- 知らないと恥をかく

2007/08/29/Wed.知らないと恥をかく

事務仕事に飽きてきた T です。こんばんは。

研究日記

研究費について、大学で文部科学省のヒアリング。私は末席で黙って聴いていただけだが、色々と勉強になる。これは正直な気持ちでもあり、皮肉でもある。

研究者にとって最も重要なことは、サイエンティフィックな結果が出せたかどうかであるが、役人にとって一番大切なことは、計画通りに予算が執行されたかどうかである。予算を残して研究が成功するよりも、予算を使い切って研究が失敗した方が役所的には「正しい」。あるいは科学的に誠実な報告書よりも、計画書に一対一対応した読みにくい報告書の方が喜ばれる。同じ書類を前にして、我々はサイエンスについて議論し、役人は国語について指摘する。まさに茶番。お互いに馬鹿馬鹿しく思っているんだろうな。

ここまでして書き上げた報告書が、国民一般に広く公開されるのであればまだ浮かばれようが、現実には、提出した報告書がその後どういう経過を辿るのかは誰も知らない。果てしなく無意味なんじゃないか。

脱力感に襲われつつも、こういう場に参加する機会はなかなか得られないので、貴重な経験だとも、一方では思う。とにかく何でも知っておいた方がよろしい。知らないと恥をかくし、目が曇る。批判はその後だ。

新しい仕事をボスからおおせつかる。核内受容体っていわれても、全く知らないんだけど。そう、知らないと恥をかく。勉強するか。