『レッドクリフ Part I』(ジョン・ウー監督) を観てきた T です。こんばんは。
『Part I』の続編である。『三国志』を知らない欧米人は、孔明が天才軍師と謳われる理由が (この映画からは) わからないに違いない。
本作において、ローマ帝国と同時期に、同程度以上の文明がアジアに存在した事実が視覚的に表現された。意義のあることだと思う。中国文明は三国時代以降、20 世紀に至るまで低迷し続けるわけだが、これもまた欧米人には不可解であるに違いない。儒教文明は、日本の天皇制同様に難解である。
欧州も暗黒の中世時代を経験した。それを打ち破ったのがルネサンスである。色んな運動があったはずだが、最終的に、キリスト教は破壊も決別もされなかった。興味深い。日本にもルネサンスがあり、武家政権の誕生がそれにあたると俺は考えている。古代において天皇家は有力な豪族の一つであったに過ぎない——という説を採るなら、「幕府」という在り方は実に復興的に思える。武家政権もまた天皇制を捨てはしなかった。