- Diary 2007/02

2007/02/23/Fri.

2月が 28日までだったことにようやく気付いた T です。こんばんは。

研究日記

私も共著者になっている論文が accept されたらしい。一安心。

英文校閲に出していた私の論文が帰ってくる。訂正箇所の 8割が「the」を付けたり消したりという、本当に文法だけの校閲。ってことはアレか。The を正しく使えれば英文校閲で暮らせるということか。来週には submit する予定。こっちはこれからだな。

2007/02/21/Wed.

PS3 を買うつもりではいる T です。こんばんは。

負け組ハードに大枚をはたくのもまた一興。で、どのソフトが出たら買うかなんだけど、コーエーの『ガンダム無双』は激しくクソゲーな予感がする。ムービーを観たが、何となく脱力。やっぱり DMC4 が出るまでは待つかな。MGS4 は 2007年中に出るらしいが、ホントだろうか。『バイオハザード 5』も発売日未定。FF XIII も未定。DQ9 は DS だし。

本日は休み。掃除・洗濯・買い物をして昼寝。いくらでも眠れそうな気がする。ダラダラとしてしまった。美味いものでも食べようかと思ったが、面倒になったので止める。暖かかったので、少し散歩をした。

2007/02/20/Tue.

せっかく買ったタブレットを全く触っていない T です。こんばんは。

さすがに半日程度のまとまった時間がないと、絵が描けない。今気付いたのだが、タブレットを買った日から休んでないんだよね。明日は休日なので、ちょっと手を動かしてみよう。

YouTube Today

で、下の動画を観たら絵を描きたくなってきた。NHK-BS の番組らしいんだけど、近く DVD が出るらしい。買おうかな。

やたら「簡単でしょう?」と言っているが、絶対に難しいと思う。

ニコニコ動画に、上の番組の完全版があった。

神かコイツは。

研究日記

ボチボチと実験が前進し始めた。真面目に実験すればデータが出る、という系を作るのが難しいんだよな。

2007/02/19/Mon.

書くことがあまりない T です。こんばんは。

Web 日記

遅ればせながら Rimo を観た。マジでもうテレビいらね。

研究日記

夜はセミナー。

2007/02/18/Sun.

書くことがあまりない T です。こんばんは。

研究日記

孤独に実験。もちろん良い意味である。この感覚を忘れたらダメだよなあ、と毎週のように思う。普段の私は、実験あるいは研究以外のことで忙殺されている。「忙しい」というのは実験を中心に考えた場合の感覚であって、仕事とはそういうものだ、という考えもまた片方にある。色んな種類の仕事を知っておいて、悪いことはない。と思って自分を慰める。

2007/02/17/Sat.

ここ数年で最もマズい発表をしてしまった T です。こんばんは。

研究日記

ボス主催の講演会で発表。研究費を貰っているプロジェクトの成果普及事業だとかいう講演会で、聴衆は一般の人が多い。わかりやすく語ろうと心がけたのだが、逆に話がつかえてわかり辛くなってしまった。専門的なタームが封じられてしまったとき、我々は実に無力になる。おまけに私の研究は基礎的なものだから、華がない。「手術や投薬をしたら症状が改善したよー」と発表できる臨床の先生方が、このときばかりは羨ましくなる。私にとっては学会の方が気楽なのだ。

発表後、演者や座長の先生方との懇親会に出席。医者にあらずは私だけで、どうも尻が落ち着かない。

招待講演で来られた先生 (その世界では一流の先生) の、「『あるある大辞典』から電話取材を受けたことがある」という談話が面白かった。取材者は、初めに結論ありきの口ぶりで、「〜なんですよね」と、専門的見地からはあり得ないようなことを聞いてきたらしい。先生は「あり得ません」と否定したらしいが、なおも「可能性くらいは考えられますよね」と食い下がってきたという。強い口調で何度も否定したら、ようやく引き下がったそうだ。捏造番組の取材なんてそんなものなんだなあ、という話。

私はテレビを見ないから、程度の低い番組が捏造だったからといって、烈火のごとく怒り狂う視聴者があれだけ存在することを意外に思った。要するに、「私はあの番組を信じていました = つまりアホです」というわけで、本当にどっちもどっちである。プロレスの方が、番組も視聴者もよほど高等だ。

なんか疲れた。明日は元気に実験。

2007/02/16/Fri.

