- 成長の機会

2004/10/30/Sat.成長の機会

久々にメッセンジャーで多群兄と話した T です。こんばんは。

ふっと気付いたのだが、最近、我が豪邸の回線が非常に安定している。これまではよくブチブチと切れていたのだが。バックボーンの増設工事でもあったのかな。

ADSL の問題点

ADSL 回線の致命的な欠点は、接続速度が電話局からの距離に反比例していることである。つまり、同じサービス料金を払っても、回線を引っ張ってくる場所によって、受ける恩恵が違ってくるのだ。日本におけるサービスは、良くも悪くも、最後には必ず等質となる。そうでないと消費者が納得しない。この消費者意識は非常に高いと思う。日本は世界で一番消費者の目が厳しい市場である。

それゆえ、真のブロードバンド・サービスが達成されるのは、ADSL によってではない、と言える。ADSL の普及を促進した Yahoo! が、最近になって光回線のサービスを始めたのは、実に象徴的なことだ。

ネット・リテラシー

どうしてこんな話をするのかというと、数年前から声高に叫ばれている「ネット・リテラシー」や「コンピュータ・リテラシー」の問題と関係があるからだ。ネットワークやコンピュータの使い方に関して、いまだに確固たる習得ドクトリンはない。結局、自分が実際に使用したり体験したりすることによってしか、リテラシーを養う方法はないのだ。そのためには、高速回線と高性能パソコンが必要となる。最新のサービスやソフトウェアとは、しばしばそういった環境でしか走らないからである。

であるから、「良い道具や環境を整えるのは、もっと技量が上がってから」というような、いわゆる普通の趣味における考え方は、少なくともネットワークやコンピュータに限っては成立しない。絵筆とパソコンは、その意味で根本的に異なる。良いものを揃えないと、「まだ自分には必要ないから」という考えが、本当に妥当なものかどうかすら「わからない」のだ。

というわけで、我が豪邸の回線の安定化は、俺にとって「サービスの向上」以上の価値がある。不安定な回線によって閲覧を中止したサイトの中に、俺のネット・リテラシーを高めてくれるものがあったかもしれないのだ。自分が成長できる(かもしれない)機会を奪われることは、非常に悲しいことである。未然に失われたチャンスの積み重ねが、いつか決定的な差となって、自分の前に困った事態として現れるかもしれない。怖いことだ。

だからこれは、何もネット・リテラシーに限った話ではないのである。