- マジカル・アイ

2004/03/15/Mon.マジカル・アイ

強度の近視の T です。こんばんは。

最近は「マジカル・アイ」とかいうのが流行っているのか。生協にも本が山積みだった。説明しておくと、マジカル・アイというのは、立体視すると絵が飛び出して見えるというアレである。ノイズのような画像の下に、小さな丸い点が二つほど打ってあり、それをどうにかして見たら良いらしい。存在自体は昔からあるが、装いを新たに「マジカル・アイ」とは笑わせてくれる。おまけに「目が良くなる」んだと。けっ。商売としては品がないわな。

と、このように否定的な書き方をするのは、絵が飛び出て見えたためしがないからで、要するに負け惜しみである。正直に書くと、皆が見えているのに自分だけ見えていないのは非常に悔しいのだが、それも秘密である。

まあ、別に見えなくとも問題はなかったのだが、どうも昨今、論文のフィギュアにもこの手の画像が増えてきて困っている。特にタンパク質の立体構造に関する論文に多い。興味のあるタンパク質なら、俺だって飛び出ているのが見たい。そこで頑張って見ようとするのだが、やはり全然飛び出てこない。そこを我慢し、勉強のためと思って一心不乱に眼球を寄せたり焦点をボカしたりするのだが、それでも見えない。しまいに眼底が痛くなる。元々気が短くて癇癪持ちの俺は、最終的には「見えるかボケ!」と怒鳴るのがオチである。まことに腹立たしい。

ま、フルデジタルへの過渡期の産物だと思って気にしないことにする。ああ、さっさと論文ファイル上で、タンパク質の 3次・4次構造をグリグリと動かせるようになると良いのだが。

(技術的にはすでに実用段階に入っている。Protein Data Bank などでは、プラグインさえ入れれば、Web ブラウザ上でタンパク質をグリグリ動かせるところまで来ているのだが、あまねく環境で利用できるような形式で論文にデータが挿入されるまでには至っていない。規格の統一を望む)