- 望みを口にしたのなら

2008/03/23/Sun.望みを口にしたのなら

やりたいことは口にするタイプの T です。こんばんは。

書くのを忘れていた。昨日の K先生退官祝賀会で、N.N.嬢が結婚の報告をしていた。おめでとう。彼女は学生の頃から、「30歳までには結婚する」と呪文のように唱えていた。来週の誕生日 (彼女は私の 2歳上だから 29歳になるはず) に入籍するというから、めでたく希望が叶ったわけである。やはり自分の望みは言葉にするべきものだなあ。

あくまで印象だが、研究をしている人は口癖のように「研究、研究」と言っているように思う。俺もそうだし、周りの多くの人も同様だ。

昨日の話を続ける。私の後輩にあたるチェリー嬢は 4月から京都で大学院生となる (研究科が私と同じだからここでも後輩ということになる) わけだが、幹細胞の研究がしたいらしく、しきりにその話をしていた。こういう人は実際に行動を起こす。彼女の話はピントがズレている部分もあったが、それは大した問題ではない。まだ学部を卒業したばかりの彼女の視野は、これから知識と経験を積むことによって広がり、焦点は精度を増すだろう。重要なのは、見たいものを見ようとする姿勢である。鶏と卵のような話だが、望むものを見たいなら、まずは望まないといけない。最初は何でも漠然としているものだ。と、私自身への戒めとして書いておく。

就職する S君も引っ越しの話をしていた。今日だけでも、新大学生、新社会人の引っ越しを何件も見かけた。私の隣にも誰かが引っ越してきた。朝から大変だよなあと思っていたら、わざわざ引っ越しの挨拶に来てくれたので驚いた。自慢じゃないが、俺は引っ越しの挨拶をしたことがない。してもらったこともない。引っ越しの挨拶をしたという友人を見たこともない。学生や単身者のアパートでは、引っ越しの挨拶など無用の気遣いとして絶滅したものとばかり思っていた。4月から大学生になるという、その女の子から貰った洗剤を見ながら、次に引っ越したときは俺も挨拶をしようかな、と考えた。

以下は余談。隣人となる女の子はなかなか可愛かったのだが、かなりの確率でこの娘は平成生まれなんだよなあ、と思うと物凄い違和感を覚えた。

ところで、私の住まうアパートは、近くの大学生しか入居を認めないことになっている。就職のために京都に来た私がこのアパートに入居できたのは、仕事が研究だったからだ。大家が妙に喜んでいたのが不思議だった。勉強や学問ができるからといって、彼 (彼女) が良い居住者かどうかはわからない。しかし近似的には、恐らく知性とマナーは比例しているのだろう。それが大家の経験知に基づく臨床的知見であるのなら、私はその判断を尊重する。図らずも、今では私も学生となってしまった。大学院を修了するまではここで暮らそうと考えている。