- 研究予算の話

2006/04/05/Wed.研究予算の話

憂国の士、T です。こんばんは。

研究日記

雑用、といったらイカンな、実験以外の仕事が多い。水曜日はボスとのディスカッション日。もう 1週間か。早過ぎる。そんなに次々とデータは出ない。「この試薬、高いんですよねえ」という論法で少し逃げを打ったら、「おう、ちょっと待っとけ」とボス。彼自身が業者に電話をして試薬を見積もらせると、値段が半分くらいになった。どういう価格設定なんだろう。

研究機関に対する予算が大き過ぎるという批判があり、それは決して間違いではないのだが、実態としては、大部分がこのようにして民間企業へ流れている。研究で使われる特殊な商品を扱う業者は明らかにカルテルを組んでおり、研究予算は形を変えた公共事業であるともいえる。昨日の日記で「理系の学問に税金が投入される」と書いたが、これには以上のような理由もあるのだろう。

このカラクリにはもう一つ奥がある。研究分野にもよるだろうが、試薬・機器の多くは海外製であって、つまり、最終的に我が国の税金は国外に流出しているのである。政府が本当に支援すべきは、国内の試薬・機器メーカーではないか。研究で使用する物品を全て国内産に切り替えることができたら、研究費も安くなるだろう。同じ予算であれば、より多くのプロジェクトを組める。急がば回れだ。

国益とは何ぞや。そんなことを考えている人間は少数なんだろうな。