- 鹿ノ谷の陰謀

2008/07/20/Sun.鹿ノ谷の陰謀

28歳になった T です。こんばんは。

先日の Game Review で「角をヘシ折り」と書いたときに引っかかったのだが、「へし」とは何か。辞書によると「圧 (へ) し」であるらしい。擬音で書くなら「メキメキ……ッ」といったところか。調べてみるものだ。

全く関係ないが、『平家物語』のいわゆる「鹿ノ谷の陰謀」の場面で、大納言が瓶子 (へいし) を倒すシーンがある。これを見た後白河法皇は、「平氏が倒れた」といって小躍りし、調子に乗った西光が瓶子の首を折る。しかし御承知のように、鹿ノ谷の陰謀は平家方に筒抜けであり、参画者は縛に捕らわれる。皮肉なことに、西光は自信の首が刎ねられてしまった。

後世の歴史を知る我々は、無意識に「源氏史観」で物事を見てしまう。鹿ノ谷の陰謀は失敗したけれど、それは以仁王の令旨につながり、最終的には頼朝の挙兵に至る——という具合に解釈してしまいがちだ。もちろんそうなのだが、俺はもう少し違う印象を持っている。

まずは「瓶子 (平氏) が倒れた」だけでテンションが上がる公家の幼児性が目に付く。言葉遊びに現を抜かして当時の日本社会をダメにしたのは彼らなのだが、その自覚もないし、まさにそれゆえに平氏・源氏という武家が台頭してきたのだということも、もちろん理解していない。

鹿ノ谷の陰謀の失敗は、平家の凋落の前奏曲ではなく、歴史の表舞台から姿を消す公家達への葬送曲なんだよね。実際、頼朝が武家政権を確立してから、公家が再び実権を握ることはなかった。

そもそも、法皇までが参加している計画が「陰謀」っていうのもどうなの。後に「承久の乱」というのも起こるが、これも「乱」か「変」かで随分と話がややこしい (征夷大将軍を任命している天皇家が「反乱」というのは原理的におかしい)。……などと、建前という名の「言葉遊び」は日本史を貫く問題でもある。実態と記述が乖離してしまいがちなので、右から左まで、奇妙な事柄には枚挙に暇がない。面白いんだけどね。

運動日記

スポーツ・ジム 24回目。

走り出してから 2 km くらいで脇腹が痛くなり、今日は 3 km でリタイア。原因不明。体脂肪率は食後の測定。