- げっきょく

2006/05/20/Sat.げっきょく

「結婚したら大変ですよ」と大学院生の先生に脅された T です。こんばんは。

この先生 (3児の父) とは前後 2回ほど結婚についての会話を交わしたが、いずれも否定的な受け答えに終始した。

先生「独身ですか」
俺 「はい」
先生「羨ましいですね」

先生「結婚の予定はあるんですか」
俺 「いえ。仕事を始めてから、結婚したいなーって思うことも増えましたけど」
先生「いやあ、大変ですよ」

とにかく結婚は大変なのだと説かれる。ちなみに、この先生は小児科医。子供が減れば飯が喰えなくなるという商売にも関わらず、自分の将来よりも俺の将来を心配してくれる。余程なのだろう。と俺は思うしかない。

研究日記

大学 → 病院。可及的速やかに仕事を終わらせて帰宅する。たった数時間の連続した「自分の時間」すら、こうでもしないと手に入らない。この現状が果たして正常なのか異常なのか。自分より忙しい人は山ほどいるし、ヒマな人も無数にいる。もともと俺は「正常」とされる範囲に積極的な価値を見出していないので、結局は個人の充足度が問題であろうという極めて月並みな結論に落ち着く。しかしこの結語は逃避であるかもしれない。

月極

「極めて月並み」という文字列で思い出した。本当につまらない話だが、思い出してしまったので書いておく。

それがいつ頃までだったのかは思い出せない。とにかく俺は「月極」を「げっきょく」と読んでいて、これを固有名詞と思っていた。

「月極駐車場」は「げっきょく駐車場」であり、つまり「げっきょく」という会社(俺の中では「株式会社げっきょく」だった)が運営する駐車場なのだ。個人が運営するものも含めれば、全国の月極駐車場は膨大な数になる。何しろそこら中にあるのだ。「げっきょく」はいかにしてこれほどの独占を構築するに至ったのか。謎である。また、これらの駐車場を管理するには相当の人員が必要だ。巨大な会社なのだろう。しかし「げっきょく」のビルや事務所を見たことがない。不思議なことである。「げっきょく」はニュースに登場することもなかったし、この会社について周囲の人間が語ることもなかった。あまりに不自然過ぎる独占状況、予想される規模に反して全く見えてこない実態。ひょっとして「げっきょく」は日本最大のタブーなのではないか。

若かった俺はそんなことを考え、月極駐車場の横を通るたびにドキドキしていたのである。ああ恥ずかしい。青春だなあ。