久し振りによく呑んだ T です。こんばんは。

研究日記

問題をただ漠然と捉えているだけでは、なかなか解決できない。問題の多くは、より小さな問題の集積として顕現する。問題を解決可能なタスクに分解さえできれば、解決に必要なのはヤル気と時間だけである。「問題解決能力」とは、ほとんど「問題分割能力」のことではないか。

問題を分割するには、その問題を正しく認識しなければならない。したがってまた、「問題認識能力」も重要である。我々が「この問題わかんねえ」というとき、大抵は、何が問題なのかがわかっていない。それに気付けるかどうか。

ある問題が解決できなくとも、それを「問題を解決する方法を調べる問題」に置換することはできる。これは「問題操作能力」といっても良い。問題が操作前と操作後で同値かどうかは注意するべきだろう。操作前後で問題の意味が変化してしまうと、ピントの外れたことをやるハメになる。

などなど。

明日はボス主催の講演会で 10分ほど話さねばならない。自分のスライドを作り、ボスのスライドも少し手伝う。論文は修正してボスに発送。英文校閲に出す。1週間ほどで帰ってくるらしい。その後に投稿する。

2月いっぱいで退職する大学のテクニシャン嬢の送別会。研究員嬢が予約してくれた店は、天井が高くて中二階がある、ちょっと変わった構造の居酒屋だった。中二階に心魅かれたが、今日は座敷。また個人的に来てみよう。

2007/02/15/Thu.

昼休みによく行くお好み焼き屋のオバちゃんにバレンタイン・デーのチョコを貰った T です。こんばんは。

研究日記

ボスが修正した論文を英文校閲に出すということで、細かい部分をチェックしたり、references を整えたり。

土曜日の講演会のスライドを作ったりとか、デスクワークが中心。

2007/02/14/Wed.

我々の世代でケンシロウのマネをしなかった男児はいないと思う T です。こんばんは。

ケンシロウの死生観

ケンシロウ「お前はもう、死んでいる」

『北斗の拳』を素直に読む限り、ケンシロウのこの言葉を、「お前」は完全に理解している。つまり、ケンシロウの死生観は次のようなものであると推察できる。

恐ろしや北斗神拳。

2007/02/13/Tue.

キーボードで最も汚れているのが「Y」の T です。こんばんは。

クロノス的な、あまりにクロノス的な

小説において過去への遡及がしばしば描写される。様々な手法があるけれども、代表的なものがカットバックだろうか。短い断章を挟みつつ、次第に過去へと遡っていく。筒井康隆も『虚構と現実』でこのことを技術上の問題として捉えている。

過去へと遡る断章 1つ 1つの中で、極端にいえば 1つの文章の中で、常に時間は過去から未来へと流れる。起こった事柄を時系列とは逆順に並べても、項目の 1つ 1つの中における時間の流れは必ず「過去 → 未来」なのである。筒井康隆はこれを「クロノス的」と表現する。クロノス的ではない時間表現を、我々は持たない。

この問題を考えるとき、いつも私は岡崎フラグメントを思い出す。DNA が複製されるとき、一方の鎖は 5' から 3' へ、もう片方の鎖は 3' から 5' へ伸びるように見える。しかし、DNA はいつも 5' から 3' へしか伸長しない。3' から 5' へ伸びるように見えるのは、やはり 5' から 3' へと合成された短い断片 (岡崎フラグメント) が次々とつながっていくからである。——だから何だというのだ。

こんなことを電車の座席で考えているのは私くらいだろうなあ。

Mac 日記

突然に MacBook のキーボードが全く反応しなくなった。マウスだけでヘルプを読み、あちこちをイジったが直らず。もはや残すは OS の再インストールのみか、というときになって、壊れた iMac の USB キーボードがあることに気付いた。ダメ元で接続してみたら、ちゃんと入力できる。つまりソフトの問題ではなく、あくまで MacBook と内蔵キーボードの間でのトラブルということである。

