- 大学院のコース・ミーティング

2009/01/10/Sat.大学院のコース・ミーティング

この三月で博士課程を折り返す T です。こんばんは。

研究日記

昨日、今日と、大学院の合宿に参加してきた。

大学院、特に博士課程の単位制度というのは形骸化していて、真面目に講義が開かれている例は少ないと思う。医学研究科は教員も学生もほとんどが医者であり、みな忙しいから尚更である。それではイカンということで、四年ほど前からコース・ミーティング (CM) なるものが催されている。これがなかなか面白い。

普通、大学の研究室(講座)は縦割りになっている。医学部の臨床系なら、神経科・眼科・皮膚科……という具合である。一方、CM は横断的に展開されていて、「再生」「癌」などと銘打たれている。そして例えば「再生」なら、神経科からは神経の再生をしたい人間が参加し、眼科からは網膜の再生を目指す者が来る。このヘテロな集まりは広く開放されており、研究科の学生や教員はもちろんのこと、他学部からの聴講も可能である。CM は週に一回から月に一回ほどの頻度で開かれ、学生が発表したり、高名な先生を呼んできて講演を聴いたりする。CM に真面目に参加すると、博士課程の単位(必修)が得られる。

複数の CM に所属することも可能である。例えば幹細胞というのは一種の癌細胞でもあるから、「再生」と「癌」の 二つの CM に参加することで知見を広める——というようなことができる。

CM では年に一〜二回、泊まりがけの合宿が開催される。今回、私が所属する CM の合宿は郊外のホテルで行われた。

一日目。研究室の紹介と簡単な自己紹介。その後、三つのグループに別れて学生のポスター発表(俺も発表した)。夕食後、理研の YS 先生による特別講演。オーガナイザーの TN 先生と YS 先生との座談会。風呂に入って懇親会。

二日目。朝食後、ポスター発表の続き。サブオーガナイザーの SY 先生の特別講演。昼食後、循環器の IK 先生の特別講演。そして、JY 先生と MY 先生による「私が研究者になった経緯」的な講演。

バスに乗って大学に帰還。そのまま病院に直行して、予定していた実験を行う。色々と発表や講演を聴いた後なのでヤル気が湧いてくる。CM 最大の利点は、他の研究室から受ける刺激であろう。貴重なものだと思う。