- The Japanese BENTOH

2008/02/26/Tue.The Japanese BENTOH

今週は休みたいと思っている T です。こんばんは。

平日の休みをいつも金曜日にしているのは、その日はボスが外来で終日不在だから。

弁当と盆栽

「弁当」に相当する英語 (の概念) はない、という話はよく聞く。もちろん日本以外にも、take-out を目的とした食品の形態は存在するが、これらと弁当を隔てているものは何だろう。

弁当には、「食卓での食事を、できるだけそのままの形で外出先においても展開する」という精神がある。幕の内はその典型である。御飯があり、バランスの良いおかずがある。(汁物を除いた) 日本食的な「フルコース」を提供しようという指向性がある (弁当に、執拗なまでに漬物が添付される事実は一考に値する)。

弁当は食卓という宇宙の封じ込めであり、駅弁に見られるように、その精神は「作品」とでも呼ぶべきステージへと昇華される。これは盆栽と同じだなあ。弁当は、食事としてではなく、盆栽の流れを含む日本的箱庭創作物の一種として捉えるべきである。

——ということを、昨日、東京へと走る新幹線の中で駅弁を食べながら考えた。

研究日記

「高カロリーの食事を摂ると体重が増えて太る」というのは、考えてみればよくわからない話である。カロリーは熱量の単位であり、体重は質量の問題であり、太った否かは体積の話である。細かくいうと、体重は質量ではなく重量であるし、「太い」という概念は立体ばかりではなく平面に対しても使う (余談になるが、「太い線」というのは不思議な表現である)。

さて、試みに「太い」を定義してみよう。意外に難しい。最初に思い付くのは、「長軸に対する短軸の比が大きい状態」である。2次元ならばこれで良いかもしれない。しかし 3次元に適用するには、鉛直方向を Z 軸と決めた上で、「ZX 平面あるいは ZY 平面上に存在する長軸に対して、XY 平面上の断面積の比が大きい状態」としなければならないだろう。何故かというと、「XY 平面上の断面積に対して、ZX 平面あるいは ZY 平面上に存在する短軸の比が大きい状態」には「厚い」という別の概念が存在するからだ。

こういう言葉の手続き (定義・定式化) の後に、具体的な数値を観測的に求めることを定量化という。そして、定量化するために実験をする (ことが多い。それだけではないけれど)。

——無論、いつもこんなことを考えながら実験しているわけではない。

今日のニコニコ動画

相変わらず面白いな。