「MacBook キーボード トラブル」で検索してみたら、茂木健一郎の blog が引っかかった。コメントで示唆されていた PMU のリセットを実行したら直った。PMU リセットは OS 再インストール前の最後の手段として活躍しそうなので、ここにメモしておく。Mac OS X、特に OS X 10.2 以降は凄く安定していて、再インストールしたことないんだよね。

研究日記

ボスから叱咤を受ける。別に怒られているわけではないのだが、情けないことには変わりない。これでも努力しているんだがなあ。とはいえ、そんなものは言い訳にすらならない。以前にも日記で書いたが、努力と結果には何の関係もないのである。ボスにとっては尚更そうであろう。私に足りないのは努力ではなく結果である。それを忘れた瞬間、私は大馬鹿者となるだろう。

そうならないように努力するか……。

2007/02/11/Sun.

最終的には「まァいいか」という境地に落ち着ける O型の T です。こんばんは。

私自身は血液型と性格は無関係だと思っているが、他人には「O型っぽい O型」とよく言われる (よく知らない人には「A型っぽい」と言われるが、それすら O型の特性であるらしい)。

アルファベットの「O」

O型は最初、A型・B型に続く「C型」として発表される予定であった。しかし印刷の具合か筆跡の影響か知らぬが、「C」が「O」に誤読されたために「O型」となってしまったらしい。何かの本で読んだ話なのだが、今は思い出せぬ。創話かもしれない。

よくできたのもので、「O」という字は数字の「0」を連想させ、抗原遺伝子を持たないという O型の性質を覚えやすくしている。性染色体にも「XO型」「ZO型」というのがある。XY型が X染色体と Y染色体を持つのに対し、XO型は X染色体しか持たない。O染色体というものはないのである。ここから、アルファベットの「O」で数字の「0」に代用する文化があるようだ、ということがわかる。であれば、やはり「O型 = C型」説は創作なのだろうか。

血液型の分類がなされた時代に、抗原遺伝子の有無なんて誰も知らない。これは「O = C」説に有利な事実である。だが、O型の血液が他の血液と凝固反応しないことは判明していたはずだから (これがそもそもの血液型分類である)、それを意図して最初から「O」と名付けた、ということも考えられる。まァどっちでも良いが。

さらにどうでも良いが、A抗原や B抗原は血液だけに存在するわけではない。唾液や精液からも血液型が判定されることはよく知られている。「血液型」という言葉は、それが血液特異的なものであるかのような印象をもたらす点で、やや正確さに欠ける。

もし、唾液や精液も血液型の違いによって凝固したりするならば、恋愛における血液型性格占いもある種の信憑性を帯びるわけだが、などとつまらないことを考える。

研究日記

ベクターができない。ヤバいしヘコむし気持ちは焦る。……が、愚痴はイカンな。話題を変えよう。

一口に「実験」といっても、その意味によって大きく 2つに分かれるんじゃないか。例えば、ある遺伝子の発現を調べたい。その遺伝子のプロモーターで GFP を発現するベクターを作成し、細胞や個体に導入して GFP が発現する時空間を観察する。前者も後者も「実験」には違いないが、科学的事実に直結する実験は後者である。結果が新しい知見をもたらすかどうか、というポイントで実験は 2つに分かれる。

あるいは「実験」を分割して考えること自体が無意味である、という意見もあるだろう。追試はどっちなのか、という疑問もある。

などともっともらしく書いたが、実験者から見て楽しい (面白い・興奮する) 実験とそうでない実験がある、というだけの話なんだよね。

2007/02/10/Sat.

ちょうど帰宅中の間だけ雨に見舞われた T です。こんばんは。

研究日記

プラスミドの miniprep で撃沈。平滑末端の ligation で、insert が入っていたサンプルは全て逆向き。確率論的には、明日はアタリが取れるはず。取れなきゃ困る。

「全部逆向き」という経験は何度かあるが、「全部正方向」という事態に出会ったことがないのは何故だろう。

2007/02/09/Fri.

