- わかってます?

2004/09/04/Sat.わかってます?

あやうくK君に「ドラゴンクエスト V」を押し付けられて廃人にされるところだった T です。こんばんは。

研究日記

今週からプログレスレポートが再開。このミーティングの裏テーマは、いかに「オマエわかってねえよ」ということを K先生に伝えるか、である。その手法によって、苦笑派と攻撃派に大きく別れる。言うまでもなく攻撃派の俺だが、N.N.嬢の強さには逆立ちしても勝てない。今日の彼女の一言、「わかってます?」には喝采を贈りたい。

歴史と小説

塩野七生『ローマ人の物語』文庫版の第2期配本が始まった。今月は「ユリウス・カエサル ルビコン以前」である。大いに楽しみな巻であるが、最前の文庫化から、既に 2年が経過している。ローマ史に詳しくない俺の頭からは、これまで読んだ内容の大半が失われている。もう一度、第1巻から読み直さなければならないかなあ、などと考えているが、それもまた楽し。歴史はそういうふうにしか勉強できない。

歴史の奥深さを感じるのは、実にこういうときである。繰り返される同じストーリーを何度読んでも飽きが来ない。この点が、小説とは決定的に違う。例えば、織田信長の伝記は何冊も出版されているが、大筋は全て同じである。尾張に生まれ、桶狭間の戦いがあって、美濃を制圧し……、で、最後は本能寺の変で死ぬ。最初から結末までがわかっているのに、それでも読む。そしてそれが面白い。考えてみると不思議なことだ。

だから、というのが正しいかはわからないが、俺は「歴史小説」をほとんど読まない。小説になってしまうと駄目なのだ。そんなものを読むくらいなら、歴史書(あるいは伝記や評伝)として書かれたものを読む方が何倍も楽しい。フィクションとしての「時代小説」はともかく、歴史を小説化した「歴史小説」は、子供向けにリライトされた文学作品に似て、やはり物足りない。とはいえ、子供向け文学全集同様、その功は否定しないし、それどころか裾野として、もっと沢山の本が出版されたらと願っている。

「歴史と小説」というテーマはあまりに巨大過ぎるが、折りにふれ、また考えていきたい。