- 「お約束」の壁

2004/12/20/Mon.「お約束」の壁

KID JOE 兄に教えてもらった「MAD GEAR SOLID」に大笑いした T です。こんばんは。

「MAD GEAR SOLID」は「METAL GEAR SOLID」のパロディ・フラッシュなのだが、あまりにもバカバカしくて大いにウケた。バカバカしいんだけど、いわゆる一発モノではなく、長編にも関わらず非常に作り込まれている。こういうフラッシュを見ていつも気になるのが、「いったい誰が作っているのだろうか」ということである。スキルと時間と情熱をかけてくだらないものを作る、それはとても尊く羨ましい行為だ。

ドラゴンクエスト VIII 日記

一応のエンディングを見る。一応の、というのは、それがあくまで表のボスを倒して見たものだからだ。歴代の「ドラゴンクエスト」シリーズは、充実した裏面がクリア後に楽しめるようになっている。ドラゴンクエスト VIII も例外ではなく、クリア後に新たな旅路へといざなわれた。

本日の我がゼシカ
Lv.: 39、HP: 308、MP: 297、おいろけ: 100。「セクシーダイナマイト」になる。

クリアしたので攻略情報を完全解禁。裏面制覇を目指しつつ、諸々のコンプリートに挑戦する旅が始まった。後半では、往年のドラクエファンをニヤリとさせるお遊び要素もたくさんあり、これからも何か出てきそうで楽しみだ。

ファンタジーとは

ドラゴンクエストのような RPG をプレイすると、いつも「ファンタジーとは」という問題を考えてしまう。もちろん、ドラゴンクエストの第一義はゲームであり、「どうしてモンスターを倒すと金銭が得られるのか」などと考えるのは野暮である。企業は営利目的でゲームを作っており、ゲームとして面白くなければ売れない。当たり前の話だ。

しかし一方で、巷間に溢れる三文ファンタジー小説、あるいはコミックを見ると、どうしてそこまでゲームに追従するかなあ、と思ってしまう。もう少し文学的実験を試みても良いのではないか。現実的に考えると、ゲームの中にはおかしな点がいっぱいある。どうして後半に訪れる街になるほど、優れたアイテムを売っているのか? フィールドや洞窟に落ちている宝箱は、誰が何のつもりで置いたものなのか? そういうおかしな話を、そのまま小説にしている売文家は何を考えているのだろう。

さらに、ゲーム製作技術の進歩によって、この問題はそのままゲームの世界へも流れ込んでいる。今のゲームは、「リアルに、よりリアルに」を合言葉に進化しているような気がするのだが(その代表的な例こそ「METAL GEAR SOLID」である)、リアルになればなるほど、これまで気にならなかった問題点が目に付くようになる。

いわゆるファミコン時代、「これはゲームなんですよ。宝箱に見えないかもしれないけれど、私達はこれを宝箱のつもりで描写しているんです。仕方ないんですよ。ハードがショボいから。本当は私達だってもう少しリアルにしたいんですよ。御理解下さい」ということで、メーカーとプレイヤーの間に交わされた「お約束」が無数にある。このコードは、これだけリアルになった昨今のゲームでも受け継がれている。それは悪いことではないが、低速のハードを前提とした「お約束」が、今度は反対に、高度な技術が可能にする奔放な空想を妨げているのではないか。真に次世代のゲームを作製するとき、そこはどうしても越えなければならない壁のような気がするのである。