忙しいときに限って仕事が増える T です。こんばんは。

普段、金曜日は休みなのだが、どうも休める状況ではない。今日は午後から出勤させてもらうことにして、午前中に掃除と洗濯を済ませた。明日からの (世間でいうところの) 3連休は仕事が山盛り。誰もいない研究室で、ベンチを占領して実験三昧の予定である。昨年 12月から今年 1月までは論文を書くのが主で、あまり実験をしていなかったから、少し楽しみではある。学会という締め切りさえなければ。

今日はイタリアのブローノ・ブチャラティ氏の言葉から。

『ボスから指示を受ける』『テクニシャン嬢に指示を出す』

「両方」やらなくっちゃあならないってのが「研究員」のつらいところだな

覚悟はいいか? オレはできてる

ブ氏は 2000年前後にギャングの幹部として活躍し、超能力を持っていたという噂も一部では流れている。

研究日記

プロモーターを入れ替えたベクター、発現するのは発現するんだけど、凄く弱い。調べてみたら、polyA も入れ替えるべし、とある。とにかく実行することにした。

不勉強で恥ずかしいのだが、特定のプロモーターと特定の polyA の組み合わせが発現量に関係するという、その機構がよくわからない。プロモーターは転写の開始、polyA は転写後の話だろ? PolyA を変えて発現量が変わるっていうのは、mRNA の安定性が変わったからということで理解できるが、それとプロモーターはどう関係があるのか。転写量まで変わるのか (転写量が変わらないのだとしたら、プロモーターと polyA の「組み合わせ」ではなく、単なる polyA の問題である)。両方に関連があるのは RNA polymerase なんだろうけれど……、違うのか。

2007/02/08/Thu.

RSS リーダーを Google Reader に変更した T です。こんばんは。

Web 日記

Mac用 2ちゃんねるブラウザはこれまでマカエレ。を愛用していたが、BathyScaphe というソフトがスゴいというので使ってみた。

素晴らしい出来栄えで、ヤバい。最近は 2ちゃんねるで何時間も潰すわけにはいかず、まとめサイトの流し読みで終わることが多かったので、このソフトのことは全く知らなかった。今でもプログラミングの調べものや同業者の雑談、コンピュータのトラブルなどでは 2ちゃんねるの世話になる (タブレットを買ったときも参考にした) が、このソフトを使うと滞在時間が長くなりそうだ。恐ろしい。

研究日記

仕事が多い。多量というほどではないが、多種。混乱する。

2007/02/07/Wed.

思ったように時間が取れない T です。こんばんは。

理想の本棚

文庫本の大きさは大体、縦15 cm × 横10 cm である。毎日、厚さ 1 cm 分を読むとする。3年後には、15 cm × 10 cm × 1 cm の 1000倍、つまり 150 cm × 100 cm × 10 cm の体積となる。意外と小さい。もちろん、こんな山積み状態で置くわけではないが、工夫次第でかなりの量を書斎に詰め込める可能性が示唆される。本棚の体積に占める書籍の体積、つまり容積率をいかに高めるかがポイントであろう。

蔵書といえど、ただ蔵しているだけなら、それは死蔵である。目に届かない所にある本は目にしないし、手の届かないところにある本は手に取らない。人間、そういうものである。私は読破した本を結構な割合で再読するタイプなので、本を平積みにすることはないし (抜き取れないから)、奥行きの深い本棚に前後 2段で収納することもしたくない (背表紙が見えないから)。再び参照するために、スペースを割いて本を置いているのである。

