- 社会学としての医学

2007/07/08/Sun.社会学としての医学

白土三平『カムイ伝』を読んでいる T です。こんばんは。

これ何てマルクス? 『カムイ伝』は小さい頃に読んだ記憶があるが、今読むと全く別のものが見えてくる。詳しくは読後にレビューするが、漫画って怖いな、と思う。

書斎日記

最近は本の話題が多くて恐縮だが、しかし書棚の写真は割と好評である。確かに、他人の本棚って興味あるもんね。自分の知らない本がズラリと並んでいると感心するし、自分の好きな本が収められていれば仲間意識を覚える。皆も本棚を晒そうぜ!

で、昨日は本棚の整理をしたのだが、やっぱり本棚が足りない。床に積み上げたり 3段ボックスに押し込んでいたりしたものをキチンと収納したら、それでいっぱいになってしまった。書斎の壁面には、もう空きがない。これ以上本棚を増やすとなれば、本屋や図書館のように列をなして本棚を並べるか、あるいはもう 1つの部屋を使うしかない。どちらが良いかなあ、などと考える。本屋形式にするとすれば、本棚と本棚の間はどれくらいの隙間を取れば良いのか。今度、実際の本屋でどうなっているのか、目測しておこうか。

現実的ではないが、引っ越すという手段もないではない。書斎の広さが今の倍くらいあれば楽しいだろうなあ、と妄想する。まァ、これは将来の楽しみにしておこう。そのためにはしっかりと仕事をせねばな。

研究日記

大学 → 病院 → 大学。

別のラボの研究員氏と少しだけ雑談する機会があった。お互いに顔は見知っていたが、言葉を交わすのは初めて。というのも、私がやっているのはほとんど生物学であり、彼がやっているのは臨床的な疫学研究だからだ。接点がない。

疫学は (分野にもよるだろうが) サイエンスというよりは社会学であり統計学である。彼の仕事は「健康指導・啓蒙活動による病気の予防」らしいから、特にこの傾向が強い分野といえる。病気の治療は大切なことだが、そもそも病気にならなければ治療する必要はない。何よりも、人が苦しまず、金がかからなくて済む。

彼らのグループがある行政単位で徹底した健康指導をした結果、年間で 1人あたり 10万円の医療費を削減することに成功したという。例えば、薬で治まる程度の高血圧などは、少しの生活改善で数値が下がり、薬を飲まなくて済むようになる。3割負担で薬代が 3000円/月、つまり実際の値段が 1万円/月であれば、なるほど、年間 10万円の医療費削減というのは現実的な数字だ。

根本的な症状改善には長い時間と粘り強い取り組みが必要だと思うが、病院にかかるかかからないかという閾値レベルの人数を押し下げることに集中できれば、有意な結果が出るだろう。「被験者を集めるのが大変だ」と彼は言っていた。そうだろうなあ。

非常に勉強になった。今日も仕事に出てきて良かったよ。