は東条英機に似ているなあという印象を受けたのだが、果たして両者は、互いに認め合う親しい仲であったらしい。本書によって、俺の中で甘粕正彦という人物のイメージに血肉を通わせることができた。

Web 日記

Google Reader のフィードを整理した。情報摂取量の制御は近年の課題だが、やはりもっと質を上げていかねばならぬ。情報発信も同じことで、つまらないことはなるべく書くまい。難題ではあるが、努力は必要だろう。