ゲームにハマると、12時間プレイ > 12時間睡眠といった感じで、意外と生活リズムが良くなったりする T です。こんばんは。
しかしそれも数年前の話だけれど。今は 12時間プレイなんてできない。
今日はゲームをしていて面白い発見をしたので書く。主に RPG を想定しての話。
敵を倒したり、特定のイベントをクリアすると金銭が得られる、というゲームは多い。ドラゴンクエストの「ゴールド」や、ファイナルファンタジーの「ギル」なんかが、通貨として有名だ。当然のことだが、ゲームの中で得られた金銭は、ゲームの中でしか価値を持たない。ゲーム内のショップで武器やアイテムは買えるが、現実世界の何かと交換するわけにはいかない。
さて、RPG に付き物なのが「レベル上げ」だ。プレイヤー・キャラクターが容易に勝てる敵をひたすら撃破し、経験値(またはそれに相当するもの)を溜めていく作業である。この作業で一番最初に必要になるのが、敵とのエンカウント(遭遇)だ。倒すべき相手に出会わないことには、経験値も得られない。しかし通常、ゲームの進行にストレスを与えないため、敵との遭遇率というものは一定に保たれてある。レベル上げは単純作業だから、できれば効率的にやりたい。一方で、エンカウントの確率は決まっている。
そこで、だ。ある種の RPG では、エンカウント率を上げるアイテム(ないしは呪文)が用意されている。例えば、ドラゴンクエストにおける「くちぶえ」がそれだ。「くちぶえ」は呪文であるから金銭は消費しないが、ゲームによっては購入可能なアイテムとして登場する。この場合、敵とのエンカウントをゲーム内の金銭で買っているわけである。
おわかりだろうか。レベルが上がるまでに倒さなければならない敵の数は同じである。では、エンカウント率の上昇によって得をしているのは誰だろうか。言わずもがな、プレイヤーである。プレイヤーの時間が節約されているわけだ。つまり、ゲーム内の金銭で自分の時間を買っているわけである。ここでは、ヴァーチャル・マネーと現実世界の時間が、等価に取引をされているのだ。
とはいえ、俺が発見した例は、実のところマッチポンプなわけである。自分の時間を買うための金銭は、自分が時間を使ってゲーム内で稼いだものだ。「等価の取引」と書いたが、取引されている両者(自分の時間とヴァーチャル・マネー)は、異質なもののようで、実体はほとんど同一である。取引できて当たり前なのだ。
まァこんな段階では、とても第三者を想定した「経済」は成り立たないのだが、驚くべきことに、ネットワーク・ゲームが普及している韓国や台湾では、ゲーム内に出てくるレア・アイテムなどを、実際に現実の金で売買しているらしい。これくらいなら日本でも行われているだろうが、何と向こうでは、その取引を仲立ちする会社があるというのだから恐れ入る。相場、仕入れ、販売といった概念が確立しており、まさに経済行為そのものである。
取引の斡旋会社は、ゲーム・メーカーとは全く関係がない。つまり、ズルをしてレア・アイテムを多量に保有しているわけではないのだ。レア・アイテムを欲しがる人は多い。そのため、仕入れをゲーム・マニアと契約する。マニアは一日中ゲームをしていればよく、プレイでゲットしたアイテム(のデータ)を斡旋会社に売る。こうして、ひたすらゲームをすることで生計を立てている人が、多数存在するそうだ。
しかしそこまでとなると、いくらゲーム好きでも辛いと思うのだが……。