なので、できるだけ多段で薄い本棚が欲しいのだが、なぜかそういった商品は少ない。高価な本棚ほど不必要にゴツく、容積率が下がる傾向にある。で、「エグゼクティブ」とか銘打ってある。アホか。本棚の役目は本を収納することにあるのだから、容積率の高さと価格が比例するべきだと思うのだが。確かに、文庫専用本棚というジャンルはある。私と同じことを思っている人が多いのか、どの通信販売でも常に品不足である。作れば作っただけ売れると思うのだが、売り切れたまま絶版になることが多い。不思議である。容積率の低い本棚の方が、売る方にしてみれば最終的によく売れる (同じ冊数を収納するのに、より多くの本棚が必要になる) からか。そんなバカなと思うが、邪推したくもなる。

本屋の文庫コーナーにある本棚が最強だと常々思っているだが、あれはどこで買えるのだろうか。

研究日記

たまには役立つ情報とか。

仕事関係の作文がたまにあって、これらは日本語で書くことが多い。そこで、職場と自宅の Win マシンにライフサイエンス辞書を入れている。

面白いように専門用語が変換されるのでオススメ。ブラウザ用のツールバーもあり、論文を書くときには大いに重宝した。

残念ながら PubMed のツールバーというものはない (以前に存在したが、現在はサポート中止になっている)。代わりに、Google ツールバーに PubMed ボタンを付けたもので我慢している。

上にも書いたが、人間は億劫なことをしないので、こういう環境を整えることは大事だと思う。勉強するときは辞書を机上に置くのと同じ。

2007/02/06/Tue.

何だかんだいって、プライマーって物凄い早さで届くなあ、と思う T です。こんばんは。

こんなに早く届くカスタム・メイドの商品って、他にある?

Web 日記

最近、どいつも日記を更新しねえなあ。と思っていたら、単に RSS リーダー (Safari 内蔵のやつ) がブッ壊れていただけのようだった。再起動したら直った。でもまた、すぐに調子が悪くなる。RSS を登録し過ぎなのか。

研究日記

これまで使っていたベクターのプロモーターを総入れ替えしている。組み換えた後にシーケンスを読んで確認するわけだが、どのサンプルも PCR がかからない。もしやと思って調べてみたら、プライマーが間違っている。時々あることではあるんだけど、腹が立つ。私の誤りではある。しかしその原因は、キットのドキュメントの誤りにある。

プライマーの配列は、実際には制限酵素部位の上流にマッチするのに、説明書では下流からプライマーの矢印が伸びている。プライマーを注文する前に、ベクターの配列とマッチさせて確認しなかった私が悪いといえばそうなのだが、それにしても、くそ、ボケが。急いでいるときに限ってコレだ。

2007/02/03/Sat.

現在、漫画は週刊少年漫画誌を立ち読みする程度の T です。こんばんは。

漫画と麻生太郎外務大臣については、先日の日記にも書いたし、BBS では Retus氏に色々と教えてもらった。麻生閣下が、個人的に漫画やアニメを擁護したり称揚するのは好ましいことだと私は思っている。しかし。

家電やカメラなどの日本製品と並んで「ジャパン・ブランド」の一角を担うようになった日本の漫画やアニメ。政界一の漫画好きで知られる麻生太郎外相が音頭を取り、外務省の後押しでさらに世界に発信する取り組みが本格化している。

(Sankei WEB)

こういう話は過去に何度も出ているが、本当に止めた方が良い。江川達也などはよく反対している (国 = 官僚が売り出そうとした文化は衰退する、というのが理由のようである)。私が反対する理由は、江川のそれとは少し違う。

今は海外の「進んだ」オタク達だけが日本の漫画の価値を理解し、楽しんでいる。ここで重要なのは、オタク間には、ある程度に共通の物差しが成立していることである。さて、「外務省の後押しでさらに世界に発信」した結果、日本の漫画が海外の一般庶民に開陳されたとする。日本の漫画表現は世界一進んでいる。すなわち、「遅れている」一般庶民にはその神髄が理解できないであろう、と予測できる。また、一度門戸が開かれた以上、これまで海外ではあまり知られていなかった日本の作品も流通するようになる、あるいは海外のオタクが流通させようとするだろう。その中には、日本人以外には極めて理解に苦しむ作品、日本においてのみ倫理的に許容されている作品が大量に含まれると考えられる。それらの存在は、いずれ一般人にも知られるようになるだろう。

