- 今週のあれこれ

2008/11/21/Fri.今週のあれこれ

今週は何かと慌ただしかった T です。こんばんは。

月曜日。国際学会が終わり、1週間ぶりに職場へ。先月末に投稿した論文の査読結果は、major revision が必要、ということであった。年内はこれを頑張ろう。

木曜日。夜にホテルで、製薬会社共催の勉強会。会の世話人には、M先生や大学院の講師 S先生の名前が入っている。特別講演は chromatin remodeling の話。古典的なレベルでいうと、遺伝子の発現は転写因子によって制御されている。転写因子は DNA の塩基配列を認識することで、特定の DNA 領域に結合する (= 特定の遺伝子が発現する)。しかしゲノム DNA (chromatin) は通常「閉じて」おり、転写因子が結合することはできない。そこで、転写因子のために chromatin を開閉するのが chromatin remodeling factor である。じゃあ?と疑問は続くわけだが、remodeling factor はどのような機構でゲノム領域を特定するのだろう? 塩基配列? それとも chromatin の構造? あるいは転写因子が DNA を認識し、これに recruit される形で remodeling factor がやってくる、ということも考えられる。

で——、講演を聴きながらボンヤリと脇道に逸れたことを考えたのだが、in vitro で chromatin を再現することはできないのだろうか。とはいえ、一口に chromatin といっても、そこには複数の階層構造がある。Histone と DNA の複合体というだけであればそれほど難しくはないのだろうが、それらが複雑に修飾され、高次の立体構造を取っている様を再現しようとなると、いささか厳しいかと思われる。仮にそんなものができたとして、何に使うのか。リアルな in vitro 転写系が構築できるわけで、これはまァ、色々と応用できそうな気がする。

金曜日。In revision のものとはまた別の論文についてボスとディスカッション。夜はボス、テクニシャン嬢、研究員嬢と呑みに行く。眠い。