その結果、黒船が来る。

過去に柔道が世界に紹介された結果、「柔よく剛を制す」という柔道の神髄は全く理解されず、「体重別階級」「制限時間」「指導」「判定」といった、本来の柔道からすれば屈辱的な規制が加えられた。この点、さすがに相撲は賢明である。外国人に相撲は取らせても、外国で相撲を指導したりはしない。

それはともかく、柔道と同じ事態が漫画にも起きるのではないか。最近は、週刊少年漫画誌でも大幅に乳の自主規制が解かれ、私なんかは「くだらねえ」と思っているところだが、それが異常とまでは思っていない。売れるから、つまり読者が求めるからそうなっているだけのことである。無知を承知で書くが、萌え絵のような極端に身体パーツをデフォルメした絵柄に萌えるという行為は、歌麿の春画が売れるのと同じ現象であるように思う。日本人は、絵にそういったセクシャリティを感じる傾向がある。しかし文明開化のおり、このような絵は「野蛮」だとされ、日本の後進性を象徴するものだとされた。浮世絵自体は海外でも長く生き残ったが、春画の多くは焼かれた。

児童ポルノや残酷表現の摘発に躍起となっている先進諸国から見れば、日本における漫画のメインストリームといえる週刊少年漫画誌ですら、規制の対象になりそうな連載が多い。捕鯨のように、理不尽な反感を日本は獲得しそうである。

憂鬱だ。麻生閣下には熟考を期待したい。日本の漫画が世界に紹介されて一番不利益を被るのは、日本のオタクになりそうな気がする。お前ら、それで良いのか。

2007/02/02/Fri.

執念深い T です。こんばんは。

本日は休み。

「俺は何年も前からペン・タブレットが欲しかったのだ」ということを急に思い出し、そうなると是が非でも手に入れなければ欲望に身を焼き焦がされて死ぬような気がしてくるから不思議なものだ。で、買ってきた。大人になるとこのへんのプロセスが早くなる。

ペン・タブレット

WACOM の intuos 3 というシリーズで A5 サイズである。店頭で見たときはさほど大きいとは思わなかったが、実はノートパソコンよりもデカい。

学生の頃によく描いた、ブラック・ジャックの落書きなどをして遊ぶ。操作には若干の慣れがいる。最初から紙にペンで描くようにはいかない。ブラック・ジャック程度なら、紙に描いてスキャナで取り込んだ方が圧倒的に早い。実際、タブレットで描く人も下書きは紙に描いてスキャンしているようだ。知らなかった。しかしまァ練習なので、ブラック・ジャックが上手く描けるまで繰り返してみる。7人目のブラック・ジャックの投げたメスが、ドクター・キリコの額に刺さったところで、そこそこ納得できた (飽きた、という説もある)。

せっかくなので、机上の筆立てを描いてみた。

筆立て

半日でこの程度まではいける。デッサンがおかしいのは、私の根本的な絵画能力に起因している。これだけはハードやソフトではどうにもならない。しかし逆にいうと、普段から紙に絵を描いている人ならば、パソコン上でもすぐに手書きと遜色のないものが描けるようになるだろう、という気もする。

しばらく練習しながら、色々と描いてみよう。

2007/02/01/Thu.

2月は気合いを入れていこうと思っている T です。こんばんは。

研究日記

職場のロビーにコーヒー・ショップが開店した。せっかくなので仕事が終わってから行ってみた。

チェーンのコーヒー・ショップのコーヒーは、安いといえば安い。喫茶店のそれよりも、むしろ缶コーヒーと競合する価格である。缶コーヒーに対しては、紙コップのコーヒーという競争相手 (こちらの方が安い) も存在する。ロビーには、これらが全て存在する。覇権を握るのは果たして。どうでも良いけど。

冷静に考えてみれば、上記の 3種類のコーヒーは、どれも大して味が変わらないようにも思う。値段の違いは、単に器のコストの違いというだけではなかろうか、という気さえする。まあ、選択肢が増えるのは良いことだ。